これまでのまとめ~宮本ヴィンヤード~

今回のまとめシリーズは「宮本ヴィンヤード」。

はじめに

北海道三笠市のタキザワ・ワイナリーの醸造長、
宮本さんの畑で取れたブドウのワインです。

2015が販売された最初のヴィンテージ。

三笠の宮本ヴィンヤード初リリースのワイン3アイテム。

ワインの名前は「ヴィーニュ・シャンタント」。
英語で言うとsinging vine(シンギング・ヴァイン)。
つまり、「歌っているブドウの樹たち」といったところか。

タキザワ・ワイナリーの収穫祭で話を聞いて、
ぜひ飲みたいと思っていたワインたちです。
熟成させてみるのか、飲んでみるのか。
うーん。悩むな(笑)

新規就農から5年目にして、初リリース。

ワインと一緒に、詳しいテイスティングコメントのリーフ。
こういう心遣いって、なかなか大手には難しいですよね。
梱包も心がこもっていて丁寧。

ワインの味わいももちろん素晴らしいので紹介していきます。

オレンジワイン

ヴィーニュ・シャンタント アントル・シヤン・エ・ルー(黄昏時)2015

まずはオレンジから。

2015が公式初リリース。

ラム肉のマーマレード・ソースとの相性は抜群。
なにせピノ・グリとは思えない複雑で豊かな香り、味わい。
柑橘、特にキンカンの香りを思わせる濃厚な風味。
オレンジワインに共通する、わずかな苦味。

これらの要素がバランスよく備わっていて、
初心者から玄人衆まで満足させる味わいに仕上がっている。

もうちょっと熟成を見てみたい気もする、
まだまだ可能性を秘めた1本。

2度目は熟成を経て、2020年11月に抜栓。

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2015年縛りのワイン会の1本。
うちからの提供で宮本ヴィンヤードです。
「黄昏時」という名のオレンジ・ワイン。

この会はジビエの会で、
シカ、カモ、クマの肉を堪能できましたが、
シカに最も合うのはこのワインではないか、と感じましたね。
時間帯で言うと「黄昏時」なんだろうけど、
季節感で言うと「晩秋」なわけで。

奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき

と古人は詠んだわけですが、
そのメランコリーな感じは、このワインにも共通する
まるで愛する人と離れ離れになってしまったかのような、
鈍い痛みと、切ない愛しさが、
このワインの酸と苦みと共通する。

そして、(百人一首の歌い手は食べちゃいないだろうが)
鹿のややクセのある味わいと絶妙にマッチする
冬の訪れを感じる季節に、ぜひ合わせたいマリアージュです。

ヴィーニュ・シャンタント アントル・シヤン・エ・ルー(黄昏時)2017

2017ヴィンテージはワインヘリテージにて2019年3月に試飲。

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三笠の宮本ヴィンヤードのオレンジワイン。
そうかも…と思って合わせたが、やはりリンゴによく合う。
コンポートの甘さと共通点があって、まさにマリアージュ。
リンゴの火入れが最高で、わずかにシャリっと歯ごたえがある。
それとこのワインのイメージがピッタリ。
このワインもくたくたに煮込んだ甘さではなくて、
まだまだ新鮮さを感じる味わい。

ここからどのように熟成していくかも見物だな。
楽しみな1本。

2度目は2020年10月に抜栓。

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気温が高いので白ワインにしようかと思ったが、
奥さんが厚みのあるワイン希望だったので、
オレンジワインにしてみました。

「黄昏時」という名のワイン。
まさにそんな色合いです。
トゲトゲしやキツイ苦みはみじんもなく、
柔らかく包み込んでくれるような味わい。
一日の終わりを祝ってくれるような素敵な1本。
本当に黄昏時のような味わいの変化もある。
徐々に深い色合いになる時間帯の風景のように、
多層的で重厚な味わいへと向かっていく。

音楽で言えばキレイな転調が何度かあるような、そんな感じ。
ほんの2時間ほどで映画を見るようだ。
温度による味わいの変化ということもあるのかな?
奥さんも久々に「もう1杯」ご所望でした。
素敵なワインです。

白ワイン

ヴィーニュ・シャンタント・シャルドネ2015

シャルドネは3回飲んでます。

1回目は届いてすぐ。

初リリースの宮本ヴィンヤードのシャルドネ。
届いてから1週間~10日は休ませたかったので、
(ワインは動かすことで、ざわついた感じになる。落ち着けないと)
ようやく飲める体制になったというところ。

合わせたのは手巻き寿司です。

結果的には、このシャルドネと最も相性が良かったのは、
アボガド・サーモンの手巻き寿司。

ワインは抜栓直後はクリーンで酸が目立つ、
寒冷地特有の軽いワインんという印象。

それが、ドラマ2本見ている間に(要するに2時間かけて)、
徐々に変化していきます。
特に1時間半くらいからの変化は明確で、
厚みとトロピカルフルーツの香り、リッチさとコクが出てくる。

好みもあるだろうけど、
僕は断然、後のタイプの方が好き。
今回は冷蔵庫で冷やして5度からのスタート。
そこから室温に任せて液温を上げていくような感じだったが、
心持ち冷えている(14~16度くらいかなぁ)のが最も良いような印象。

