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北海道ワインラヴァー2020もくじ

もくじ

このブログの目次です。このページは常に先頭表示になっていますので、最新記事は次の投稿からです。青色下線の文字はリンクついています。クリックで飛べますのでぜひ。

著者紹介

自己紹介のページ

北海道のワイン

①農楽蔵
 2019年までの総集編

②ドメーヌ・タカヒコ

③栗澤ワインズ(KONDOヴィンヤード)
 2018年までの総集編
 エチケットなど資料

④栗澤ワインズ(ナカザワ・ヴィンヤード)
 2019年までのまとめ

⑤10Rワイナリー

⑥山崎ワイナリー
 2018年までのまとめ

⑦タキザワ・ワイナリー
 2019年までのまとめ

⑧ドメーヌ・アツシ・スズキ
 2018年までのまとめ

⑨宮本ヴィンヤード
 2018年までのまとめ

⑩モンガク谷

⑪イレンカ

⑫ドメーヌ・モン
 2018年までのまとめ

⑬多田農園

⑭ ふらのワイン

⑮羊蹄ワインセラー

⑯八剣山ワイナリー
 2019年までのまとめ

⑰藤野ワイナリー
 2018年までのまとめ

⑱三氣の辺

⑲藤澤農園

⑳松原農園

㉑宝水ワイナリー
 2019年までのまとめ

㉒北海道ワイン

㉓バンナ・ブラン

㉔キトウシ
2019年までのまとめ

㉕月浦ワイン
 2019年までのまとめ

㉖オサ・ワイナリー

㉗千歳ワイナリー(北海道中央葡萄酒)
2018年までのまとめ

㉘マオイ自由の丘ワイナリー
 2019年までのまとめ

㉙奥尻ワイナリー
2019年までのまとめ

㉚サッポロワイン

㉛キャメルファーム

㉜ベリーベリーファーム&ワイナリー

㉝十勝ワイン(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)
 2019年までのまとめ

㉞富岡ワイナリー

㉟リタファーム&ワイナリー

㊱ばんけい峠のワイナリー

㊲余市ワイン

㊳平川ワイナリー

39ワイナリー仁木

40はこだてわいん

41オチ・ガビ

・現在ワインのリリースがないヴィンヤード

①美流渡

②旧マオイ・ワイナリー
 ここまでの総集編
  *現在は「マオイ自由の丘ワイナリー」

③旧・歌志内太陽ファーム
 ここまでの総集編
  *現在は「上歌ヴィンヤード」

日本のワイン
近畿地方まとめ

世界のワイン
 世界のワインまとめ

ワインの知識

ワインの香り

ブドウ栽培の知識

苗木づくりについて
ワイン用ブドウ栽培

栽培記録

2019年苗木作りの記録

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営農週報~雨と体調不良~

活動時間54.5時間(先週-4.0時間)
活動率136.3%(週40時間=100%)

今週は今年に入って初めての雨がちな週。
今週トータルで58mmの降水があったわけだが、
これはここまでの北海道の毎月の降水量に相当する。
秋雨のシーズンという感じ。

それに伴って気温も急激に下がり、
最低気温は12度台の日も複数あった。

これで体調を崩してしまって、
午前中だけ作業して、午後は寝ているという日があり、
結果として活動量は減った。

とはいえ、深刻な風邪にはならなくてよかった。
農業は割と自由がきくので、
「やばいな」と思ったら安静にできるのが大きい。
早めに休めると治りも早いしな。

今週でカボチャも採りきったので、
露地の畑はひと段落という感じ。

除草作業に邁進しないと。
あとは大根が大きくなるの待ちというところ。

日没も早くなってきて18時にはもう暗い。
効率的に作業していく。

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菊鹿シャルドネ アンウッデッド2018~

ちょっと前まで「30度超え」とか書いていたのに、
めっきり寒くなって最高気温でも16度とか。

正直、関西人の僕にとって、これは冬ですね。
今年は(今年も?)秋がなかった。

シードルとか飲んでいたのが懐かしいくらいに、
冷やした白がちょっとツライ季節になってきました。

なんて言いつつ、今日のワインは冷やした白(笑)

熊本、菊鹿のシャルドネ。

酸がキレイで驚く。
暑い九州でこれほど酸が残せるとは。
そしてクリアな香りとアプリコットの香り。
(…と書いたけど、裏エチケットには「洋ナシ」とあるな…苦笑)

