栗澤ワインズ(kondoヴィンヤード)資料

はじめに

昨日の総集編がでかくなりすぎたので、こちらは付録。
撮っておいた裏エチケットなどのテクニカル面の情報と、
あとは畑の訪問記、最後にインタビューの文字おこしを。
生産本数が知りたくなったときとかに使っていただければ。

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スパークリングワイン

ナカイ ミュラワ

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スパークリング ピノ・ノワール(ロットNo.2)

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白ワイン

タプ コプ ブラン

2013の商品説明を引用。

価格:3420円
生産本数:1001本
醸造元:10Rワイナリー
品種:三笠市タプ・コプ農場産ソーヴィニョン・ブラン100%
収穫日:10月19日。
収穫時糖度:Brix22.0 
選果は畑で行い全房圧搾した後、天然酵母により発行させ、
ステンレスタンクで貯蔵。 
MLFは自然に任せ、総亜硫酸使用量は15ppm。
無濾過、無補糖、清澄剤不使用。 

2013年は北海道らしい冷涼で比較的穏やかな秋に恵まれた年でした。
そのため、特に空知地方では、北国らしい豊富な酸が特徴的となっており、
瓶詰後1か月を経過した時点では、まだ固い印象です。
3か月~6か月程度の分熟成期間を経て、徐々に角が取れ、
味にふくよかさが出てくるものと期待されます。

熟成ポテンシャルは2019~2023年頃まで。 
オレンジなどの柑橘系のアロマ。
南国果実のボリューム感が中盤にあり、非常にキレのある酸と長い余韻。
通常の白よりも高い温度帯で飲むことをお勧めします。 

タプ コプ ブラン-Z

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ぶたさん

2013の商品説明を引用。

余市町登地区の中井農園産ミュラー・トゥルガウとケルナー、
それに三笠市達布地区の”ロハスクラブ”安達農園産のバッカスと
マスカット・オットネル種をブレンドし、さっぽろ藤野ワイナリーの設備で醸造。
天然酵母による発酵、無濾過、無補糖、清澄剤不使用。 
実はワインの正式名称はなく、
ラベルの絵から「ぶたさん白」と通称で呼ぶ白ワイン。

北海道で生産される比較的ポピュラーな品種を使い、
ライトで親しみやすいワインを造りたいというのがコンセプト。
淡い柑橘系のアロマにすっきりとした飲み心地で、
軽食からアウトドアまでいつでも楽しめる仕上がりになっています。
よく冷やしてお飲みください。

ちなみに価格は2320円。

タプ コプ コンコン

・近藤ヴィンヤード ブラン2016

・T-ブラン

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赤ワイン

タプ コプ ピノ・ノワール

タプ コプ レンベルノ

タプ コプ レンベルガー

ロゼ

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訪問記

2014年9月にはワインを購入がてら初訪問。

畑は広くて、イロイロな草が生えている。
多様な生物が共生する、いい畑。

ワイナリーの雰囲気、近藤さんの人柄、畑の様子、最高でした。
目指すなら、ぜひともこういうワイナリーを目指したい。
憧れのワイナリーですね。 

2015年4月には、再度ワインを買いに訪問。
今回も少し、話を聞かせていただく。
生産量は相変わらず少なく、3000本~4000本。
面積4haだと1万本くらい生産できてもおかしくないけど、
やはり空知の土地柄か、収量は絞られています。

葡萄畑のまわりには、水田や豆・ソバの畑も。
このあたりも共感する。

そして近藤さんの、
「自根でこそ、ブドウはその本来のポテンシャルを発揮できる」
と考えているという話も興味深かった。
「もともと、葡萄というのはそういう植物なのだから」と。
確かにフィロキセラは恐ろしいけれど、
そういったポリシーから一定の割合で自根のブドウ樹がある。
心打たれる話でした。

また、農業を始めたいという話にもたくさんアドバイスをもらって。
チャンスは必ずあるので、意志を持ち続けること。
自分の作りたいワインのイメージを明確にすること。
それらをアドバイスとして頂きました。
しばらくは、自分の理想とするワインのイメージを探してみたい。

2016年3月。

さて、畑はというと、今年はもう雪解け間近。
身体を慣らしがてら、雪の上に上げてあった針金を、
下ろして張りなおす作業がスタートし始めているとか。
近藤さんの歴史の中でも、3月から畑仕事がスタートするのは初。
雪が少なすぎて、凍害が心配とのこと。

うちのピノ・ノワールとオーセロワも凍害が心配。
見分け方を聞いてみましたが、
見た目で判断することは不可能とのこと。

春になって芽が出ない、となって分かるらしい。
(なんと切ない…)

一応、切れば凍害の場合は黒く枯死した感じになっているので、
見た目でもわかるらしいが、そのために切るのもねぇ。

早くも北海道のワインの2016シーズンがスタートし始めます。
芽…じゃなかった、目が離せないですね!

2018年北海道ワインアカデミーにて。

ワインアカデミー2日目の最後の訪問地は栗澤ワインズ。

僕としてはおなじみの場所ですが、
ここで近藤さん夫妻と中澤さんから話を聞く機会なんて、
そうそうないので、ワクワクしました。

人数が多いので、
地上階のプレス機やタンクなどの説明を中澤さんから、
そして地下階の樽や瓶の保管室は近藤さんから説明。

地上から地下に降りる階段にはエチケット集が。

この間までなかった気がするな。
クヴェヴリの写真があったり、小さな博物館みたいな感じ。
見入って後から降りる人の邪魔になってしまった(笑)

今回は参加者の中にも、
少人数による農業組合のような組織を作りたいと考える人もいて、
そのような組織づくりからワイン造り、哲学など、
幅広いお話を聞けてよかった。

印象に残った話は大きく3つ。

①ワイン造りに慣れていても、最初は苦労がつきもの
お2人はすでに充分にワイン造りをしてきて、
自分なりのやり方が確立した上での共同独立。

それでも、ワイナリースタートの昨シーズンは、
何かと苦労がたくさんあったようです。
機材をそろえることは金銭面でもそうだし、
作業フローの面でもドタバタしたそう。

特に大きなプレス機のトラブルによって、
中澤さんいわく「生まれて初めて徹夜した」という、
小さなタンクで一晩かけたプレスも行われたらしい。

我々新規組は、さらにトラブルが多く出てきそう。
そういったことも含めて準備は万全に。
段取りは前倒しをしていかないと。

②気心知れた仲でも譲り合いと棲み分け
お2人は知り合って10年以上。
お互いのことを知り尽くした上で、
共同でのワイナリー設立に踏み切られた。

そんな中で、やはりお金をかけるべきところ、
節約するところなどは意見が分かれることもあったらしい。
(中澤さんはポンプをお金をかけても良いものにしたいし、
 近藤さんは薪暖房にこだわりたかったり…)

そんなところはお互いに譲り合って、
折り合いをつけていったとのこと。
(中澤さんは今のところステンレスタンクのみだし、
 近藤さんは樽や甕を使うので、フロアも分かれている。)

このあたり、兄弟で栽培と醸造が分かれている、
山崎ワイナリーと少し違うタッグで、
連続して話を聞くとその違いがはっきりして興味深かった。

③新たなチャレンジと守るべきもの
今後の目標と言うお話でも、
近藤さんはワイナリーの設立から、
クヴェヴリでの新たなワイン造りなど、挑戦的な取り組みが多い。
一方で中澤さんは「クリサワブランを作り続け、より良いものにしたい」と、
対照的なコメントが出てくるのも面白かった。

タイプが違うお2人だからこそ、うまくいくのだろうか。
仲間づくりと言うことも大切にしていきたい。
そう思いましたね。

インタビュー内容

「そらちワインピクニック」にて。

-近藤さんは、北海道ご出身ではないんでしたか?

いえ、恵庭の出身で、神戸の大学に行って一時期はなれましたが、
道産子です(笑)

-農業を始められたのはどういうきっかけですか?

自分で食べるものを自分で作りたかった、というのが最初の動機です。
全く経験はなかったんですが、農業を生涯の職業にしたいな、
と思ってこの世界に入ったんです。

-最初に就職されたのは歌志内市ですよね。

はい。色々な作物が選べたんですが、たまたま紹介してもらったのが、
歌志内市で当時やっていたワイン用葡萄の栽培の畑の管理者で、
たまたまそこに入って、今に至る、というわけです。

-農業をやりたいということで始められた、と。
 ワインに特化して考えていたわけではなかったんですか。

全くないですね(笑)
当時はワインも全く飲まなかったですし、
最初は興味がなかったんですが(笑)
その間に、だんだん飲むようになりました。

-それが何年ごろの話ですか?

98年に余市に1年間研修に出て、99年に採用になっています。

-実は僕は近藤さんが作った歌志内のワインを飲んだことがあって、
 それが2005年のピノ・ノワール。
 僕は衝撃を受けたんですよ。
 こんなおいしいピノ・ノワールができちゃうんだって。
 その時は近藤さんの存在も知りませんし、
 ワイナリーだってことしか分かっていませんでしたが、  
 その作り手の方がまさか今日伺って、
 ワインにそんなに興味がなかったとは思えないほどで…

いや、2005年には興味はありましたよ(笑)

-しかし、すごいスタートですね。

そうですね。最初はそんな感じで。本当に不思議な縁ですね。

-今はブドウしか作られていないんですか?

いえ、やはり最初そういう風に思っていたので。
今も大豆とか蕎麦とか小豆とか、豆類は結構作っています。
あと、今年は無謀にも米作りを仲間と3人で始めました。

-それらの野菜とか豆類とかは、どこかに卸されてるんですか?

基本的には自家用だったんですが、
やっぱり作ると農家なのでたくさんできちゃうんですよね。
ですから自家用プラスアルファですね。余れば販売しています。

-それはどういうところで販売されているんですか?

直売と、あとは決まったところに出している感じですね。

-飲食店ですか?

いえ、ワインを扱っている店とか、道の駅ですね。

-なぜそれを伺ったかと言うと、
 ワインを造っている方が作っている農作物は、
 そのワインと当然、相性が良いわけですよね。
 その人が作った農作物と合わせてワインを楽しむ。
 そういう楽しみ方ができるのも地元ワインならではですね。
 そういうことをしていただいているのがありがたいですね。
 ところで近藤さんのワインはどのくらい作られているんですか?

まだ生産量は少なくて、今回持ってきたのは2013ですが、
これから発売する分も含めて2300本~2400本くらいです。

-すべてのラインナップを含めて2300~2400本?
 4~5種類くらいありますよね?

大きく3種類で、細かいのは2種類。
そのメイン3種類で2300~2400本ですね。

-大体、1種類で800本とか?

1番多いのでも1000本ちょうどですね。

-これは正直、少ないですね。

少ないです。増やしたいです。

-それは自然な環境の中で作られているから、
 なかなか収量が増えないということですか?

そういうこともあるかもしれないですが、
この空知はそれほど収穫量が多いところではないんですよね。
その中で試行錯誤しながらやっていることと、
まだ勉強不足で、土地の個性を掴みきれていない部分があって、
なかなか思った以上には収量が上がらないですね。

-近藤さんは空知ではないですが、
 札幌のワイナリーでも醸造されていますよね。

ええ、「さっぽろ藤野ワイナリー」というところで、
醸造のお手伝いをしています。

-今回のワインは発売前のものを有料試飲で出してもらっていますが、
 近藤さんのワインは2400本と少ないですから、
 なかなか飲めないですよね。
 近藤さんの「作った」ワインを飲みたかったら、
 藤野を飲むという手もありますね。

まぁ、そうですけど(笑)
数は少ないですが、ぜひウチのワインをよろしくお願いします。

-では、その数少ない本数のワインをどうやったら手に入りますか?

