最近、北海道の土壌や気候を良く調べてます。
以下、日々のレポートとして。
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北海道は火山が多く、農耕地の2/3が特殊土壌とされる。
たとえば火山性土は全体の35%、重粘土が15%、泥炭土9%。
火山性土は有機物が少なく、土壌菌の動きも鈍い。
重粘土は上川、空知、網走などに分布。
水はけは極端に悪く、乾燥すると固まりやすい。
泥炭土とは冷涼な気候のせいで、植物などが腐らず、
土に変わらないまま残ってしまった土のこと。
天塩川や石狩川の下流域に広がり、通気性も悪く、
微生物の生育がほとんどない。
いずれにせよ、全体に栄養度は不足しがちな土地と言える。
北海道の農地は土地改良と切ってもきれないわけですね。
暗渠排水とか、必須だと感じます。
年間の平均気温は5度~10度。
季節感の寒暖、昼夜の寒暖差はともに大きい。
気温の低さは病害虫の防除を容易にしているため、
本州よりも有機農法には取り組みやすい。
年間の降水量は800mm~1000mmと、
日本全体と比較しても少な目である。
また、緯度が高いことから日照時間は長く、真夏では1000時間を超える。
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ブドウという種としては、年平均気温で7度以上、
年間降水量は700mm~1300mmが適地とされるので、
北海道は気温はやや低めだが、降水量としては、
日本の各地と比較してもかなり条件が良いと考えられそうだ。
<おおまかなテロワール>
北海道は山梨などに比べ、おおよそ1か月もブドウの生育が遅い。
春の萌芽も1か月~1.5か月遅く、ゆっくりと成熟していく。
近年では温暖化がプラスに働き、酸と糖のバランスがいいブドウも、
多く作られるようになってきている。
北海道は冬の間は畑がマイナス20度を下回るところも多く、
外気よりも雪の方が温かい。ゆえに積雪が一定量あれば、
冬の間はブドウの木は雪中に埋め、冬を越すことになる。
収穫したブドウは、機械で冷却せずとも、自然に冷却されるため、
他の地域よりも仕込みは楽になると言える。
また、全体に酸が強くなるので、そこをどう活かすかが重要。
発酵も自然とちょうどいいところで止まるのも北海道の特徴。
梅雨がなく、乾燥しているためカビ系の被害に合いにくい。
そのため、減化学農薬に取り組むワイナリーも多い。
●富良野市
上川地方の南部に位置する。北海道のちょうど中央にあたる。
気候は内陸性で年較差が大きく、冬の寒さは厳しく、
マイナス40℃を下回ることもある。
土壌は凝灰岩の砂礫が多く、痩せている。
●三笠市・岩見沢市・長沼町
空知地方の中南部に位置する。石狩平野の東端。
緯度はちょうどフランス・ボルドーと同じくらい。
日本海側の気候と内陸性の気候の特徴を併せ持つ。
秋の降水が多く、雪が降り始めるのも早い。
冬の寒さは厳しいが、豪雪のため放射冷却を防ぎ、
マイナス20℃を超える寒さは少ない。
また、ヒートアイランド現象により、夏は暑く30℃を超えることも。
土壌は傾斜地や波状地が多く、頁岩や砂岩が多い。
粘土質で痩せた土地で、弱酸性の土地が多い。
●浦臼町
空知地方の北中部に位置する。
気候は温和だが、山間部は冷涼な気候。
春には日本海と太平洋の両面から強い風が吹く。
土壌は洪積土で粘土質が多く、水はけが悪く酸性土壌。
●札幌市
石狩平野の中南部に位置する。
気候は冬期は北西風が強く、降雪量も多いが、
それ以外の時期は比較的温暖。
土壌は火成岩(安山岩)で頁岩・砂岩が多い。
●余市町
日本海に突き出た積丹半島の根元に位置する。
海以外の三方を山で囲まれ、暖流の影響で比較的温暖。
日本海側の気候で降雪量は多いが、年較差は小さい。
波状地・平坦地が多く、砂岩を中心とした水はけのいい地形。
痩せた土地で、乾燥しやすい。
*ちなみに、一般的な土壌とワインの相性で言うと、
水はけが良くなかったり、養分が多いと凝縮度が下がり、水っぽくなります。
重厚でタンニンが豊富な赤ワインにはミネラルを多く含んだ粘土質や花崗岩が、
爽快な軽い赤ワインには砂質が適していると言われます。
また、白ワインはミネラルを多く含んだ石灰質で酸のしっかりしたものが作られます。
・北海道のワインは、大別すると、
①日照時間の長い空知・岩見沢エリア
②温暖な気候を生かした余市エリア
③最近注目の函館を中心とした道南エリア
④極寒の中に咲く道東エリア
の大きくは4つに大別されます
白ワインはアロマの豊かなドイツ系・オーストラリア系が強く、
特にケルナーは北海道の主力ブドウ品種と言えそう。
赤ワインはツヴァイゲルトレーベが主力だが、
生産量が増えてきていピノ・ノワールが注目。
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