気持ちの良いシャルドネだ。
ブラインドで飲んで、これが日本だとわかる人が何人いるのか。

世界でも通用する素晴らしい白です。

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造り手の思想~ドメーヌ タカヒコ醸造編~

昨日に引き続き、ワインアカデミー2018の記事。
ブログの引っ越しでこちらへ。

さて、畑から戻って醸造所でのお話し。
質問への対応もあるので、
カテゴリーに分ける感じでまとめてみました。

細かいワインについての話は、
この後投稿するテイスティングした2本、
「ブラン・ド・ノワール」と「ナナツモリ」の記事に収録します。

・醸造過程
10月20日~30日に収穫を終えて、
発酵は40日~50日かけて起こる。

温度を下げるのは北海道では楽。
自然と気温が下がっていくから。
低温発酵でゆっくり日数をかける。

醸造所内は22度くらいまでしか温度が上がらない。
アルコール発酵もMLFもやりきる。

発酵が落ち着くのが12月5日頃、
ちょうど剪定が終わる頃にプレスする。

12月末ぐらいに樽出しして、できる限り早く瓶詰を行う。
サイフォンを利用して、重力で動かす。
酸素は怖いので。
製品はポンプを使うのはダメ。

・亜硫酸について
亜硫酸は使用していない。
おいしく飲むのにいらないのではないか?と考えている。
なりとなしで作り比べて、トライアルしている。

現状、亜硫酸「あり」と「なし」を比べると、
「なし」の方は詰めてすぐはアルデヒド臭がある。
それが1年くらい経つとなくなり、果実味が出始める。

最初は「あり」の方が良いが、
1年以上経つと「なし」の方がおいしくなっていく。

・ワインとは
ワインというのは、味噌やしょう油のようなもの。
大手企業(キッコーマンやマルコメ)があり、
小さい農家がある。
企業の世界と農家の世界があればいい。
ただ、企業はスタッフの生活を考えないといけない。
自分としては小さい農家として、自分のやり方でやりたい。

やはりここでも大切なのは感性。
観察し続けて、養っていくことが大切。

・ワイナリーを始めるとき
余市に新規で入ったころは、
土地が反当り30万円くらいだった。
土が作られている感じ。
肥料はありすぎるくらいだった。

機械とリフォームで1000万円くらい。
タンクは合成樹脂のものを使っている。
5~6万円くらいで買えた。
新だるは必要なくて、古樽にした。

ただ、樽洗浄機にはお金をかけた。
高圧洗浄機もお湯が出るやつを使っている。
あとは瓶詰の機械が7万円くらいのイメージ。

IBCタンクを使っている。
ステンレスタンクはサニテーションが大変。
ブルゴーニュでは桶を使っている。
これでもいいが、価格が高い。
味噌やしょう油と同じ。
桶でも作れる。

ブルゴーニュでも今は桶からプラスチックに。
プラスチックの欠点はにおいの吸着。
ただ、ピノ・ノワールしか作っていないので、
大きな問題はないと感じている。
ナイアガラで使った後にピノに使ったら、
それは問題あるだろうけど笑

酸素透過についても今のところ問題は感じていない。

・酵母
酵母は畑の菌を使っている。
虫が菌を運んできてくれる。

・造り
赤品種は全房でタンクに入れて、
タンクごと重さをはかる。
このやり方なら簡単だし楽。
どんな農家でもできる造りにしている。
自分としても睡眠時間を削ると、
思ってもみないミスをしたりするので。

・審査会について
審査会に出すとなると、
どうしても審査員の顔色を窺ってしまう。
評価の高いものを作ろうとしてしまう。
だからコンクールには出さない。
自分の世界を表していく。

実際に醸造器具なんかを見ながらのお話しで、
すごくためになりました。
質問にも親身に熱心に答えていただいて、
本当にあっという間の1時間ちょっと。
名残惜しみながら、次の講義へと移動です。

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ワインの造り手の思想~ドメーヌ タカヒコ栽培編〜

2018年のワインアカデミー参加の際の記事。
旧ブログより引っ越し。

話の内容は僕のメモに依存してます。

・畑の概要
面積は4.5ha、植栽は2.5ha。
余市の平均面積が6.5haであるから、やや小さめ。
1人で管理できる面積を意識している。
現在は研修生も含めて2人で管理なので、少し余裕あり。
実感としても2haを超えると、手が回らなくなる時があるとのこと。収量は少ない年で8トン、多ければ13トンくらい。

植えてある葡萄品種はピノ・ノワール。
ドイツ系やスイス系のクローン、
マリアフェルダーなどの大きい実をつけるものを中心に。
寒暖差が大きく、結露しやすい環境では栽培しやすいから。全体の3割〜4割はMV6。