今からですと、事実上、9月23日の1日しかありません。
この日に自宅で直売をするんですが、この日でなくなりますね。
毎年そうなんですが、今のところはそのくらいの量です。

-近藤さんのワインがほしければ、
 その1日にかけるしかないということですね。

あと、札幌や首都圏でも飲食店さんには入っているので、
もしよければ、そこで味わってもらえれば。

-滝川の「petit Lapin(プティ・ラパン)」という洋食の店があるんですが、
 そちらでは毎年必ず近藤さんのワインのワイン会を行ってます。
 買いそびれた方は、その会に出ていただけると、
 いろんな種類のワインを、美味しい料理と味わってもらえますので。
 そういう会は、あちこちでありますよね。

そうですね。特に冬、2月、3月にはいくつかイベントがあって、
そういう機会には、割と顔を出していますので。

-近藤さん自らがお越しいただいてのワイン会もているんですね。
 23日時間のある方は、ぜひ購入しに行ってください。
 ちなみに、どこで販売されているんですか?

岩見沢市の栗沢町のモセウシにありますので、
詳しくはホームページを見ていただいて、ぜひお越しください。

-何か宣伝はありますか?

いや、あまり売るものが無いので宣伝すると…(笑)
今作っているブドウは、今回のがソーヴィニョン・ブラン100%のワイン。
それから混植といって、いろいろなブドウ品種を混ぜて植えて、
それを混ざったまま醸造するというワインも2種類、9月発売です。
あとピノ・ノワールがあって、これは時期が違って、
年を越えて来年の3月に発売の予定です。

-ピノ・ノワールで思い出しました。
 毎年1回札幌で行われるワインのブラインド大会があるんですが、
 今年、そこに近藤さんのピノ・ノワールが出題されたんです。

そうですか!

-僕は外しましたけど(笑)

そうですか(笑)

-ロワールのピノだって言ってしまいました。

ありがとうございます。

-すごいピノですね。
 ちなみに一緒にいた宝水ワイナリーの石塚くんは、
 「あっ、これTAKIZAWAワイナリーのピノ」って言っていました。
 それでも外れてますけど(笑)
 さすがに近いですね。北海道だと分かるんですね。
 本当に素晴らしいピノ・ノワールですね。
 ソーヴィニョン・ブランも素晴らしいので
 みなさん今日はぜひ味わってみてください。

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これまでのまとめ~栗澤ワインズ・ナカザワヴィンヤード~

現在は「栗澤ワインズ」になっている、
ナカザワヴィンヤードのまとめシリーズ。
10R時代からの個性は変わらないので、
近藤ヴィンヤードとは別投稿としてまとめます。

はじめに

まずは、ワイナリーのまとめ。


いくつかの雑誌から抜粋。
————————————————————————————-
醸造開始:2002年。
栽培面積:2.7ha。(総面積は4.6ha。)
栽培品種:ケルナー、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ、
       ピノ・ノワールなど

オーナーは中澤一行さん。東京生まれで、関東での生活が長い。
もともとはエンジニアをされていたのだが、
1996年に勤務していた関東の大手電機メーカーを退職し、
北海道ワイン株式会社に転職。

北海道との縁は大学生4年生の、24歳の時。
友人に連れられた旅行で初めて来て、
「ここは日本じゃないぞ」と思うようになったのがきっかけ。
それから「いつか住んでみたいな」と考えるようになったとのこと。
北海道で農業をやりたいというのが希望だった。
(*つまり、ワイン造りを目指していたわけではなかった)

しかし当時、新規就農というのはあまり一般的ではなかったので、
もしかしたらワイン会社に葡萄を育てる仕事があるんじゃないか、
と探していたのがきっかけで、「北海道ワイン」に転職。
三笠市の農場で働き始める。
北海道ワインで栽培担当になって、葡萄を育てていたが、
「このブドウであれば、もっとおいしいワインが作れるんじゃないか」
という思いがあり、好きなようにやるためには、
独立してやるしかないかな、と思い立ち、
2002年に奥さんの由紀子さんと岩見沢市栗沢で葡萄畑を拓く。
2005年に独立。本格的に自身のブドウ栽培を開始。

白ワイン

クリサワ・ブラン

クリサワ・ブラン2010

2019年2月試飲。

今回のラインナップで最も古いヴィンテージ。
クラサワブランは、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、
ピノ・ノワール、ケルナー、他少量品種でできている。
それが熟成の丸みを得て、こなれた感じが出てきている。

新しいヴィンテージのシャープさが印象的だが、
もしかしたらこれくらいの柔らかさが本来の姿なのかも。
そう考えると、10年近く置いても良いワインかも。

僕も息子のバースヴィンテージの2017は、
20年置いて一緒に飲みたいが、劣化せずにもつかな?
なかなかレアなワインの垂直。そして素晴らしい料理たち。
誘ってくれた主催者の方やシェフに感謝です!

クリサワ・ブラン2011

2019年2月のワイン会にて。

2011は酸が丸くなってきていて、ほの甘い。
ゆったり深い印象で、
新しいヴィンテージのクリサワブランとは、
また違う顔を見せてくれる。
アップルティーっぽさが出ている。
熟成による素晴らしい変化。

また、これに合わせてメイン料理が登場。

自家製のソーセージを使ったポトフのような料理。
アルザスのシュークルートを添えて。

クリサワブランはボトルが示す通り、
アルザスへの志向があると思う。
味わいは「まさにアルザス」という雰囲気ではないが、
やはり品種の選択も含めて、そういうイメージがある。

中澤さん自身も、「このボトルの形状を広めたい」とも。
寒冷地、北海道に似合うボトルだもんな。
ま、酒屋さんは「背の高いボトルは困るなー」と、
かなり現実的な話もされてましたけどね笑
この辺りまで来ると、みんな結構酔ってましたー笑

クリサワ・ブラン2012

2014年に試飲。

複雑さはNO.1。コクと香りが強い。
アタックもあるが、エレガントさが際立つ。
充分に単品で成り立つ。
香りの高いオリーブオイルとかと合いそう。
トロピカルな雰囲気も感じる。
似た味わいは、南アフリカのシュナン・ブラン。
それよりも洗練されていてハイソ。
やはり、北海道の白の最高峰は、世界でも通用する!

2015年に試飲。

これまた2013とは全く違う趣きで、おもしろい!
 2013よりパワーを感じる分、繊細さは薄い。
芯があって主張が強く、合わせるものや飲み手を選びそう。
頑固でまっすぐな分、分かりやすいところがある。
 もちろん、圧倒的なレベルの高さだけど、
 12と13を比べるならば、僕は13の方が好き。
複雑で奥行きが出てくるのが13ですね。
ワイナリーも人間やワインと同じように、
年と共に成熟していくものなんでしょうね。
すごく面白い!

2019年2月のワイン会。

クリサワブラン垂直会。
2017〜2013、そしてケルナー、ロゼを飲み、
いよいよ2012年です。
2006年からこの年までは、
クリサワブランは栃木のココファームでの醸造。

クリサワブランって、ピークアウトしてしまったものは飲んだことがない。酸もしっかりしていて、長熟の印象がある。
本当にそうか質問したところ、「このヴィンテージだけは心配している」と。他のヴィンテージは(この2012年よりも前の年の作品でも)、まだまだ進化するとのこと。ただし2012だけは、そろそろ飲んだ方が良いらしい。

確かに、飲んだ印象としても、
ピークのスタートくらいの雰囲気がある。
他のヴィンテージに比べれば、やや香りが平坦で粘性が高い。
やや余分な苦味があって、香りも落ちているかも。

とはいえ、まだまだクリサワブランとしての魅力は輝いてますよ。
あくまで、同じクリサワブランで比べた場合、
ということですね。
まだ泡もあるし(!)、
ここから意外に長いかも知れませんけどね。

今回のこの垂直会の主催者さんは、
もう1回できるコレクションをお持ちで、
また2年後くらいにやるかーとのこと。
ひえー笑すごい人は凄いもんだ…笑

クリサワ・ブラン2013

色は美しい金色。
前回はグラスも小さかったので印象に残らなかったが、
大きなグラスで味わうと、香りの豊かさと色合いの美しさは、
本当に伝説的なこのワインの特長ともいえる。
テイスティングしても、香りだけで当てられそう。

北海道のワインに多く見られる鋭い酸は感じられない。
丸みがあって、トロピカルフルーツと林檎のアロマ。
奥さんも初めて味わっていましたが、女性にも受け入れられやすい。

そして1本すべてを楽しむと、やはりグラス一杯のテイスティングと違い、
その変化や料理との相性まで楽しめるところが魅力ですね。
北海道の野菜や鶏肉との相性もバッチリ。
そしてそのまま、食後のデザートワインとして引っ張ってもOK。

ドラマを見ながら、温度が上がって香りがさらに増したグラスを傾けて、
チビチビ行くと、そのまろやかさにうっとりとする。
1本で様々なシチュエーションが楽しめる。
感動的な白。

2019年2月。

クリサワブラン垂直会。
2017〜2014まで終えて、次は2013年。

この年から10Rワイナリーでの醸造。
そのため、エチケットも変化している。
ココファーム・ワイナリーのロゴが消えてる。
マークも少し変化。

六芒星を使うと「イスラエルとの関係は?」とか聞かれるので笑、
雪の結晶のようなマークにしたとのこと。
ちなみに六芒星は天と地を意味していて、
それがぶどう栽培の基本という意識から。
この2013年という年は、それまでと醸造所は変わるが、
担当のブルースさんは変わらないし、
なるべく同じ造り、同じ味わいを目指したとのこと。

しかし、実際にはその気持ちとは裏腹に、
酸膜酵母によって酸化のニュアンスが出たとか。
樽のチェックを頻繁にし過ぎて、
空気に触れさせ過ぎたことが要因とか。
ワインに任せておく、というのも大事なんですね。

しかし、その後の熟成によって、
酸化のニュアンスは気にならなくなり、
むしろ平年より複雑さは増したとのこと。
わずかにカラメル感もあり、果実味が突出しない複雑さ。
僕の中では本日のクリサワブランの中で、コイツがベストです。一番気に入ったな。

中澤さんとしても、発売当初の心配が杞憂に終わり、
ホッとしたヴィンテージとのこと。
うーん。何がプラスになるか分からない世界。
ま、そこもまたワインの魅力ですよね。

クリサワ・ブラン2014

もしかしたら、2014は北海道全体として、かなり良いヴィンテージかも。
でも、お手伝いをしていた感想的には、
暑さも厳しく、なかなか大変な気候だったのでは?という感じだったが。
でも、全体にワインは美味しい。嬉しいかぎり。

今年のクリサワブランは力強い!
そしていつものトロピカルな香り。複雑性。
ん~、やっぱりコレ、好きだわ。
白の中では、世界のワインと比べても、これが一番好き。
毎年、飲むたびに進化が感じられて、
でも変わっていない部分もあって。
だから毎年、買ってしまうんだろうな~。

2017年。

テイストはタプコプと似ているんだけど、
僕が抱く印象は全然違う。

タプコプの魅力は陽であり、動。
元気で朗らか、社交的な味わい。
変化であり、分かりやすさ。
そこがいいなと思う。

一方、クリサワブランは落ち着きであり、渋さ。
この仄かな苦味はピノグリのなせる業だろうか。
かといって、とっつきにくさはない。
ゲヴェルツの甘味もほんの少しだけどしっかり主張して、
それが良い相性なのかもしれないな。
複雑で、深遠。ゆったりとしている。
流れていることに気づかない大河のような静の魅力。

こういう華やかな場ではタプコプの方が美味しく感じる。
でも、家でゆったりと奥さんと飲むならクリサワブラン。
そんな感じ。

ああ、ゆったりとコイツと向き合いたくなった。
開けるか?家のクリサワブラン?
いや、しかし…やっぱり販売本数は少なく…苦笑
懊悩を生むワインだな。
だからこそ人は(僕は)、ハマるんだろうなぁ。

11月。バードウォッチング2周年の5本め。

サプライズのクリサワブラン。
後ろに生産者の影を見ながら飲むなんて機会は、
そうそうはないよな。

芸能人やスポーツ選手に会った気分ですよ。僕にとっては。

声を聴きながら、グラスを傾ける。
うん、こんな幸せはそうそうないさ。

そしてクリサワブランそのものも、
結婚記念日に飲んだときとは違う顔を見せてくれている。
わずかにベッコウアメのような、濃厚香りがする。
こちらに媚びるような香りではないが、
ふんわりと自らの中から香ってくるような…
うまく言えないが、ほぼ1年経って、円熟を果たしている。