香りを立たせて、そして厚みを感じられるようになってからが本領。
きれいな酸も感じられるので、熟成させてみても良い変化があるかも。

うむ。これはブルゴーニュのシャルドネと共通点を感じる。
というか、ブラインドだったら見分けられない気がする。

これはまた、新しく素晴らしいワインを見つけてしまった!
隣り合っているにも関わらず、タキザワさんの白や、
近藤さんのワインとも違ったテイストで面白い。
フランスでなくとも、畑が違えば味わいも違うのかも。
(ま、これらの畑は品種がそもそも違ってますけどね。)

2回目は2018年8月。

今日は雨で少し早く帰れたので、
いつものお礼に天ぷらを作ることに。
研修先でもらったカボチャと、冷蔵庫の余りのサツマイモ、
あとはエビとタマネギのかきあげで。

合わせたのは三笠の宮本ヴィンヤードの白。
ちょっと冷やし気味くらいでサーブ。

天ぷらは揚げたてが命なので、
キッチンのオープンカウンターからダイニングに供給しつつ、
自分も隙を見て食べて飲むスタイル。

(なので天ぷらの写真は無いです。
 そんな余裕が無いです笑)

ワインはややグリーンのかかったイエローの色合い。
酸と苦味の主張が強めで、
寒い地方のシャルドネというイメージ通りの味わい。
天ぷらとの相性は抜群で、
いくらでも飲めてしまうところが罪ですね(笑)

いたずら盛りの息子をうまくなだめつつ、
夫婦で飲むワインはなかなかのものでした。
思い出になるワイン。

3回目はワインヘリテージにて。

造り手の宮本さんにも話を伺えました。

このシャルドネは、あと2年は待たないと本領発揮しないと。
今飲むなら、2時間くらい前に開けておくと美味しくなるそう。

そういう、飲み手に媚びないツンツンした感じは好きだな(笑)
なかなか開いてくれないワインというのは、
開いたときのポテンシャルがすごいことが多いからな。
うちにあるのは、なるべく2年待ってみることにしよう。

というわけで、味わうのはこういった試飲の場になりそう。

味わいはクリアで爽やか。
これが開いてくると旨みが出てくるらしい。
時間をかけるほど優しくなる味わいです。

ヴィーニュ・シャンタント・シャルドネ2017

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ワインヘリテージにて、2019年3月に試飲。

少し冷やしすぎかな~という温度でのサーヴ。
ブランデーのように掌で少し温めてから飲む(笑)

樽が少し効かせてあるのか、思ったよりも厚みのある白。
刺身よりも、少し火入れしてあるサケのハラスなんかと合う。
脂っぽさを抑えてあるハラスだが、
それでもスッキリしたシャルドネと合うな。

むむ、しかしこれは松前漬けとも合うかも?とかやってると、
いつのまにやら時間が過ぎていく…。
ボトルで付き合いたくなる素晴らしい白。

2度目は2020年3月。

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奥さんも大絶賛。貴重なおかわりワインのひとつになりました!
酸のトゲはまったくなく、複雑さとコクを感じ、凝縮感も凄い。
これは最高の白のひとつですね。

赤ワイン

ヴィーニュ・シャンタント ピノ・ノワール2015

赤は2回飲みました。

宮本さんの収穫を手伝ったあとに抜栓。

どちらかといえば陰性のワイン。
ブルゴーニュでも静かなワインがあるが、そういう感じ。

かといって、根暗と言うわけではないんだよな。
香りも、匂い立つというわけではないが、
飲みこむとしっかりとピノ特有の花の香りを感じる。
それも、強く、魅力的な香り。

ちょっととっつきにくい感じがあるが、
打ち解けると、非常に魅力的だ。
そういう意味では、造り手の宮本さんに似ているな。

これを、収穫のことを思い出しながら飲むというのはとても良い。

まだまだポテンシャルを発揮するには、年月が必要そうだ。
じっくり待つこともまた、ワインです。

2回目はワインヘリテージにて。

並んだ結果、最後の一口にギリギリ間に合ったので、澱が多い部分。
ただ、個人的には濁りが好きなので、むしろうれしい感じ。

キラキラと酒石酸が光る。高品質の証。
女性で言うと、飾り気のない、すっぴんが美しい感じ。

こちらも、まだまだ熟成を待ってほしいとのことですが、
個人的には早めに飲んでも、これはこれで魅力があると感じる。
本領発揮まで待つか、今を楽しむか…。
このあたりもワインの魅力。

良いワインは時と共に味わいが変化するからこそ、
長い間楽しめるんですよね~。

ヴィーニュ・シャンタント ピノ・ノワール2017

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2019年のワインヘリテージにて。

いや、これはブルゴーニュのピノでしょ。
ピノ・ノワールという品種はこれがあるから困る。
ぬけだせなくなるから困る。

和テイストのローストビーフとのマリアージュはヤバイ。
抜け出せなくなる魅力。
完成度の高いピノです。

↑上記は連続試飲しながらのメモをベースに記事にしているので、
 赤を試飲するくらいのタイミングは結構酔ってる。
 同じことを繰り返し書いてますね…笑

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