ディジョン・クローンは余韻を含めた味わいは良いが、
実と実が密着し、灰カビ率が高くなり、収量も低くなる。

クローン13系統を利用し、収穫時期がズレるようにしている。
おおむね10月20日~30日の収穫となっている。
クローンの違いによって、花ぶるいの起こりやすさや、
病気のなりやすさにも差がある。

・北海道を選んだ理由
自分で畑を持つにあたって、いろいろな場所を検討した。
長野も考えたが、ヴィラデスト・ワイナリーで標高700~800m。
これより標高が下がると気温が高すぎるし、
標高を上げると冬の気温が低くなりすぎる。

北海道だと長野での標高1000mくらいの気温になる。
これはだいたい軽井沢ぐらい。
そして雪の多さが凍害から守ってくれる。

長野の標高の高い場所でも雪は積もるが、
どうしても雪解けが早くなってしまう。
標高による寒さでは、
下からの暖気を帯びた風によって雪が溶ける。
その後に寒波が来ると、その寒さで樹がやられる。

次に考えたのが北海道。
世界的に見ても北海道は良い気候と言える。
積算温度も1300前後とブドウに適している。
また、本州の欠点でもある秋雨が少ない。
特に収穫時の雨は玉割れを引き起こす。

また、収穫時期はなるべく遅らせたいが、
クールクライメント、寒い状態ではブドウは水を吸わない。
それでいて葉が緑のうちは糖度が安定して上がっていく。
本州の9月終わりの収穫ではBrixや酸度が下がってしまう。

そして北海道の中でも、余市は海が近く、霜が遅い。
秋が遅いとも言えるが、
霜が来るまではブドウを樹にぶら下げておけばよい。

欠点は晩生の品種(北海道で11月に入ってから熟す品種)は、
どうしても青臭さが残ってしまうこと。
土地に合う品種を探すことが大切。
9月後半~10月後半くらいに収穫を散らせると理想的。

早生品種の筆頭はミュラートゥルガウ。
糖度が年によってバラつくが。
糖度12までしか上がらない年もあれば、
糖度20まで簡単に上がる年もある。

晩生品種ではケルナー。
ただ、糖度は非常に安定する。

品質の良いものだけを目指すなら、
やはり晩生品種をうまく育てること。
ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、
そしてピノ・ノワールあたり。

・農薬、除草剤について
品種によって、有機栽培のしやすさも違ってくる。
ドイツ系は全体的に農薬ありきの品種なので難しい。
ケルナー、ツヴァイゲルト、ミュラートゥルガウあたりは
農薬なしで育てるのは大変。
最近造られた品種はどうしても化学農薬を前提にしている。

自分としては、
化学農薬はどうしようもないときに使用するというスタンス。
農薬に依存すると、「なぜその症状が起こるのか」など、
分からなくなってしまうから。

ブドウ栽培には「感性」が重要だと考えている。
農薬に依存しすぎると、感じ取る力が下がっていく。

同様に除草剤もまかない。
やってて気持ち悪いから。
これは自分の感性。
そう感じるからやらないだけ。

ただ、そんなにストイックに有機栽培をやる気はない。
大事なのは、周りの先輩栽培家が
「曽我ができるならウチでも」となること。

農薬1/10でキレイな畑、病気も無くて、虫の害もない。
そうなるなら、お金も節約できるしやってみよう、となる。
自分だけ有機栽培やっても何の意味もないから。

・使用農薬について
使用しているのは、主に銅剤。
ICボルドー、コサイドボルドーなど。
JAS有機の認定を受けているもの。

今の考え方としては、なるべく銅の量を減らしたいということ。
デュポン社(コサイド・ボルドー)が銅を減らせる。
だいたい1/6~1/7まで減る。
超化学農薬企業が銅を減らす薬剤を開発する、
というのはなかなか皮肉だけど。

硫黄と石灰の合剤は春先に散布。
アブラムシやカスミガメ、カイガラムシよけに。
BT剤、微生物剤なんかは灰カビ予防に使う年もある。
あとは石灰の葉面散布は現在検討中。

イモ虫類にはBT剤。
飛んでるチョウが多い年はまく。
スズメガが大発生する前にまく。
サビダン硫黄合剤をまくこともある。

ブドウトリバについては、
観察していると春、開花直後くらいに卵を産んでいる。
越冬場所を作らないことが大発生を防ぐ基本。
山を背負った畑では厳しい。
落ち葉の下や木の皮で越冬してしまうから。
小さいうちは果皮を食べる。
食痕を見つけたらBT剤。