1年1年、自分も熟していきたい。
良い時を過ごしていこう。

2019年2月。

クリサワブラン垂直会4本目。
2017〜2015を遡り、次は2014。

2014年は中澤さん曰く「最も恵まれた年」。
2015と甲乙付けがたい厚みがありつつも、
酸もしっかりあってバランスが良い。
豊作の年だけあって、力強く骨格がハッキリしている。
パワーがあるヴィンテージなので、
熟成感はまだまだ出ていない印象。
長熟を予感させる。

合わせたのはサーモン。

生だと果実味豊かな白と合わせると、
どうしても生臭さを感じてしまうことが多い。
そのためか、41度で火入れしてある。
サーモンが固まらないギリギリのライン。
生のような食感で脂を感じる。
しかし生臭さは全くない。
キレイな酸で脂が流されて心地よい。

そして今回は洋梨が添えてある。
これはもちろんクリサワブランの中にあるアロマ。
うーん、このペアリングも最高だわ。。。

クリサワ・ブラン2015

2017年5月試飲。

ナカザワ・ヴィンヤードのクリサワブラン2015。
北海道の白の最高峰。
伝説となっているワインです。

思ったよりも、ずっときれいな酸が残っている。
なんてクリアで、なんてキレイなワインなんだ。

僕の中で、このワインは孤高の1本。
造り手の「ナカザワ・ヴィンヤード」の中澤さんを表すかのような1本。
このワインがあったから、空知エリアの産地形成があった、
と言ってしまっても良いのではないか。

野菜の味そのままのマッシュポテトとの相性が抜群。
もっと先まで、まだまだ美味しくなっていくのではないか。
そんな期待感も持たせてくれる。

複雑な香りは、飲みこむ瞬間から上がってくる。
鼻だけではなく、口や喉で香りを楽しみたい1本。
至福の時。

2019年2月。

クリサワブラン垂直会3本目。
2017→2016と来て、順番通り2015です。

前の2つのヴィンテージと比べて、
熟成由来かカリンの雰囲気が出てくる。
リンゴの蜜の味わいも強い。
3つの中では最も厚みがあって、果実感を強く感じる。

個人的にはこういうリッチな白は好きだが、
造り手である中澤さんとしては、
もう少しシャープなものが理想とのこと。
ピノ・ノワールの比率が高すぎたか、
クリサワブランの中で最も厚みがあるとの評。

3つのヴィンテージを比べただけでも、
違いがはっきり分かって面白い。
もちろん、クリサワブランとしての個性は失わず、
それでいて熟成の年数や造り、
ブドウのセパージュで雰囲気が変わる。
ワインというのは、本当に面白いな。

次は2019年10月に抜栓。

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お義母さんの作っておいてくれた料理をいただきつつ、
とっておきのクリサワブランを抜栓。
料理にポテトグラタンや鮭があったので。
この2つにクリサワブランはとても良く合うんだ。
狙い通り、奥さんはワインも大絶賛。
元来、クリサワブランは奥さんの大好きな銘柄だが、
それにしたって「美味しい!」を連呼して、
食事後のドラマ視聴タイムにもグラスを持って行っていた。
(日常のルーティンでは、ここではコーヒーになっている)

リリース直後にわずかに感じられる酸のとがりもなくなり、
豊潤さとコクが増し、果実味の凝縮感はこれ以上ないほど。
栗沢の土地に10Rやkondoヴィンヤードなどワインの造り手が集まり、
余市を向こうに回して、2大産地となりつつあるのは、
この1本の白ワインから始まったという。
そのことが良くわかる。
間違いなく、北海道で最強の白ワインです。
これを飲まずして、北海道のワインを語ることなかれ。

クリサワ・ブラン2016

2018年3月試飲。

うーん、やはりこれは魂に刻み込まれている味わい、香り。
今日会えたので、また次に会えるまで我慢できそうだ。
アロマティックで、やや甘口のニュアンスなんだけど、
これは絶対に誰もが好きになる味だわ。
そんな落ちついた美女感がある。

いや~、完璧なワインってあるもんだな。
しばし、恍惚…(笑)

2018年7月、北海道ワインアカデミーにて試飲。

クリサワブランです。
北海道の白ワインの最高傑作と言っても良いと思ってます。

それをプレス機の前で飲むという幸せ。
心なしかグラスを持つ手にも力が入っているような…(笑)

ややイエローのかかったクリアな色合い。
かすかに発酵を続けているのか、グラスの底には小さな泡。

香りも味わいも、饒舌にして複雑。
様々な要素がにぎやかに通り過ぎていく。
そして尾を引くような余韻。
うーん、やはり大好きだわ。

最近、このクリサワブランに
ゲヴェルツ的なテイストを強く感じるようになった気がする。
ヴィンテージの問題なのか、僕の舌の問題なのか。

近藤さんが「頭が下がる」というほど、
化学的な防除を行わない中澤さん。
これからも1本芯の通った普遍性と、
より高みを目指すマイナーチェンジを見せてくれると思う。

「いつもそばに置いておきたいワイン」というよりは、
「ずっとそばにいたいワイン」。
飲み手に媚びないがゆえに、こちらから追いかけたくなる。
そんな1本です。

2019年2月。

垂直会の2本目。17に続いて2016です。

2017との違いは醸造所が違うこと。
2016までは10R、2017からは栗澤ワインズです。
その前は栃木のココファームでの醸造なので、
同じ名前のワインが年によって3ヶ所で造られている、
というのも割と珍しいことですよね。

この2016は収量が少なく、全てのブドウがクリサワブランに。
大きな違いはピノ・ノワールの比率。
他のキュヴェがないので、自然、
このクリサワブランのピノ比率が上がる。
そのせいか、2017よりもボリューム、厚さのある、
リッチな味わいに仕上がっている。

そして冷涼な気候だった2016は、2017よりも酸は高い。
それがヴィンテージよりもフレッシュに感じさせる。
これもミネラルを感じるので、
海苔バターを塗ったバゲットと相性が良い。
うーん、幸せなひと時…。

2020年4月抜栓。

今日は悲しい出来事があったので、
とっておきのクリサワブラン。

嬉しいことがった日も、つらいことがあった日も、
つい手に取ってしまうのはこいつなんだ。
嬉しい日に開けると、
これほど甘やかで豊潤なワインはないと思う。
今日は、少し酸が手厳しいな、と思う。
ほんと、ワインは気分によってもその顔を変える。
甘さも酸も、どちらもクリサワブランの一面であり、
いずれもがその美しさを構成している要素である。
きっと、人生もそうなんだろう。
今日の出来事が、未来の笑顔につながるように。
できることは、精一杯生きることだけなんだろう。
クリサワブランの芯の強さが、僕を癒していく。
ひとつの人生のようなワインです。

クリサワ・ブラン2017

故あって、抜栓から1日経ってからの試飲です。
品種はゲヴェルツ40%、ピノグリ19%、ケルナー14%、
ピノ・ノワール10%、シルヴァネール6%、他11%とワインリストにある。

今回が初の栗澤ワインズでの醸造です。

1日経っていることもあってか、
イメージしたようなクリアでスッキリという印象よりも、
深く、コクのある味わい。
カリンのようなテイスト、深みが備わっている。

クリサワブランの次の日の状態を試飲したの、初めてだ。
(開けたら確実に飲み切ってしまうから笑)

とても良い変化だと思うが、
息子のバースヴィンテーテージの2017は、
成人する2037年に開けようと思っていたけど、
この感じではちょっともたないかもしれないな…。

空気に触れた状態の1日の変化で、
経年変化を読むのは難しいが、
足は割と速そうな気も。。。

さてどうしようか。
悩ましい問題です。

2019年2月。

クリサワブラン垂直会。
迷うところではあるが、
やはり新しいヴィンテージから遡ろうということに。

他のヴィンテージと比べると、
やや濁りが入っていることが分かる。
中澤さんとしては濁りは入れたくないとのこと。
キレイな見た目でも複雑さは出せる、
という言葉はさすがだな。

とは言え事実上のノンフィルターで、
亜硫酸もほとんど使わないので、
濁りを取るには沈澱を待つしかない。
しかしこの年は郵送料金が上がる年で、
送料は買う人負担なので申し訳なくて…とのこと。

それでもかなりキレイですけどね。
最近はナチュラルな造りのワインを飲むことが多いので、
このくらいのは全然ですね笑

味わいは伸びやかな酸を始めに感じる。
ピノ・ノワールはロゼになっているので、
クリサワブランの中のピノ比率は下がっている。
それがシャープな印象を作っているのか。

合わせたのはカキ。
僅かに火が入っているが、食感はトロトロ。
海水の塩分濃度と同じジュレをまとっている。
上に乗ったピンクペッパーは、
クリサワブランのゲヴュルツのスパイシーさに合わせて。

ジュレの海水の雰囲気も、
クリサワブランの中にあるミネラリーさと、
本当にマッチしている。
今回の料理は全て、
合わせるワインを意識して工夫が凝らされている。
なんとも素敵な配慮で、感動でしたね。

2019年月にもワイン・ヘリテージで飲んでいます。

栗澤ワインズを構成する3生産者のうちのひとつ。
ナカザワ・ヴィンヤードの作品。
クリサワブランは北海道の白のすごさを痛感させてくれたワイン。
こういう場で出会えるのはほんとうにうれしいことです。

今回は料理と合わせられたことも良い経験になった。
合わせたのはホッキ貝のシャブシャブ。
ホッキとワカメを軽くお湯にくぐらせてくれる。
それをポン酢につけて食べる。
この歯ごたえを感じないほどのホッキの柔らかさと甘み。
そしてワカメの旨みまでひっくるめて、
まだ若いクリサワブランの酸を丸めてくれる。
ちょっとツンとしたところをうまくいなして、
それをすべて魅力に換えてくれる。

クリサワブランは熟成した後が真骨頂だと思っていたが、
料理と合わせて若いヴィンテージを飲むというのも、
また違った魅力があって良いな。
素晴らしい出会いに感謝ですね。

クリサワ・ケルナー

クリサワ・ケルナー2012

2015年に試飲の感想は以下。

僕の好きなナカザワ・ヴィンヤードのケルナー。

ケルナーから、クリアなものが作れる、
そういうワイナリーも最近は増えてきているようです。

ナカザワさんの単一品種というのも面白く、
結構、楽しんで飲むことができました!

