北海道ワインアカデミーで山梨の接ぎ木を学んだときのまとめ。
来春からの自分の作業のことも考えて補足もしつつ。
・苗木圃場
上の写真はシャインマスカットの苗木圃場。
10月中旬の掘り取り。
機械で掘り取っているとのこと。
株間は15cmくらい。畝間は30cmくらい。
思ったよりずっと密植。
この1反の畑で5000本の植栽。
畝間は乗用モアなどで除草するなら、その幅に合わせると便利。
防除などは300リットルの動噴か、背負いの噴霧器で。
広ければSSでも可。
管理機で筋掘りして、手植え後に土を戻す。
接木部まで土を被せるくらいでよいらしい。
バレイショ(ジャガイモ)と似ているな。
自分でやるなら、
「トラクターで筋掘り→手植え&軽く土寄せ→管理機で培土」
という形式になるだろうから、
バレイショと同じ時期(遅霜後・5/20頃か)に、
同じ工程でできそうだ。
苗木は乾燥に弱いから基本的に平畝とのこと。
逆に湿潤な岡山なんかでは、高畝でうまくいっているらしいので、
そこは畑に合わせて考えていく。
マルチも現在のところ使用なし。
乾燥防止や除草のために使うのもありだが、
近年はゴールデンウィークくらいから、
気温が35度に達したりする。
マルチがあると根が焼ける、とのこと。
マルチは防草に便利だが、
マルチ敷くとなるとバレイショパターンは無理か。
来シーズンは何パターンか試してみて、
自らの畑に合うやり方を考えていくことにする。
・台木、穂木畑
台木と穂木の畑は棚仕立て。
4mくらいまでは伸ばす。
ただし、伸ばしすぎると枝が細くなるし、短すぎても太くなる。
接ぎ木は台木と穂木の太さを合わせるのが大事なので、
それを考えてどこまで伸ばすか決める。
・接ぎ木作業について
接ぎ木の際は台木を5パターンの太さ、
穂木を3パターンの太さに分けておく。
その後の合わせは接ぎ手次第。
現在はオメガ式のカッター使用が7割、
伝統的な手作業の英国式鞍接ぎが3割。
実感としては、
「機械だと組織を力で壊している感覚がある。
特にヴィニフェラ種は柔らかいイメージ。潰れやすい。」
とのこと。
山梨でのやり方では、以下のようになるらしい。
熟練の手作業で接ぐと、振っても取れないほどきっちり繋がる。
機械ではそれは無理。
現在、両方合わせて活着率は50%ほど。
1人あたり1日で1500本ほど接いでいる。
接木部はロウで固めているが、最初の葉が出た時に、
さらに葉ごとロウで固める。
ロウには殺菌剤が含まれているので、芽出しの部分も守るため。
70度のロウに葉を付けることは心配かもしれないが、
1〜2秒の浸漬で芽は死なない。
葉は1枚焼けるかもしれないが問題ない、とのこと。
注意はウイルスフリーへの配慮。
台木の更新時は必ずチェック。
怪しい親木も更新をかける。
あとは剪定時のハサミ。
これで感染することが多いので、使用前の殺菌は必須との談。
最近の傾向としてワイン用が増えてきたと話していらっしゃった。
去年くらいに比率が逆転して、
今はワイン用が6割、生食用4割くらい。
ワイン用は、主要品種(ピノやシャルドネなど)を欲しがる人と、我々も知らないようなマイナー品種を欲しがる人と、
大きく二手に分かれている、とのこと。
台木は5bb人気変わらず。北海道は5cが圧倒的に人気。
自分の作業に活かしていく。
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