・剪定、誘引、摘芯について
長梢剪定。
北海道では枝が折れるからムリと言われたので、
意地になって続けている部分がある(笑)
1本だとリスキーなので、春と冬の剪定に分けている。
冬はコルドン残して短梢と長梢に。
春には短梢の方を落とす。

誘引は長梢は芽の向きを一定に。
寝ないように固定している。
テープナーで充分。

摘芯は刈り払い機のバリカンバージョンみたいなやつで。
2.5haなら1日あれば終わる。

垣根で作るなら根は下へ向かわせたい。
毎年、通路に出る根は切っている。
根を切ると樹にダメージを与えるという説もある。
ただ、余市は樹勢が強いので、その対策。
1年だけ切っても逆に根が増えるので、
樹勢は強くなってしまう。
毎年続けることが大切。

この後、ワイナリーに場所を移して、醸造の話も。

しかし、栽培哲学の話もたくさん聞けて良かった。
個人的には「観察」の話が心に響いたな。

そういえば、DRCでエシェゾーなどの栽培を担当して、
今はビオでワインを作っているヴァンサン・ルグー氏の、
こんな言葉を読んだことがある。

「最も大事なことは、observation(オプセルヴァシオン/観察)。
 すべてにおいて、自分の目で見て確認するということです」

共通するものを感じる。

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ワインの知識~日本のワインとチーズの造り手~

ブログ引っ越し記事、昨日の続き。

2017年ワインヘリテージのパネルディスカッション。
僕が内容を要約したものです。
話の筋が見えやすいように、
順序を入れ替えたり、省いたりした箇所もあります。

最初に、パネラーの紹介。

①吉田全作さん(岡山県 吉田牧場)
 北海道大学出身。62歳。脱サラし、1984年から岡山に牧場を創業。
 ハードタイプのチーズを中心に、地下の工房で作っている。
 息子が後継者になり、原点であるモンゴル、ブータンに行かせている。
 ドラマ「北の国から」そのままの生活をしている。
 チーズを作りたいのではなく、牛がいるからチーズを作る。

②山田圭介さん(北海道七飯 山田農場)
 愛知県出身。共働学舎から独立、七飯に牧場を創業。
 高校生の時にチーズが好きになったことがきっかけ。
 牛ではなくヤギの乳で原点的なチーズ作りをしている。
 無殺菌乳で、その土地の乳酸菌でチーズを作る。
 ヤギを選んだのも、農場の植生にあった動物だから。
 牧草のた種を播いていないので、
 自然に生えてくる野芝を食べるヤギを選んでいる。
 愛知の実家で山羊を飼っていたということもある。

③伊勢昇平さん(北海道江丹別 伊勢ファーム)
 「江丹別の青いチーズ」を作る。共働学舎で1年勉強。
 「その土地でしか作れないチーズ」に惹かれた。
 もし土地をチーズで表現できたら、
 自分の住む限界集落も活性化できるのではと考えた。
 フランスのオーベルニュ地方でも学んだ。
 夏暑くて冬寒い気候や、植生が似ていたから。

④佐々木賢さん(北海道函館 農楽蔵)
 北海道室蘭出身。2011年に新規就農し。
 函館にワイナリー、隣の北斗市に畑を持つ。
 シャルドネという葡萄品種に興味があり、
 自分の好きなシャルドネを作れる場所を探した。
 栃木県のココファームで研修もしていた。
 フランスも含め10年修業して開業。6年目。

⑤ブルース・ガッドラヴさん(北海道栗沢 10Rワイナリー)
 アメリカ出身。大学でワインと出会い、
 美味しく、賑やかになるので惹かれた。
 大学出てワインショップで働いたが、モノづくりが好きなので、
 数年で造り手の方向に。カリフォルニアでワインの大学にも通い、
 技術指導のコンサルタントもした。
 その時の縁で日本の栃木県のココファームで醸造担当に。
 若手が育ってきたので、北海道の原料に惹かれて移住。

-新しい産地形成を考えるうえで、
まず実際に現場の造り手の抱える問題とは何でしょう?

・佐々木賢さん
葡萄の収量が少ないこと。
周りにヨーロッパ系品種の葡萄を育てている農家が無く、
データ不足でのスタートになった。

想像できると思うが、入れた堆肥を抜くことはできないので、
まずほとんど堆肥を入れないところからスタートした。
収量が少ないということは、そのまま収入が少ないことにつながる。
これから入ってきたい人のモデルとなったとき、
収入がないと自信をもって勧めることができない。

-収量の少なさは北海道の共通問題と言えそう。
 チーズではどうですか?