2017年試飲の感想は以下。

テイスティングコメントは以下。

「キレイな色合い。酸ははっきりと残っている。
 透明感があってクリア。」

これ、ブラインドで飲んだ時は、まったく気づかなかった。
みなさんの評価では全体で2位の高得点だったが、
僕は完全にノーマークでした。
まだまだですね。

銘柄が分かってから、再度飲ませてもらいましたが、
時間が経ったからか、銘柄を知ったせいか、
最初の時に印象に残ったような酸は感じず、
とても落ち着いた印象に変わっていました。

クリサワ・ケルナー2014

アルコール度は12.5%。

2019年2月のワイン会にて。

2017〜2013まで飲んだところで、
一息ついてクリサワケルナーへ。
いや確かに、いくらなんでも、同じワインを飲み続けると、
違いが分からなくなってくる笑

2014年は全体の収量増に加えて、ケルナーが豊作で生まれたキュベ。
2018年も開花期の雨で花振るいに悩まされる年だったが、
このケルナーだけはダメージなし。
(全体の収量減もあって、クリサワブランでは初の、
ケルナー比率が最も高い作品になるらしい)
そういう意味でも、ケルナーって興味深い品種だな。

さて味わい。
見た目にもわずかに泡が浮かぶ。
なんと言っても香りが素晴らしい。
青リンゴ、桃などのうっとりする香り。
酸もキレイで、舌の上で踊るようだ。これは陶酔の1本。

合わせたのはツブ貝。
米粉でソテーされたものが、濃厚なスープと共に出された。
エスカルゴにするような料理。
フレンチとは思えない、ダシの効いた料理。
「やはり和食に合うワインなので」とシェフ。

たしかにクリサワブランにも
クリサワケルナーにもマッチしていた。
水面で溶ける淡雪のようなトッピングも美しい。
冬の終わりを思わせる美しい料理。
さすがです。

赤ワイン

クリサワ・ルージュ

ロゼワイン

クリサワ・ロゼ

クリサワ・ロゼ2017

アルコール度数は10.5%。

2018年11月試飲。

出会えただけでも奇跡ですね。
おそらく生産本数は300本ほど。

色合いは非常に儚い桜色。酸は強く、シャープ。
少し尖りすぎているくらい。
シャープというよりはトゲトゲ感。舌に残ってしまう。
うーん、聞いてた評価と違うが…
と飲んだことある人に聞いてみると、2回飲んだことあるが、
もっとまろやかだったとのこと。
恐らくボトル状態が良くなかったか。
しかし貴重なワインには違いない。
一期一会に感謝して楽しむ。

2度目はクリサワブランの会で2019年2月試飲。

過去に1度飲んでますが、
その時はボトルコンディションが良くなかった。
改めての出会いです。

結論から言えば、これは最高のロゼだった。
力強さとエレガンスが同居している。
「ロゼは中途半端」と思っていた時期もあったが、
今なら分かる。
ロゼは両立なんだ。
良いとこ取りです。

泡も少しあり、まだまだフレッシュ。
「この年のピノは赤には線が細いが、ロゼなら最適だと感じた」とのこと。
素晴らしい判断。

美しい桃色ですね。
料理はシェフがワインの順番を何度も気にしていた理由、
このロゼのためのクレープ包み。

カニやホタテ、エビが入っている。
ソースはわずかにトマトが効いていて、
それがこのロゼの酸味とマッチしている。
うーん、いつまでもここに居たくなる味だ…。

インタビュー収録

またしても最後は「そらちワインピクニック」のインタビューを。

-中澤さんは北海道出身の方ではないですよね。

生まれは東京です。関東に住んでいたことが長いです。

-ということは、北海道にもいらっしゃったことが?

北海道には、しょっちゅう遊びに来ていました。

-それで、農業とはあまり関係のない仕事をされていた?

そうですね。サラリーマンをしていましたので、農業とはまったく縁のない、
まさに、「畑違い」の仕事をしていました。

-なぜ、北海道に?

旅行で初めて来たときに、何の前知識もなく、ガイドブックも見ずに、
友達に連れてこられたんですが、それが良かったのか悪かったのか、
最初に来た北海道の印象が強烈で。
「ここは日本じゃないぞ」と思うようになってですね、
それから「いつか住んでみたいな」と考えるようになりました。
大学4年生ですね。4年生ですが24歳の時です。

-自由な時間をたくさん過ごされた(笑)

そういうことですね(笑)

-そして脱サラをして来られたということですか?

いえ。「北海道ワイン」さんに拾っていただいたので、転職です。

-北海道に来たかったから?

せっかく北海道に来たなら太陽の下で働きたいと思って、
「だったら農業だろう」と思ったんですが、
当時、新規就農というのはあまり一般的ではなくて、
どうやったら農業を始められるかな、と考えていた時に、
もしかしたらワイン会社に葡萄を育てる仕事があるんじゃないかと気づいて、
それからはトントン拍子に北海道ワインさんに拾っていただいた、と。
それで北海道に来れました。

-最初は農業というくくりで、葡萄ということではなかった?

ワインが作りたくて、葡萄が作りたくて北海道に来たというわけではないです。

-近藤さんもそうおっしゃっていましたが、
 農業がキーワードで、ブドウではなかった。

結果的に、ここに立っています(笑)

-すごいですね。結果、葡萄になっていますが、
 結果、なかなか手に入らないレアな、
 高品質なワインのブドウ栽培家になっていますけど。
 それはどういうところから、こういう道になったのでしょうか?

北海道ワインで栽培担当になって、葡萄を育てていたんですが、
「このブドウであれば、もっとおいしいワインが作れるんじゃないか」
と思ったのですが、北海道ワインは大きな会社ですから、
なかなか自分一人でそこまでできなかったものですから、
であれば独立してやるしかないかな、と思って初めてしまったんです。

-すごいですね。
 今、どれくらいの畑の広さがあるんですか?

2.7haです。北海道としては小さいです。

-小さいですし、そしてまたしっかりと栽培されていますが
 北海道というのは反収があまり多くないですから、
 それだとかなり収量が少なくなりませんか?

ただでさえ少ない収量なんですが、
うちの場合、科学肥料をやらなかったりするので、
一層、少なくなっていて、今それが原因で経営が苦しくて。
結果、ワインの値段が高くなってしまって、
みなさんにご迷惑をかけていますが。

-普通のワイナリーだと、ブドウの樹とブドウの樹の間を走れるものですけど、
 中澤さんのところはそうはいかないですね。他の草の丈も高いから。

そうですか?私は走れますよ(笑)

-中澤さんは走れるかもしれませんけど、僕は走れない(笑)
 他の畑に比べると虫も多いですね。

そうですね。いろんな虫、
まぁ虫に限らず生き物がたくさん畑の中にいて欲しいと思っていて、
そのためにできるだけ草を生やしたままにしているんですが、
そうすると池田さんのおっしゃるように「走れない」と言われる畑になってます。

-自然にすればするほど、収量も落ちていくということですか?

単純にそうではないと思うんですが、一部、収量を犠牲にしながらも、
いろんな生き物と共存していければな、と思っています。

-本当に素晴らしいです。
 他のワイナリーは葡萄品種をワイン名前に付けていることが多いですが、
 中澤さんのところは違いますよね。

去年はケルナー単独も造ったんですが、
基本的にうちに植わっている葡萄すべてを使ったワインを1種類、
白ワインですが、それを作るようにしています。

-これはやはり収量の問題ですか?

最初は収量の問題だったんです。
最初は収量が少なくて、「全部混ぜるしかない」ということで始まったんですが、
今は「混ぜた方が美味しい」ということで積極的にブレンドしています。
「混醸」という造り方ですが、それでワインを造っています。

-たとえばボルドーでも、メルローとカベルネ・ソーヴィニョンとか、
 複数のブドウ品種がアッセンブラージュされています。
 ただ、これはそれぞれのブドウ品種を単独で醸造・熟成したものを、
 ワインが完成した後にブレンドしてひとつの商品を造ります。 
 一方、中澤さんのところはすべて一緒に発酵させるということですよね。

そうです。アッセンブラージュではなく、葡萄の段階から混ぜるということです。

-それを一緒に発酵させるということですね。
 混ぜて醸造するということですよね。
 これはスイスとかオーストラリアで見られる手法ですよね。

そうですね。オーストリアで昔からやっています。
ヨーロッパでも昔からそういう造りだったはずです。
いつからか品種ごとに作るようになったんで、
昔はどこも混醸だったと思うんですが、
今でもオーストリアなどでは残っているということです。

-ですから風味が豊かで、ブドウの個性がそれぞれにうまく表現されていて、
 それがワインのおもしろさ、楽しさにつながる。それが混醸の魅力ですよね。

そうですね。

-先ほど2013年を味見させていただきましたが、非常に豊か。
 2012年というのはシャープというか、スパッと芯が太い印象。
 一方で2013年は豊かでしたが、どういう違いが?

まず醸造する場所が違いますね。
2012年までは栃木県で作っていたものが、2013年からは旧・栗沢町で。

-2012年まではブルースさんのいた、栃木県のココ・ファームで。
 2013年からは10Rでブルースさんのところで醸造ですね。
 そして先ほどもブルースさんがおっしゃっていましたが、
 中澤さん自身の醸造というところが大きな違いかもしれませんね。

それもありますが、1番大きかったのは気候の違いです。
2012年は9月がすごく暑くてブドウの調子が正直悪くなった。
2013年、そして今年は逆に、しっかり夜温が下がってくれて、
涼しい、北海道らしい秋になってくれました。
これがよくてブドウにしっかり酸が残りました。
酸が残ったブドウは収穫を待つことができて、
去年は本当にいいブドウが収穫することができました。
それがワインの厚み、豊かさにつながりました。

-実際の発売日はまだですよね。

そうですね。本日は先行販売です。

-本当にふくよかでおいしいですよね。

ありがとうございます。

-販売は9月23日からですね。

はい。自宅の方で。
札幌市内にも少しだけで回りますから、探していただければ。

-毎日やっていらっしゃるわけではないですよね?

23日で完売すると思います。

-KONDOヴィンヤードと両方寄ればいいわけですね。
 これは2人で示し合わせてそうされているんですか?

せっかくなので同じ日に販売した方が、
1度来ていただけるだけで大丈夫ですから。
それほど距離も離れていないので。

-ぜひみなさん立ち寄っていただければと思います。
 クリサワ・ブラン2013は、おいくでしょう。

希望小売価格で、去年より値上がりしてしまって3240円です。
もしかしたらうちの店頭では少し安く提供しているかもしれません。
よろしくお願いします。

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これまでのまとめ~モンガク谷ワイナリー~

はじめに

お隣さんとのバーベキュー。
そこで1冊の雑誌をもらいまして。

2018年9月号を今さら?と思ってページを繰ると。

余市、仁木、蘭越のワイナリー特集でした!
その記事を読んで、久々にまとめシリーズを。

ばっちり紹介されているモンガク谷ワイナリーです。
2回しか飲んだことないけど、最高のワインですよ。

白ワイン

モンガク谷2016

北海道ワインアカデミー、懇親会で登場したワイン。

余市のモンガク谷の白。
品種がいろいろ。
ピノ・ノワールやピノ・グリ、ピノ・ブランやシャルドネ。
ピノファミリーがたくさん使われているな。

飲んだ瞬間にびっくりする白です。
これはウマイ。

飾らないが、芯の強さがある。
複雑さもあり、余韻も長い。

うん、これはメインを張れる白だ。
鶏肉料理なんかに合わせて、
もっとも重要な場面で使いたくなる白。

さすがというしかない。
素敵な1本。

モンガク谷2017

合わせたのはモンガク谷。
今年のクリスマス・ワインに選ばれたのは、
アカデミーでもご一緒させていただいている、
余市の新進気鋭のワイナリー。
エチケットは娘さんの作とのこと。
非常に美しい絵。
いつもならクリサワブランなどがいる、その主役の座です。
期待を込めての登場。

品種はピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、
シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランなど。
リンゴの香りが強くて、酸味の主張もかなりある。
それでも、果実感とさわやかさ故に、
クリスマスの油っこい料理とも合う。
これは今飲んでさわやかさを楽しんでもよいし、
熟成が酸味を丸めてくれるのを待っても良い。

いずれにせよ、発売直後の今、手に入れておくべきワイン。
恵庭の原田商店でも買えます。
 家族水入らずのクリスマスにピッタリの1本でした!
最高です。

ちょっと高めの値段設定だけど、
特別な日にぜひ!

モンガク谷 栢 2019

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 87d3e738-s.jpg

2020年9月試飲。

シャルドネとピノ、ソーヴィニヨン・ブラン。
10Rから自社醸造に切り替わったヴィンテージとのことだが、
基本のスタンスは変わらない印象。
優しく、深く、幻想的。
個人的にはこのリンゴのアロマが大好きだな。
エチケットも素敵でワインのイメージを反映している。
かなり好きな白ワインのうちの一つ。
見つけたらマスト・バイな1本。

2021年はもっと飲みたい造り手です。

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これまでのまとめ~ドメーヌ モン~

ドメーヌ タカヒコでの研修を経て独立した山中さんのヴィンヤード。
ドメーヌ モンの2020年までのまとめです。

スパークリング

モンペ

モンペ2016

モンペの2016を味わったのは2回。
2017年の3月と6月ですね。

「ドメーヌ・モン」の最新2016年のワイン。
名前は「モンペ」。可愛らしいですよね。

造り手の山中さんの「山=Mont(モン)」とか、
ドメーヌ・タカヒコの「門下=モン」とかから来ているネーミング。

初リリースがナイアガラの泡というのは良いチョイスだな。
軽やかではあるが、しっかりとした旨みを感じる。

日本海に近いこともあって、海鮮との相性が良い。
今回の試飲では、海老との相性が良かった。
これは気づきだな。いろいろな海産物と合わせてみたい。

今後は、ピノ・グリをメインにやっていくとのこと。
ピノ・グリのみでやっているワイナリーは、
少なくとも北海道では聞いたことがない。
アルザス系の白になるのかな。
道産の野菜なんかとも合わせてみたいな。

ここも、挑戦を続けてくれそうなワイナリー。
注目です。

農楽蔵の「ラロ・フリッツァンテ」のレシピを譲られ、
それにオリジナルの工夫を加えて生まれたという1本。
本日はゲストの粋な計らいで、オリジナルのラロとの飲み比べが実現。

エチケットも名前も可愛らしく、日本らしさも感じる泡。
すでに山中さんの個性を感じますね。

ナイアガラの比率が高いということで、
かなりアロマティックなものを想像しましたが、
なんのなんの、辛口ドライでスッキリ系でした。
ナイアガラのような生食葡萄は、
いわゆる狐臭(フォックス・フレーバー)と言われる香りで、
ヨーロッパ人には敬遠される傾向にあります。

その香りをどう使うかというのも、造り手の腕の見せ所。
モンペに関しては、それをうまく制御して、
あまり香りからはナイアガラっぽさを感じない。
むしろ梅に近いような感じ。爽やかな酸の印象が強い。

味わいも、泡はかなり緩やかで優しい。
後味もスッキリ。良くも悪くも余韻は短い。

様々な料理に合わせてみたくなる泡です。
まだまだ生まれたてで、澱も舞う舞う(笑)
もう少し、そうあと1年くらい置いてみると、
また少し違う顔を見せてくれるような予感もあるな。

今後が非常に楽しみな1本でした!

2度目は2018年12月に。

てなわけで、農楽蔵のラロと飲み比べた、2016のモンペです。

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ラロと比べると、果実由来の甘さや泡など、
その主張が強めだと感じる。
香りもグレープフルーツ香が目立って華やか。
これはクイクイと飲めてしまうな。
個人的には少し寝かせて、リリースから1年後くらいが飲み頃感。
(2年以上の熟成は下降線を辿ると予想…)

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好みの問題だろうけど、パーティーの乾杯ならラロよりこっちだな。
2人とかで飲むなら農楽蔵か。
そんなことを考えながら飲めるのも、比較試飲ならではですね。
楽しいひと時。。。

モンペ2017

2017年12月、2018年3月、5月の3回飲んでいる。

最初は2017年12月なので、リリース直後。
一口目から、ナイアガラの香りを感じる。
甘やかな香りだけれど、味わいはドライに仕上がっている。

何より、爽やかでフレッシュだ。
モンペはこの鮮烈さが一番の魅力だと思うので、
個人的には発売から半年くらいで楽しんでしまうのが良いと思う。

熟成させることだけがワインの魅力じゃないしね。

今年のモンペは酸がしっかりしているので、
少し力強い印象を受ける。

料理と合わせることも試してみたい1本でした。

2度目はコップの会にて。
オープニング、乾杯のワインに選ばれてました。
山中さんが目指すのはピノ・グリ単一の白ワインで、
2018年の秋にでも、その最初のヴィンテージが仕込まれる予定。
それと同時に、生食用として日本でメジャーな品種を使って、
リーズナブルな価格で、多くの人の手に入るよう作られているのが、
この「モンペ」というスパークリング・ワイン。

スパークリングと言っても、微発泡の仲間でしょうね。
おそらく2気圧くらいの軽い感じ。

品種はナイアガラやバッカスが使われている。
1から2週間タンクに入れて放置した後のプレス。
その結果としての、濁り感と複雑さ。
そして爽やかで軽くて、まさに乾杯のワイン。

乾杯は何度やっても楽しい(笑)

最後はワインヘリテージで。

そんなに回数は飲んでないのに、なんかホッとする泡だ。
スパークリングを飲んで「ホッとする」と言う感想、
他のアイテムではまず感じたことが無い。

山中さんの人柄と、ほんとうに一致率が高い気がする(笑)

この緩めの泡がそう感じさせるのか、
あるいは日本の果実(梅とか)の香りの懐かしさなのか。

立て続けの試飲の後、
疲れた肝臓まで休めてくれそうな1本でした。
(間違いなく勘違いだけど!笑)

モンペ2018

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なんでだろな。
2年連続で最後はモンペで締めくくりです。

なぜかホッとするんだよな。
たくさん飲んでても、ここで一息つける気がする。
最後に持ってきたタコの刺身と合うなー。
感動的と言ってもよいくらいだ。
もちろんタコもゴムのようなタコではない。
火の入れ方が完璧で、サクサクとした歯ごたえ。
淡泊だが、淡泊なだけでない。

モンペも同じ。
繊細で周りの邪魔をしないもの。
お互いがお互いを思いやる感じのマリアージュ。
キリリと冷やして飲むのが良い。
締めにふさわしい極上の微発泡です。

2度目は2019年1月。

ワイン会のワイン。

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発売したてのモンペ2018。

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今年も楽しみにしていたワインのひとつ。し
かし、注いでみると…

おお!いつもの透明なさらさらペティアンじゃない!
2018はオレンジに近い色合い、
そして粘性が少しある甘やかなテイスト。
泡は弱めで、ワイン自体の魅力で楽しむ感じ。
完全に方向性を転換してきましたね。
個人的には、これは結構好き。
前の感じも好きだったが、これはたまらなく良いな。
ケルナーも入ってるとのことで、それもまた良いなー。
北海道らしさを感じる1本。

シードル

モン-C2016

モン-C2016

余市のドメーヌ・モンのシードル(林檎のお酒)です。
リリース直後に恵庭の原田商店に行って購入してきました。

シードルというのも面白い。
特に果樹が強いエリアでは、生食用のリンゴを生産していることが多い。
食べる方は人気に陰りが出ているということなんで、
シードルへの転換も進むかもしれない。
興味はあるが、やはり林檎もシードル用の品種の方が良いんだろうな。
勉強しなければならないことはたくさんです。

シードルと言うと甘いのをイメージしちゃいますが、
こいつはしっかりドライです。
奥さんの感想は「ワインみたい」とのこと。

それだけの高いレベルの味わいがありつつも、
アルコール度は6%で低め。
飲みやすいので女性は重宝しそうですね。

値段的にも、財布に優しい感じ。
お一人様1本じゃなきゃ、常にストックしたいんだけどなー(笑)

モン-C2017

2018年の8月。

酸はちょい強め。
ブドウで作られたワインは往々にしてブドウではない果物の味がするが、
シードルというのは本当にリンゴの味がする。
酸は強めのドライな造り。

理に合わせても大丈夫な1本。
冷蔵庫で冷やして日本食と一緒に。
イメージの湧く1本。

2度目は2020年11月。

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余市のドメーヌ モンのシードル。
だから「モン シー」という名前になっている。

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裏エチケットにある通り、やや濁りを帯びている。
それが複雑さを増しているように思う。
すっきりドライなシードルの味わいの裏に、
複雑でやや苦みを帯びたテイストがある。
伸びやかな高音と、響くような重低音。
それら和音のような味わいだ。
シードルも、ここまでレベルの高いものを飲むと、
いろいろ考えさせられるな。
アルコール度数が低いのもまた飲みよい。
素敵なアイテムです。

モン-C 2018

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今年も暑い季節を逃さずにコイツを楽しめた。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 8d506ba3-s.jpg

爽やかでありながら、複雑さがある。
軽快なタッチだけど、重心にはしっかりとした果実味。
豊かでありながら、鋭さもどこかにある。
こういう、つかみきれない酒は本当においしい。
結局、あっという間に空ボトルが。
1人2本まで買えた。
なんでもう1本買わなかったかな~。
そんなことを後悔してしまうような素晴らしいシードルです。

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これまでのまとめ~藤野ワイナリー~

はじめに

2020年までのまとめシリーズ、
続いては北海道札幌市内にある「藤野ワイナリー」。

かつては「kondoヴィンヤード」の近藤さんが、
醸造責任者を務めていらっしゃいましたが、
今は顧問的立場になられていて、
代替わりして浦本さんによる醸造になっています。

シードル・ブラムリー

シードル・ブラムリー2017

お隣さんとのバーバキューにて。
(しかし最近、お隣さんとはマジで親戚のような付き合いだ…笑)

肉が食いたくなって、
恵庭の阿部精肉店まで肉を買いに行ったら、焼き肉がしたくなり。
焼き肉するなら2人より4人ということで。
(あ、息子も入れたら5人ですけど)

で、持参したのはシードル。

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発売したての藤野のシードル。

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余市のリンゴを使ったシードル。

ほんと余市は北海道の果樹の聖地だな。
リンゴを作らせてももちろん抜群にウマイ。

そのリンゴを「浦本流」と呼ばれる藤野の醸造でシードルに。

アルコール度は6度と軽め。
乾杯するには良い感じですね。

酸がキリっとあって、甘さはごくわずか。
そうそう、これなんだよな。
バーベキューに合わせたくなる軽やかさ。
でもビールではない、というそんな気分の時。
こいつは最高だな。

特に旬のサンマと抜群に良かった。
北海道の新鮮なサンマは内臓も苦味が少ない。
ほろ苦いのを脂の乗った身にのっけて食べるのが最高。
炭火で焼くというのもまた良い。

そしてこのシードル。
うーん。永久運動だわ(笑)

2度目は2019年6月に抜栓。

甘ったるさを感じない、シャープなシードル。
リンゴと言うより、梅の香りを強く感じる。
昔、奈良のばあちゃんチで飲んだ梅ジュースを思い出す。
夏に氷を浮かべて飲んでも良い気がする。
さわやかでみずみずしい、ゴクゴク行けちゃうシードルです。


スパークリング・ワイン

ナカイ・ナチュラルスパークリング

ナカイ・ナチュラルスパークリング2015

エチケットが無い…というか、裏エチケットみたい。
ミュラーとケルナーを使って、藤野ワイナリーで作られている。
お隣のミュラワも近藤さんだし、そのつながりで藤野ワイナリーですね。

ミュラワに比べると酸が立つ感じがする。
余韻が長く引くのはケルナーの魅力かな。
ドライな感じが強いので、こちらの方が男っぽいか(笑)

初めて飲んだので、その魅力にびっくり。
まだまだ北海道のワインには、僕の知らないものがたくさんある。
ますますハマっていきそうです!

札幌市内にあるワイナリーというところが面白い。
イベントなんかも活発に行っているワイナリーでもあるので、
今後、「街のワイナリー」としてどう発展していくのか。
目を離せないワイナリーです。

ナカイ・ナチュラル・スパークリング2016

結構、ボリュームがありました。
奥さんが食べきれないくらい。
(僕がもらって食べたけど笑)

満足、満足。

さて、今日のワイン。

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札幌の南の方にある、藤野ワイナリーのスパークリング。

これは何とも爽やかな味わい。
エチケットが味わいをうまく表現している。
濁りが効いていて、複雑味があるので、
よくある「軽いだけの泡」という感じはしない。

アルコール度数も低め。
くいくい飲めるのが魅力だな。

乾杯やアペリティフ(食前酒)に使うもよし、
こってりしたものの食後に飲むのもよさそう。

それこそ、ラーメンの後に飲みたい1本。
今日は天気も良いし、よく似合いそうだ~。


ナチュラルスパーリング

ナチュラルスパークリング・ロゼ2012

初めて飲んだのは、2014年の11月。

明日はお休みということで、ワインを開けました。
先日買った、藤野ワイナリーのロゼ・スパークリング。
料理は鶏肉とキャベツのスープ、
そしてほうれん草とポテトのアンチョビあえ。

食卓を鮮やかに彩ってくれるのも魅力ですね。
味わいは、ブドウというよりもイチゴ。
まるでイチゴソースのような香りと味わいです。
で、天然酵母独特の鉄っぽい雰囲気がある。
この鉄っぽさは、アンチョビとの相性が抜群です。

アンチョビやオリーブと合ってくれると、
料理のバリエーションが広がっていいですね。
なかなかコスパのいいロゼでした!