・伊勢さん
うちは生産量年間10トンで決まっている。
生産量を増やすというより、同じ量で付加価値を付けている。
酒粕を使用したりとか。
経営を楽にする工夫は必要だと思う。

-ワインだと、買い葡萄で作るということも可能ですが?

・佐々木さん
買い葡萄は取り入れている。
ただし、「自分たちのやりたいことをやる」という、
自らの哲学のもとでやれることだけをやっている。

・ブルースさん
買い葡萄は増やしたい。
良い農家との連携はお互いにとって良い刺激になる。
契約農家にスポットライトを当てることができるチャンス。
ただし、自分の考えと離れると興味がない。
面白いと思える葡萄品種であることや、
収量と質のバランスにおいて、質を重視するタイプであること。

ただ、原料不足が現状。横取りはしたくないなぁと。
今は北海道の葡萄であることも条件。
北海道の可能性を探りたいから。
ココファームでは日本中から葡萄を集めて「浅く広く」、
今は「狭い範囲で深く」探ってみたい。

-自社畑の葡萄でワインを造る「ドメーヌ」という言葉、
 日本では定義も揺れているようだが?

・ブルースさん
アメリカでは「エステート・ボトル」と呼ばれる。
同じ地区で葡萄栽培、醸造をしていることが条件。
買い葡萄の場合、買う相手先とは長期契約で、
ワイナリー側に指導の権利がある場合を指す。

・伊勢さん
たとえばチーズでも、チーズの名前は土地の名前が多い。
カマンベールやゴルゴンゾーラという名前を、
安易に使って日本でチーズを作るのは違うかと。

ワインにおいても、「ドメーヌ」などの言葉を定義せず使うと、
ワインの持ってる面白みを伝えきれないのでは。

-行政との連携、生産者同士の連携の壁は?

・ブルースさん
アメリカでは小規模生産者も大企業も、対等に話し合う。
「デモクラシーのある場」はアメリカでは作りやすい。
日本では行政との話し合いなど、民主的にいかないことが多い。
文化的な違いがある。
アメリカは移民の国。隣の人と意見が違っても良い。
「よい喧嘩をして、一緒に暮らして、一緒にやっていく」スタンス。

・吉田さん
日本の行政は小さい生産者を作りたがらない。
行政の監視のしやすさが違うから。
新しく始めるのはハードルが高いと言える。
それに対して大手企業は高みの見物。

大手企業とはスタンスも大きく違う。
重要視しているのは「どれだけコストを下げるか」ということ。
現場でどれだけ聞いても「美味しいチーズを作る」話は出てこない。
大手は海外の原料と日本の原料をまぜてチーズを作るが、
海外の原料に、何をどれだけ混ぜたら「いつものチーズ」になるか、
その分析力を高めることを追求している。

我々小規模生産者は、やってることが全然違う。
身近な原料で、身近な人が美味しいと思うものを追求して作っている。
大手の人とは噛み合ったこともないし、話をしたいとも思わない(笑)

・山田さん
自分の所で無殺菌乳を使ったナチュラルチーズ造りを始めたとき、
保健所の人とは何度も何度も話し合った。
保健所は「牛乳は必ず殺菌するように」と指導することになっている。
でも調べてみたら、殺菌しなければならない法律はない。

「なぜやりたいか」という話から始めて、
発酵食品は文化であることを伝えていった。
日本でいえば漬物みたいなもの。
「漬物を作るときに、白菜を殺菌しますか?」と(笑)

結局、保健所も納得してくれて、
管理が比較的容易なハードタイプのチーズに行き着いた。

・吉田さん
うちでも直培養の乳酸菌があるが、
何も入れなくても発酵してチーズになってくれる。
イランなど原産地でもそう。

健康に対するリスクはゼロではないが、
行政は「リスクをゼロにする」ことのみを目的にしている。
さらには、条例でより厳しく制限しているところもある。
北海道ではオーケーだが、岡山ではダメということがある。
行政は変化を嫌うから。

・佐々木さん
ワインでも、亜硫酸無添加などが近い。
大量生産して、輸送経路が分からないヨーロッパでは、
当然、保存料として亜硫酸が必須になってくる。
しかしうちの場合は国内販売で、輸送距離が短い。
さらに日本は冷蔵技術が高く、安心できる。
そこを一緒にするのはちょっと。