ナチュラルスパークリング・ロゼ2014

相変わらずのゾーク。
ゾークって、普段飲みには便利で、リコルクしやすいけど、
ここ一番って時に出すには、雰囲気があまりないんだよね。

ロゼの色ってピンキリだけど、こいつはピンクっぽいキレイな色。
泡は弱め。ヨーロッパなら微発泡に分類されそう。

鼻をくすぐる香りは無いが、口に含んだ時はチェリーの香り。
いや、むしろ桜餅に近いか。日本人的には非常になじみのある、
上品で春を感じさせる香り。

優しく、柔らかく、温かい。
そういう意味では、先に飲んだタキザワのミュラートゥルガウと、
この藤野ワイナリーのミュラートゥルガウがベースの泡では、
味わいは対極にあると感じる。

タキザワさんの鋭く、気合の入った酸。
藤野さんの柔らかく、穏やかな香り。
どちらも、これまでのミュラートゥルガウでは感じなかったもの。

どちらも個性的で、ハマる。
しかし今日のシチュエーションには(疲れて嫌んなった時には)、
この優しい味わいの泡には満たされますね。

ナイトキャップにピッタリです。
素晴らしい。

ナイヤガラ・ナチュラルスパークリング2016

2017年に試飲。

さて、原田商店のワイン会の1本めです。

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乾杯のワインは藤野ワイナリーのスパークリング。
ブドウ品種はナイヤガラです。

ナイヤガラは生食用のブドウとして日本でも有名。
いわゆる「狐臭」と呼ばれ、ヨーロッパでは嫌われる、
どくとくの甘いラムネのような香りがします。
日本人は昔から生食用で馴染んでいるからか、
嫌悪感を抱かない人の方が圧倒的に多い。
(というより、日本人はこの香り好きだと思うな。
 美味しそうだと感じるはず)

醸造担当の浦本さんのコメントによると、
スキンコンタクト(果皮も一緒に漬け込む)によって、
独特のエグミが出ているとのこと。
ナイヤガラらしさを感じるはず。

また、この年はブドウが良かったため、
酸化防止剤を全く使用しない造りになっています。
だからピチピチと元気なんですね。
乾杯にふさわしい1杯。

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さて、料理もチェルボさん自慢の料理。
ここは恵庭で1番と評されることが多い店。
(ミシュランの星をもらっていることもあるし)

生ハムメロンが泡ととても相性が良かった。

料理にも大満足です!

ナイアガラ・ナチュラルスパークリング2018

2019年1月。

2019年2発目の新年会。次はご近所の奥さんママ友夫妻と。
アジアン・テイストの唐揚げ鍋。2日続けての新年会なので、ちょっと変わり種の鍋で。
合わせたのは優しい泡。

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藤野ワイナリーの泡。

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最近、藤野のスタイルも確立してきた感じ。
期待した通りの、爽やかな優しさ。
飲み疲れた時にも美味しく飲める。
アルコール度が低めだからか、それとも天然酵母のせいか。
ともあれ、子どもを囲んで、和やかに飲むには最適のワイン。

2度目は2019年6月。

余市の登地区のナイヤガラを使用。

ナイヤガラだが残糖感はない。
爽やかで瓶底は濁りが増す。
こういう造りは個人的に好きだな。
生食用ブドウの特有香は控えめで、
ほんのりした甘さと、キレイな酸が目立つ。
透明感と、料理にも合わせると懐の深さ。
夏に合う清涼感。
美味いです。

ナチュラルスパークリング2019

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2020年3月。

消防団の手続きに恵庭の中心に行ったので、
ついでに原田商店に立ち寄り情報交換。
そしてワインも仕入れてきました笑
原田商店に登場したての藤野ワイナリー、
ナチュラルスパークリングの最新ヴィンテージ。
定番の爽やかなスパークリング。
圧は控えめで、そんなにパチパチしないので、
この冬の終わり、暖房効かせた室内にも合う。
ついついリピートしてしまう、
年1飲みたいワインのひとつです!

くまコーラ

くまコーラ2017

2018年8月のワインアカデミー初日の帰り道。
せっかく札幌に出てきたので、我が師匠に連絡。
忙しい中、札幌駅まで出てきてくれるとのことで、
円山屋で立ち飲みすることに。

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久々の乾杯ワインは樽から注いだ「くまコーラ」。
藤野ワイナリーとジャン・マルク・ブリニョ氏のコラボ作品。

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上の写真は後日師匠から頂いたボトル画像です。

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店ではグラスでサーヴ。
ちょうど新しいボトルに移るところだったので、
ボトル上面の澄んだ部分と、ボトル底の濁った部分が楽しめた。

それにしても開けたてはものすごい泡。
ビールも真っ青ですよ(笑)

爽やかで軽やか、そして何より楽しげな雰囲気。
うん、これは夏の乾杯には欠かせない存在だ。
(手には入りにくいけど)

そしてこの店、
ワインアカデミー帰りの受講生ホイホイとなってました(笑)
待ち合わせたわけでもないのに、来るわ来るわ(笑)
結局、全受講生の25%くらいと出会ったのではないか。
師匠も紹介で来てなによりでした~。

こういうつながりが広がっていくのも、
ワインの大きな魅力ですね。

2019年4月に2度目の試飲。

今回は「くまコーラ」がグラスで飲めました。
一番あたらしいヴィンテージですね。
いつもながら、すごい泡の量。
ビールよりもモコモコしているのではなかろうか。
それがまた、このワインの個性となっている。
香りも爽やかなナイヤガラの香り。
ライトで嫌味な感じが全くない。
今日みたいに疲れた体をいやすための1本としては最高ですね。
樽から直接注がれるというのも素敵な発想。
ボトルの写真が残せないのが残念ですが。
僕はここでしか会ったことのないワインです。
ウマイ。

3度目は2019年9月。

余市のイベント、ラフェトで森羅ブースにて。
ここのブドウを使った「くまコーラ」。
奥さんに「なんでこんな名前なの?」と聞かれるが、
上手く答えられない笑

コーラ並みに泡が出るからかな?笑
息子はここで食べるためのブドウ、ポートランドをもらいご満悦。
意外なほど、ワイナリー巡りを楽しんでました。
僕自身もシュワっとした泡にキレのある酸、
それでいて甘さや深みもあるこのワインで体力回復。

奥さんもクルミパン買ってご満悦でした~。

ロゼワイン

○△ロゼ(マルヤマ・ロゼ)

○△ロゼ2017

円山屋のもうひとつのグラスワイン。

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〇△(マルヤマ)ロゼです。
旅路を使ったロゼワイン。
円山屋のために作られたキュヴェです。
ラブラスカ香を隠そうともしないところが好感を持てる。
正直、日本人にはそれほど違和感ないのだから、
品種香として前面に出す方が潔いと感じてます。

食事に合わせるのには向かないだろうけど、
単独で飲みながら(あるいはチーズや生ハムくらいにして)、
立ち飲みでワインを語らうにはうってつけです。

早めにクイクイ飲んでしまうべき1本。
次の日も早いので、小1時間で解散です~。

コハル

コハル2017

色合いが見づらいですが、明るめのロゼです。

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赤い果実の香り、心地よい酸。庭でとった木の実のような、
さわやかさと酸っぱさがある。
赤のような香り、でもライトなテイスト。
それでいて白のようなキレイな酸、
でも厚みもあるように感じる。
ロゼって中途半端、と思っていた。
しかしこいつは赤白両方の良さがある。
たとえば、食事を通して1本のワインで合わせる、
そんなときにはこのロゼがよいな。
アミューズからデザートまで付き合える、ステキなワイン。

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ちょっとロゼを見直した1本。
藤野ワイナリー、ロゼがうまいな。
強味があるというのは良いな。

さねんころ ももいろロゼ

さねんころ ももいろロゼ2018

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赤身の肉を食べながら合わせてもよいし、
魚介なんかと合わせてもよい。
爽やかさが脂を流してくれて、
いくらでも食べられそうな気分になってしまう笑
赤いベリーの香りと品の良い酸。

癖になってしまう1本です。


白ワイン

ナカイ・ケルナー

ナカイ・ケルナー2014

次は2016年7月。師匠の洞爺湖の別荘にて。

洞爺湖にて。
なんとケルナーまで登場。
今回のバーベキューは、コイツをお供に。

「ケルナー好きになったら北海道民だよ」って言われましたが、
本当にケルナーは北海道の気候に合ってる気がする。
とてもウマイ。

特にこういうドライに仕上がったケルナーは、
道産の野菜にピッタリ合う。
今回は詰め放題100円のジャガイモを、
炭火バーベキューで焼いたものにピッタリ!
ジャガイモの甘さとケルナーの酸が心地よい。

ゾーク(人工コルク)なので、リコルクも楽。
帰ってからも楽しませていただきました。

それにしても、今回の洞爺湖の祭りは旨いものだらけだったな。
美味しい野菜は本当に美味しいし、ワインともよく合う。

良い経験になりました!

ヴィンヤードシリーズ

まずは2017年1月の我が家でのワイン会にて。
同じワインの3ヴィンテージ垂直です。

・ヴィンヤードシリーズ2013
ワイン会のワイン。

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2013~2015の3ヴィンテージを垂直試飲したシリーズ。
結論から言うと、この2013が個人的には一番好きでしたね。

味わいは爽やかだが少々濁りを感じる柑橘。
僕はクリアなものよりは味わいがあり、複雑な方が好きなので、
これはかなりウマイ。

ビン底はかなり濁りが強い。
かすかに果物由来の苦みを感じる。
そこもまた、魅力に思えるな。

ま、完成度が高いかどうかと言われると、
なんというか、この年以降の方が完成度は高いんだろう。
でも、この味わいは個性的で好きだな。

あ、ちなみに、今回のワイン会はワインが多すぎて、
この3本セットは我が家への置き土産となりました(笑)
(ゾーク栓なので、リコルク楽でした)

2度目に開けた時は、ポテトグラタンに合わせて。

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レシピ通りにやったはずなのに、ちょっと焦げた。
味は良かったけどな。
なかなかマッチングしてました~。

・ヴィンヤードシリーズ2014
ワイン会のワイン。

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3本垂直試飲の真ん中です。
ファーストインプレッションは、「あれ?」という感じ。
個性の強い2013、完成度の高い2015に挟まれて、
なんとなく凡庸というか、没個性的というか。
正直、垂直した時は3本中で1番下かな、という感じ。

しかし、1本通しで飲むと、また印象が変わってくる。
香りは今一つだが、味わいは酸がきれいで見るべきものがある。

ワインというのは、一口試飲するだけでは、
なかなか見えてこない魅力というものがある。
ボトルを通して、変化も感じて、
そこで初めて、価値が見えてくるということも結構ある。

2014はインパクトも弱く、目立つ魅力はないが、
そつなく料理に寄り添ってくれるし、
邪魔をしない淑やかさもある。
ワイン単体としてだけでなく、総合的に判断していかないとな。

気づきの多い1本でした。

・ヴィンヤードシリーズ2015
さてさて今日は。
紹介しそびれていたワイン会のワインを。

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藤野ワイナリーの白。
垂直で試飲して、3本めの2015。
今回の3本の中では、最も新しいヴィンテージ。

この3本の中では、最もくっきりとした酸を持つ。
見た目もかなりクリア。わずかに黄色がかかるぐらい。

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最も一般受けしそうな感じがする。
酸が立つので、熟成も聞きそうな感じ。
ライムやオレンジなどの柑橘の印象が強い。

しかし、キレイなワインが一番おいしいとも限らないのが難しいところ。
個人的には、3本の中では濁りがあって個性的な2013が一番だったけど。
ここはやはり意見が分かれるところでしょうね。

年によって出来が違うところもワインの魅力のひとつ。
北海道のような新しい産地は、その変化もまた大きい。
それを再確認した1本でした!

ナカイ・ケルナー2015

さて、原田商店のワイン会4本目。

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藤野のケルナーです。このアイテムは、
我が師匠に垂直試飲をさせてもらって以来、
しっかり記憶してます。
特徴は、ケルナー単一とは思えない複雑さ。

ケルナーはシャープな酸で、
クリアな仕上がりのワインが僕は好きです。
でも、こいつにはそれに加えて、奥深さと言うか、
複雑さやリッチさがある。
それが余韻にとても良い香りを生み出すんですよね。

で、なんでなのかなー、と思ってました。
それが今回、造り手である浦本さんのコメントで分かりました。
いわく、大樽(木樽)とステンレスタンクを併用しているとのこと。

これまた知識シリーズで近々まとめようと思っているんですが、
ワインの熟成をどこで行うかによって、
ワインの味わいはかなり違ってきます。
大雑把に言えば、木樽だと樽香がつき、樽の色合いが出る。
また、前年のワインの残り香や色合いが移ることもある。
複雑になるわけですね。

一方で、樽の香りをわざと付ける
(樽に入れてないのに、木片を袋にいれて香りを移すとか)
手法なんかも流行って、
人工的に感じる人もいます。
逆にステンレスタンクなら、まさにワインの味のみがする。
クリアで、雑味が付きにくい。
その2つのやり方を、このワインのケルナーは、
ほぼ半々の割合で融合させているとのこと。
なるほど。それでリッチでもあり、複雑さもあるのか。
ちなみに、藤野ワイナリーは、
最古のワイン醸造法である、壺(クヴェヴリ)での
ワイン作りにもチャレンジしている。
樽やステンレスタンクとの違い。
そこにも注目ですね。 

藤野ナカイ・ブラン2016

原田商店の有料試飲会4本目。

「ナカイ・ブラン」とカタカナで書くと、
完全にドメーヌ・タカヒコの同名のそれですが(笑)
同じ中井農園のブドウを使った白ワイン。

少し緑のかかった色あい。
少し還元的なヒネ臭を感じる。
相変わらず濁りがあって、僕はそれを魅力に感じるな。

今回もまた、ビン底を頂く(笑)

全く同じブドウを使っても、
ドメーヌ・タカヒコと藤野のワインは全く違う、
おそらく、ブラインドでも間違えないレベル。

造りの違いも大きいな、と感じるこの頃です。

藤野シャルドネMV

2017年原田商店のワイン会5本目。

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ブドウ品種はシャルドネ。ヴィンテージはMV。
マルチヴィンテージの略で、2014と2015が使われています。
シャンパーニュなんかではよく使われる手法ですが、日本では珍しいかも。

味わいはアロマティックな仕上がりで、
酸もあるが、それより豊かな厚みが印象的。
北海道のシャルドネ単一。それがここまで美味いとなると、
今後のシャルドネには期待ですね。ソーヴィニヨン・ブランよりも、
北海道の気候に合うと思うなー。
楽しみです!

あとはチェルボさんの石窯ピザ。
入ってすぐのところに窯があって、そこで焼いてくれる。

ハーフアンドハーフで2つの味が楽しめる。
焦げ目まで美味しいピザでした~。

藤野シャルドネ2016

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2019年3月に試飲。

シャルドネと聞いてイメージする朗らかさとか、
明るい雰囲気とは少し違った味わい。
どちらかというとツンとした硬質な感じ。
しかし、海の幸と併せるとうまく合うんだ。
ヘリテージ後半戦、
ホッキとワカメのしゃぶしゃぶにドはまりして、
白にはほとんどその料理を合わせて食べていたんですが、
こいつは最高に合うペアリング。

ツンとした雰囲気とほのかに甘い料理。
対極なんだがマッチングする。
面白いペアです。

ラ・メール

ラ・メール2017

原田商店試飲会のワイン。

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ミュラー、ケルナーがメイン。そういう意味で、北海道らしいワイン。名前のラ・メールはフランス語で「海」。「北海道」から一語を取って名付けたとか。
味わいもさわやかな果実味と、軽い酸の相性がとても良い。
和食との相性も良さそう。
次は食事と合わせてみたい1本。

甕 ケルナー

甕 ケルナー2016

農楽蔵を飲んだ後、
すれ違いざまに知り合いから「藤野なくなりそう」と教えてもらい、
あわててクヴェヴリのワインを飲みに藤野のブースへ。

まずはケルナー。
醸しが入って、オレンジワインの造り。
にしても、オレンジが強いな(笑)

見た目に反して、味わいはすごくクリア。
ケルナー的な香りは控えめ。
オレンジワイン的な味わいも、まだ弱め。
これ、もうちょっと置いておくとどうなるんだろ?
これからの変化の方が気になる1本。

しかし、手に入れてないからな~。
来年のこのイベントでも出してくれないかな。
経年変化が楽しみになるワインでした。

MAYA

MAYA2014

さて、原田商店のワイン会3本め。

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泡が3連発になりますが、マヤです。
名前は女性の名からとってあります。
その名前の通り、ワインも非常に女性的。

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裏エチケットにあるとおり、
ツヴァイやメルロー、ピノといった、黒ブドウを使っています。
シャンパーニュ風に言うと、
ブラン・ド・ノワール(黒ブドウでできた白ワイン)です。

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白とはいえ、果皮の色が出ているので、
ワインの色合いはピンクゴールドです。
美しい。

味わいは非常に面白いです。
香りは思ったより感じないんですが、
味わいは酵母由来の「旨み」を感じます。

複雑さと苦味が、果実味に厚みを与えているんでしょう。
カワイイ見た目と裏腹に、内面は深いようです。

ただ、熟成を待たないと本領は発揮できないようで、
2014のこのワインが、リリースしたところです。
つまり、通常のワインよりも2年は長く待たないといけない。

でも、それだけの価値はある。
しかも、そこまで売らないというのが、
ワインメーカーとしての矜持を感じます。

文句なく、素晴らしいスパークリングです!

マヤ2015

2020年11月。

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ワイン会で飲んだワイン。
乾杯の泡です。
藤野ワイナリーの「MAYA」。
2015年縛りの会だったので、スパークリングも2015です。
熟成の雰囲気が出てきていて、かなり良い雰囲気。
酸が強いけど、円くなりつつある気配がとても良い。
普通、スパークリングは気持ちを上げてくれるものだが、
こいつは高ぶる気持ちを少し諫めてくれるような感じ。
落ち着いて、地に足付けて。
そういう乾杯の泡っているのも面白いな~。
良いワインでした。

赤ワイン

エルクの森・セパージュ

・エルクの森・セパージュ2013

2015年の1月。
ようやく奥さんが大阪出張より帰還、ということで、
千歳空港でお土産として買ってきてくれたワインを開けることに。

料理は最近のマイブームの手作りハンバーガー。
玉ねぎ、ピーマンニンニクをみじん切りにしてミンチと混ぜ、
油なしで焼き上げたものとチーズとピクルス。
味付けはマヨネーズ、マスタードとケチャップ。簡単。

札幌に住んでいたことはバンズが無かったのでできなかったが、
北広島では近くのマックスバリュで手に入る。
バンズさえ手に入れば、きわめて簡単でおいしい料理。
フライパンでバンズの内側に焼き目をつけるのがコツで、
これを食べるとマク〇ナルドなんて食えない。
(何かが混入する心配もないし)

ってなわけで、手作りハンバーガーと、
ポテトの代わりに「ユリ根の焼いたの」、
そしてスティックブロッコリーとその他もろもろで乾杯。

藤野ワイナリーの「エルクの森」シリーズのセパージュ。
余市のツヴァイゲルトが71%、三笠市達布のメルロー24%、
余市産のヤマブドウ5%というブレンド比率。

かなりのライトボディで、アルコール度も11.5度と低め。
開けてすぐグラスに注いだ印象は、
酸がかなり前面に出てること。
ヤマブドウは5%だけど、存在を感じさせてくれる。

ハンバーガーには、かなり合ってよかった。
こいつに合わせるときはマスタードとケチャップを控えめに。
その分、肉の塩コショウを強めにするといいかも。
ユリ根との相性も最高に良い。
高級食材だもんで、そうそう合わせるというわけにも、
という感じですけどね。

そして本領発揮は3時間後ぐらいから。
しばらく置いておくと、酸も丸まって、芳醇さが出てくる。
まだまだ開いていく印象だったので、
食事の前、数時間は開けて置いておくといい。
(我慢できなくて、さらなる変化を待たず、
 飲み切ってしまった…)

メルローの味わいがあるからか、
個人的にはかなり好きな種類のワインでした!
ツヴァイゲルトは好きじゃないはずなのに、
このワインはとてもおいしい!
リピート買いしたい1本!

甕 ヤマブドウ

甕 ヤマブドウ2016

クヴェヴリの2本目。
ブドウ品種はヤマブドウ。

「ヤマブドウ」と聞いてイメージする印象そのまんまの、
強いタンニン、酸の攻勢。
これは一口飲んでぶったまげたな。
余韻なんて言うものじゃないですよ。
圧倒的な印象、消えない味わい。

数多くテイスティングする、今回のようなイベントでは、
序盤に攻めるべきワインではなかった(笑)

慌ててパンを取りに行って、
味覚のリセットを試みるも、この印象は容易には消えない。
しばらく、一緒にいました(笑)

ヴィンヤード・シリーズ・ピノ・ノワール

ヴィンヤード・シリーズ・ピノ・ノワール2011

2017年に試飲。

ピノ・ノワールのワイン会9本め。

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藤野ワイナリーの2011です。
色は薄いが、強く濁りがかかっている。

ブラインド・テイスティングのコメントは以下。

「まだ発泡がある!さわやかな味わい。思ったよりも軽い」

プチプチと、6年経った今でも発酵が続いている。
とはいえ、これは狙ったつくりじゃないだろう、ということで。
点数は10点満点で6点-(マイナス)。好みは14本中最下位。

いや、要素としては面白いんですよ。
濁りも、ワインに複雑さや芳醇さを与えることがあるし。
ただ、これではあまりに個性的過ぎる。
ピノ・ノワールらしさというのも、あまり感じられないのが残念。

藤野ワイナリー、好きなんですけどね。。。

あ、ちなみにコレは当てました。
以前飲んだ藤野との共通点があったので。
垂直させてくれた我が師匠に感謝ですね~。

ヴィンヤード・シリーズ・ピノ・ノワール2011

さて、ワイン・ヘリテージのラストの1本。

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藤野ワイナリーのピノ・ノワールの2015。
最後に何を飲むか迷ったのですが、
やはりピノ・ノワールで締めくくりたいという思いがあって。

ボトルの最後だったので、結構オリが立ってました。
でも、結構飲んだラストなので、
それがまた心地よく、味わいが分かりやすくて良かった。

繊細さはないが、逆に主張が強くて好きだ。
様々な道産ワインのラストとして、ふさわしい1杯でした。

多くのワイナリーがピノで成功し始めている。
北海道のワインが、日本中に広まっていけばいいな。
そんな思いを新たにしたイベントでした!

藤野ピノ・ノワール2015

原田商店のワイン会の6本め紹介。

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藤野のピノ・ノワール。

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ピノ・ノワールの要素は強めに出ている。
ピノらしい印象。
個人的には儚くておぼろげなピノも好きなんだけど、
こういう分かりやすいピノも良いな。
あまり肩ひじ張らずに楽しめる感じ。

ブルゴーニュのピノというよりは、
どちらかというとロワールのピノに近い印象がある。

目鼻立ちくっきりの、人懐っこいピノです。

肉に合わせたりしても良いと思うし、
個人的には今回のチェルボさんのアイスとの相性も良いと(笑)
こんなこと言ったら怒られそうだけど。
ピノの後にアイス、美味しかったなぁ~(笑)

藤野ピノ・ノワール2016

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2019年3月。

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ピノを連続試飲していたが、 これは香りが別格だわ。
ピノらしいエレガンスが感じられる。
アタックと酸、果実味のバランスも良い。
40種以上の連続試飲なので、 基本的には吐器に出してましたが、
これは思わず飲み込んでしまう美味さ。
力のあるピノです!