・ブルースさん
野生酵母を利用することもそう。
乾燥酵母を使わないというと、
保健所からは「質が落ちる」と言われた。
ヨーロッパのトップワイナリーの例を挙げて反論したら、
次は「食品衛生上、問題がある」と。

人間は8000年前からワインを造っている。
ワインという液体のアルコールに満ちた環境で、
どんな衛生上問題がある菌が生きていけるのか?
最終的には許可が取れたが、
「他の人には勧めないでください」と言われた(笑)」

もちろん、誰でも簡単にできるわけではない。
「何も入れないという技術」がある。
それぞれのコツがあるし、
リスクを下げていく知識の積み重ねなしにはできない。

-新しい産地形成への課題は?

・ブルースさん
同じような考えで作っていても、造りには違いがある。
それを学んで蓄積することは大切。
日本では会社を渡り歩くのはダメだという文化があるが、
とてももったいない

・吉田さん
自分たちの仕事は、牛を飼って、草を育てて、乳を絞って、
ほんの少し手を加えて、熟成庫で寝かせるだけ。
8割は原料、チーズ作りは2割。

正直に言って、誰でも作れるもの。
牛がいて、銅鍋と薪があれば、誰もが作れる。
皆んなが作って、良いものが残って、
それが産業になっていくのだと思う。
ワインもそうではないか。

日露戦争後、酒税が導入されて
誰もが酒を作れる訳ではなくなった。
それは産地形成への大きな足かせ。

・山田さん
チーズにせよワインにせよ、
海外から来たものはまず技術論が入ってくる。
でもそれはヨーロッパの環境があって初めて、意味を持つレシピ。
日本でゼロの環境で何が作れるか。
常温でもチーズは大丈夫では?
などそういうところから作り上げていない。

ヨーロッパのチーズと比較する必要があるのか。
美味しいカビとそうでないカビがある。
そういうところから知らない造り手も多いから、
借り物ではなく、自分の手で始めていくことが大事では。

・佐々木さん
ワインも醸造はフランスの知識が使えることが多いが、
葡萄の栽培に関しては、使えないことが多い。
畑ベースの造りが増えれば、
日本らしさにつながるのではないか

-最後に、新しい産地形成に向けて、あるべき姿とは

・ブルースさん
土から考えて、質から考えることが大事。
その土地の良さを活かしていくこと。
向いているもの、環境に無理のないものを大事に。
出来ない土地ならこだわらないこと。
お客さんに美味しいものを作ることを第一にしていく。

・伊勢さん
自分はユーチューブでチーズ作りも公開している。
ブルーチーズは自分が開発したものではない。
できる範囲では技術も知識もどんどん公開して、
全体のレベルが上がっていくと嬉しい

・山田さん
チーズの味を形成しているのは、
その土地で山羊が何を食べているかということ。
その土地の植生の香りが出てくる。
その土地を知ること、再評価すること。
気を付けるべきことはたくさんある。
知りたい人にはどんどん伝えていきたい。
たくさんの人がやることは良いこと。

・佐々木さん
ワイナリー同士でイベントも良いが
他の農産物の人たちと組んで
同じ哲学をもつ人たちで連携をしていきたい。
問題点は意外に共通一緒に突破していきたい。

・吉田さん
長田弘という詩人が、
「思想とは暮らしのわざである」と書いている。
暮らしのわざを続ける先に産地ができる。
造り続けていかなければならない。
その努力を続けていかなければ、
産地なんて絵空事になる。
息子にも「源流を知るように」と伝えている。

-ありがとうございました。

*最後に、引用された長田弘さんの詩を載せておきます。 
 以下、長田弘さんの著書「食卓一期一会」より引用。

——————————————————————————
「イワシについて」
 きれいな切り身というわけにはゆかない。
いつでも弱し賤しとあだ名されてきた。
出世魚じゃない見かけもよくない。
赤イワシといったら切れない刀のことだ。

つまりマグロ カツオ サバ ブリのエサだ。
海が荒れなきゃ膳にはのせない。
風雅の人にはついぞ好かれなかった。

いつもおもいだすのは一つの言葉。
おかしなことに、思想という言葉。
思想というとおおげさなようだけれども
ぼくは思想は暮らしのわざだとおもう。

イワシはおおげさな魚じゃないけれども、
日々にイワシの食べかたをつくってきたのは
どうしてどうしてたいした思想だ。

つみれ塩焼き、タタミイワシ無名の傑作。
それから、丸干し目刺し頬どおし。
食えない頭だって信心の足しになるんだ。

おいしいもの、すぐれたものとは何だろう。
思想とはわれらの平凡さをすぐれて活用すること。
きみはきみのイワシを、
きみの思想をきちんと食べて暮しているか?
———————————————————————-

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ワインの知識~新興産地の抱える課題と展望~

旧ブログより引っ越し。

ワインヘリテージでの鹿取さんの講演のまとめです。
自分なりのノートに編集してあります。
(講演をベースに、自分なりの意見なども足しています)
【*一部加筆修正しました 2017/04/07/21:00】

①日本ワインの最新事情
まずは日本におけるワインの現状から。
世界的にはビールを中心に酒類の消費量が増加し、
その中においてワインは減少しているが、
日本は逆に酒類全体は消費が下がっているにもかかわらず、
ワインを含む果実酒は伸びが顕著になっている。

それと時を同じくして、日本でのワイナリー数も増えている。
先日、日本政府が初めて「日本の原料を使って日本で作られたワイン」、
つまり「日本ワイン」の生産量を調査、公表した。

この発表によると、生産量はボトルで2500万本。
日本で販売されるワインの100本に3本が日本ワインということになる。
日本でワイン造りが有名な都道府県は、第1にまず山梨県。
日本固有品種のヨーロッパ系「甲州」、
日本独自の交配種「マスカット・ベーリーA」を生み出している。
第2群が新興の長野県、北海道。
温暖化が進む中、急速に産地としての注目を浴びている。
そして東北の山形県。
苗木栽培の中心地として存在感を発揮している。

しかし近年、それ以外の都道府県でもワイナリーが生まれている。
背景としては、ブドウが「付加価値農産物」であると
みなされ始めたことが影響しているとも考えられる。

地域振興として誘致していたり、ワイナリー観光客への期待もある。
また休耕地の再生としての役割も果たしている。
結果、多くの地域で地域活性化の旗頭にワインを掲げるようになり、
補助金を獲得している例も増えてきていると言える。
(*もちろん、どの地域でも「ワイン産業=地域活性化の旗頭」と
  考えるのはやや危険ですが)

鹿取さんの調査によると、最新は約255軒。
一方、国税庁での調査結果では280軒となっている。
この違いは「ワイナリー」の定義が確立していないため。
いずれにせよ、2000年以降で100件以上が新設していることは確実。

②日本ワインの抱える課題
・歴史が無い
フランスなどと違い、どの場所でどの品種が最適なのか、
まだまだ積み上げがない。
逆に言えば、多様性が発揮できるとも言える。
ヨーロッパでは禁止されているラブラスカ(北米系)や、
各地に自生する山葡萄も使用可能なのが日本。
日本は食生活もまた多様であるがゆえに、
ワインの多様性はプラスに働くとも考えられる。

・産地形成ができていない
産地とは、小さなエリアに葡萄畑、醸造所が集積する場。
そこにワインに関する研究所なども必要。
まだまだ点在しているというのが現状。
横の連携ができてくれば、まだまだ質が上昇する。

・苗木不足
日本全体で決定的に苗木が不足している。
国内で苗木を扱っているのが15社。
うち8社が山形に集中し、全体の80%をカバーしている。
そのうち、品種をさらに細分化した
クローンナンバーを指定できるのは1社のみ。
独占状態となっている。

また、イタリア系品種はウイルスが発見され、
検査義務化で輸出忌避の傾向にある。
これらの要因がからみ、品種のバラエティに乏しい。

また接ぎ木の技術研究不足も顕著になりつつある。
ウイルスに羅漢したものや、
需給バランスの崩壊で量優先→質低下、
情報共有が不足などなど。

こうした状況に着目して、東京大学に植物医科学研究所ができ、
苗木の認証制度や、植物医師制度がスタートする。
長野では農家への台木供給に取り組み始めるし、
北海道でも苗木生産者育成がスタートする。

自らにも関わりがあることなので、このあたりの話興味深かった。

・産学連携の遅れ
山梨には分析センターがあるが、まだまだ不十分。
特に気象データはアメダスに依存しており、
葡萄畑ではなく、観測地のデータを使用している。

海外のようにウェザーステーションの設置も進んでいるが、
それによる観測機器バブルともいうべき状況で、
各社が様々な機器をリリースし始めた。
そうなってくると、フォーマットの統一が問題になる。

また、日本のような多湿な気候では必須の、
病害虫研究が不足しており、
各葡萄畑が各個で対応しているのが現状。
海外では「気温、降水量、リーフウェットネス(葉表面の湿度)」
のみを測る簡易測定器もあり、
数多く、キャノピー(葡萄樹の列)の中にも設置している。

また、近いエリアでの病害虫の発生情報を、
リアルタイムで共有することができるだけでも、
葡萄栽培の質が上昇すると考えられる。

③アメリカ・バージニア州に学ぶ
日本が参考にできる先進産地として、
気候が似ているアメリカのバージニア州が注目されている。

かつて酪農、リンゴ、タバコの産地だったバージニアは、
低迷を脱するため、ワイン用葡萄の栽培に力を入れる。
1985年にわずか30軒しかなかったワイナリーは、
現在、260軒へと急速に成長している。

バージニアでは、まず州法を変え、酒税を財源にワイン振興施策を取る。
バージニア工科大学が研究と普及に責任を持つ形を取り、
大規模から小規模まで代表者11名で構成された、
「ワインボード」が年に2度、研究者の発表をチェックする。

ここでの成果が認められないと、次期予算が削られるので、
研究者は現場が必要としている研究を行うしかなくなる。
日本の「研究者が調べたいものを調べる」というスタンスとは、
根本的に違っていることも特徴。

生産者同士の連携、産学連携など、
参考にできることが多いと考えられる。

この問題提起に対して、この後、
北海道を中心とする日本のワイン生産者、チーズ生産者をゲストに、
パネルディスカッションも行われました。
その内容はまた、次の投稿にて。

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K19AK_DD(山梨・オレンジ)

ようやく夏が終わった感じ。
一段階、深く気温が下がってきた感触がある。

そんな中、鉄骨ハウスのパック詰めの机を改変。
机の下に引き出しを組み込んで、
はかりや袋をしまえるようにしました。

あとは土曜の出荷に向けて収穫。
ミニトマトの整枝もしながらなので時間かかった。
そしてズッキーニの支柱建ても。

なかなか濃い一日だったな。

さて、今日の濃いワイン。

原田商店で買わせてもらった共栄堂。

梅のテイスト。
甘さの奥にしっかりとした酸がある。

北海道と違って、山梨は糖度は高いが、
酸が弱くてダレた雰囲気になることがある。

こいつはそういったワインとは一線を画して、
しっかりとした酸味が残っているので、
ストラクチャーが確固としてあって、魅力に富む。

そして安いのだから言うことない。

素晴らしいワイン。

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営農週報~大根播種~

活動時間56.5時間(先週-2.5時間)
活動率141.3%(週40時間=100%)

今週は大根の播種からスタート。
手蒔きはこれまた腰が痛くなる作業だったな。

あとはカボチャも収穫スタート。
ハロウィンカボチャと、あとは栗坊。
まだ「雪化粧」に「メルヘン」も残っている。
急がないと。

今年は夏が長くて、ハウス内のミニトマトやキュウリもまだ元気。
もう少し収穫は続きそう。

あとは圃場管理で除草のためのロータリーかけと、
採り終わったところの後片付けもしていかないと。

まだまだ忙しさは続きそう…。

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ラブレ・ロワ(フランス・赤)

今日もまた暑い…。
そして雨をもらった高温で、もう雑草がスクスク。
トラクターで粗おこしして、小さいうちに叩いておく。

あとはカボチャも収穫。
まずは期待の「栗坊」から。
小さくて可愛いカボチャ。
直売所で売れそうな予感がするな~。

さて、今日のワイン。

ヴィンテージ表記はないが、結構な古酒。
おそらく25年ほど前のもの。

枯れ感は出ているが、まだまだ現役。

特に2日目が一番うまい。

要素が混ざり合って、一体感が出ていてウマイ。

そろそろ赤の季節かな?
気温が下がってほしいと願う今日この頃…。

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多田シードル(富良野・シードル)

9月でまさかの日中最高気温が30.8度。
北海道に来て5年経ちますが、こんなの初めて…。
おかげで夏野菜は元気いっぱいですけどね。

暑すぎるのでシードルで体を冷やす。

富良野の多田農園のシードル(ドライ)。

個人的に夏真っ盛りにグイっと飲むなら、
ビールよりむしろシードルが好きなんだよな。

酸味が清涼感をくれるし、
アルコール度も7%くらいでちょうどよいし。

特に多田農園のシードルは少し濁りが入っていて、
飲み進めると濁度と味わいに変化がある。
これが飽きないポイントでもある。

そしてビールだとぬるくなると救いようがないが、
シードルの中には液温が上がってから、
さらに違う顔を見せてくれるものもある。

くー。
これは幸せな気分だわ。

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