キャンベル・サンスフル2016

さて、原田商店のワイン会の最後。

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ブドウ品種はキャンベルです。
生食用のブドウだということもあって、
独特のキャンディー香があります。

とはいえ、嫌味な感じではなく、可愛らしい感じになる。
料理と合いそうな感じが良いですね。
イメージ的には、ミートソースに合いそう。
ナポリタンなんかもよさそう。

生産者の方との距離が近くて、
たくさん話もできて良かった~。
そろそろサイシンヴィンテージもリリースが始まる。
楽しみですね~。

キャンベル・サンスフル2019

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奥さんの仕事が休みなので、奥さん実家に泊まり。
コイツは持参ワイン。
キャンベルをどう仕上げるのか気になって。
藤野は軽めに仕上げるんですね。
気持ち微発泡、酸残しめ、アルコール度低め。
軽めできれいにバランスがとってある。
サンスフルでかすかに濁りを感じる。
うん、これは結構ウマイ。
なかなか良い感じのキャンベルです。

アッシジのフランシスコ2016

2018年8月の原田商店の試飲会ワイン。

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さっぽろ藤野ワイナリーの作品。ブドウ品種はセイベル。
香りも、まさにセイベルという印象。
他の北海道で作られたセイベルのワイン
(キトウシとかヲソキナイノルビーとか)よりも
野性味を強く感じる。


酸には少しトゲがある。
タンニンも強めの主張。
でも、これの方が本来のイメージな気もする

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うーん、色んな表情を見せるな。
セイベルという品種は。
今度は同時に飲み比べてみたいなー。

みきのほとりルージュ

みきのほとりルージュ2017

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2019年3月試飲。
うん、これは想像以上に美味いワイン。
目星をつけていたワインを一通り飲んだと思って、
気を抜いてこいつに出会ってなかなかびっくりだ。

力があって、飲みつかれた頃合いでもしっかりアピールしてくる。
これはぜひ、もう一度ボトルで付き合ってみたい1本。
今回は肉と合っていたが、いやいや魚介とも試してみたいなー。
藤野ワイナリーは注目株ですね。

さねんころ ロッソ

さねんころ ロッソ2017

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以前「ももいろロゼ」は飲みましたが、
今回は初挑戦の赤(ロッソ)。

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ヤマブドウらしい我の強さがみられる。
容易に他人に合わせたりしない力強さ。
クセの強い食材と合わせるとうまくいきそう。
単独で飲んでいると「ロゼ」よりは飲みつかれる。
何が良いかな~。
少しとげがあるので、それを丸めてくれるチーズなどどうか。
チーズ単品では少しあたりが強いので、
パンの上に炙って溶け始めたチーズをのせて、とかどうだろうか。
いろいろ試してみたくなる1本。

訪問記

2016年に訪問。

上の写真がワイナリー兼ショップ。
とても小さくて、2度も通り過ぎました(苦笑)。

ちょうどスパークリングの瓶詰直前のタイミングで、
瓶の入った段ボールが山積み。
ちょっと入りにくい雰囲気でした。
左がショップで、右が醸造所。
どちらも、かなり小ぢんまりしています。

奥にパークゴルフとレストランがあり、
山裾に葡萄畑があるとのことです。
札幌から30分弱ですが、山の方に入ると田園風景。
今はシーズンオフなので、畑の方にはいきませんでした。

この藤野ワイナリーの歴史は2000年から。
標高220m、南向きの斜面での葡萄栽培。
土地や気候に合う品種、栽培方法を試行錯誤して、
シャルドネ、ピノ・ノワール、キャンベル、山ブドウ、
ナイヤガラ、ポートランドなど約1500本を栽培。
2009年の秋から、ワインをリリースしています。

藤野のワインの特徴は、

①丁寧な選果
②自然酵母による発酵
③ごく少量の亜硫酸添加
④無濾過

とのこと。
現在のオーナー姉妹の無くなった弟さんが、
「できるだけ農薬を使わずにブドウを栽培し、
 体にいいワインを作ってみたい」
とスタートしたのが始まりとのこと。
現在でも亡くなられた弟さんの遺志を継いで、
ビオに近いスタイルを貫いているそうです。

飲むのが楽しみですね~。

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これまでのまとめ~マオイ自由の丘ワイナリー~

はじめに

うちからもっとも近くにあるのが、長沼町のマオイ自由の丘ワイナリー。
所有者が替わって、栽培や醸造の担当も若手になっています。
2019年は、3人そろっているところに訪問できて、いろいろ話せて楽しかったです。

話の中身はもちろん苗木です。
これから植えたい品種の話は、やはり夢が膨らみますね。
「無理だ」って言われている品種でも、分かんないですよ。
温暖化の影響もあって北海道の地でも育つようになっている品種は増えているし、
台木との相性次第では成功する品種も増えるかもしれない。
そのお手伝いができれば言うことないですね。

スパークリングワイン

澪標(泡)

澪標(泡)2018

夏前にスパークリングがあるのはやっぱ良いよね。

ナイアガラの白とオレンジを混ぜてあるとのこと。
うん、オレンジ的苦味がしっかりあって、存在感を主張している。
今日みたいな暑い日にはこういう酸強め、泡強めなのが良いな。
や、なかなかお気に入りの1本ですよこれ。
「夕顔」もよかったが、これも「買い」な1本です。

花散里(泡)

花散里(泡)2018

疲れた日は焼肉。
家でやると安上がりだしな。
合わせたのはマオイの赤の泡。
先日のバーベキュー&ランブルスコが、思いの外よかったので。

マオイの花散里。
赤ワインのテイストそのままに、発泡性にしてある。
酸が強く、渋味も強い。
キンキンに冷やしたが、それでも主張は強め。
焼肉のたれと相性が良いかも。
ゴマ油&塩くらいでは負ける。
強い料理と合わせて。

白ワイン

澪標

澪標2017

7月のワインアカデミーの懇親会の1本。

マオイ自由の丘ワイナリーの澪標(みおつくし)。
マオイワイナリーは経営者が替わって、
名称も変わりました。

ナイアガラ特有のラブラスカ香がしっかりある。
しかし味わいは甘ったるくなく、すっきりしている。

造りとしては最近の流行を意識した透明感のある造り。
この醸造法で、マオイの山葡萄をワインにするとどうなるのだろう?
そんな期待感が高まる新生マオイのワイン。
これからが一層楽しみです。

2度目に飲んだ感想は以下。

うーん。注いだ瞬間に少しびっくりする色あい。
ジャスミンティーくらいの色合いになっています。
もちろん熟成によるものではない。
味わいはナイアガラの軽やかさはありつつも、力強い渋味や酸も見受けられる。
それが全体を引き締めて、非常に良いアイテムに仕上がっている。
野心的な造り手が、北海道のワインをどんどん変えていく。
まさに春の萌芽のような、小さい中に力強さを感じるワイン。
うん、また見つけたら必ず買おう。

赤ワイン

花散里

花散里2018

岩手のヤマブドウを使用した赤。
第一印象はやはり野性的。
つかみかかってきそうなアタックと土っぽい香り。
奥に果実の印象もしっかりあるので、
タンニンや酸が落ち着けば、果実感が前に出るかも。

数年置いて楽しむとよさそう。

帚木

帚木2017

「ははきぎ」です。
マオイ自由の丘ワイナリーは漢字2字の名前なんですね。
そして「源氏物語」に由来している。

余市のキャンベル。ラブラスカ香は強いが、
その奥にしっかりとした果実感がある。
ワイルドベリーのような力強い酸。
ライトな色合いに似合わぬアタック、力強さがある。

スーパーで手に入るところも、
これまでのマオイワイナリーとは一味違う。
こいつは中庸を旨とするワインだった。
さて他のアイテムにはどんな個性を持たせるのか。
ワクワク感のあるワイナリーです。

2度目に飲んだのは冬。感想は以下。

キャンベルっていうと、楽器ならピッコロのように、
ロゼとかで可愛く仕上げるパターンが多い。
そんな中、こいつはどっしりと力強い力士系の赤。
といっても重厚感というよりは、荒削りな酸と、
野性味のあるスパイシーさという感じ。
(あれ?裏エチケットのコメントと違うな…汗)

雪が降り始める時期に、
薪ストーヴの火を眺めながら飲みたい感じ。
体を温めてくれますよ。

空蝉

空蝉2017

最寄りのマオイ自由の丘ワイナリー。

キャンベルらしいラブラスカ香がある。
甘くゆるいキャンベルと、
強くパワフルなヤマブドウ系の岩松という品種、
この2つを合わせてしまうというのはなかなか面白い。

旧・マオイ時代よりは飲みやすいワインが多いな。
さてさて、どんなワインを作っていくのか。
これからが楽しみなワイナリー。

2度目に飲んだ時の感想は以下。

源氏物語から取った空蝉と言う名前も良いな。
味わいは柔らかな甘さの中に力強さと荒々しさがある。
このバランスを間違えると今一つになってしまうが、
このアイテムは絶妙なバランス感覚。

気持ち「ワイルドさ」が先行している気配もあるが、そこは個性。
僕もがめつくワイルドに最初の5年を生き抜いていくぞ。
やることは無限、時間は有限。
効率よくいろいろやりきっていきます!

花宴

花宴2018

当時まだエチケットが貼られていなかったので、この姿。
山ソーヴィニヨン100%とのこと。
新生・マオイ自由の丘ワイナリーはワイン名が源氏物語に由来。
これも「花宴(はなのえん)」という名前。

ヤマソーは興味がある品種。
ヤマソーはヤマブドウの血が濃いように感じる。
アタックは強く重く、ややガサガサした舌ざわり。
アッセンブラージュするか、あるいは熟成させるか。
もうすこし円くなってくると面白そう。
今後が楽しみな1本。

紅葉賀

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2019年6月。
最近、ちょこちょこ長沼を訪れるので。
ついでと言ってはなんですが、ワインも購入。

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まだ飲んだことのない「紅葉賀(もみじのが)」です。
バックヴィンテージと新しいヴィンテージをブレンド。
共にヤマブドウということもあって、なかなかに力強い。
濃く、重く、パワフルと言ったところ。
それでいて、ヤマブドウ独特の酸も強くある。
今回は単独で飲んでしまったけど、
夏ならトマト料理とかと合わせたらどうかな~。
ミートソースとか。
トマトの酸味とマッチしそうな気がする。
今度、試してみよっと。

夕顔2018

2019年3月。

果実酒研究会の試飲会ワイン。

IMG_6819

マオイ自由の丘ワイナリー。
会社は北海道自由ワイン株式会社。
キャンベル99%にヤマブドウが1%。
なかなか面白いセパージュ。
この1%がどんな仕事をするのか。


キャンディー香によるキャンベルらしさ。
その中に強さがある。
1%でもヤマブドウのパンチはあるな。
強めの、しっかりしたロゼ。

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栽培知識~接ぎ木の基本~

農文協の本は専門的で勉強になるんですよね。
内容を要約しておきたいと思います(備忘録として)。

以下、左1マス空けは引用部分。

①接ぎ木とは
ワイン用のブドウはヨーロッパ系の品種がメインですが、
これらの品種はアメリカからやってきた「フィロキセラ」という虫に、
まったく耐性がないので、絶滅の恐れがある。
だから、耐性を持つアメリカ系の台木(根の部分)に、
味わいの優れるヨーロッパ系の穂木(枝葉の部分)を接ぐわけです。

でも、なぜ2つの木がくっつくのか?

ブドウもそうですが、樹木というのは、

形成層と呼ばれる細胞分裂が行われる部分が、
年々、外側へ外側へと塗り重ねるように肥大していきます。
(これが年輪になるわけですね)

この形成層は、傷がついた場合、それを治すために、
癒傷組織(カルス)が作られる。

このカルスが作られる前に2つの樹木をつなげておくと、
カルスから連絡形成層が作られ、維管束が連結します。
これで、もともと違う個体だった2つの植物が、
1つの植物になってしまうわけです。
植物ってすごいな~。

この接ぎ木のために、良い条件の台木を育てる必要があるわけです。

②活着力・発根力の強い枝を育てる。
 接ぎ木や挿し木に最適の穂木は、
 前年春に伸長開始し、今冬に休眠に入った一年生の休眠枝である。

 落葉果樹の場合、晩秋に活動が止まり、
 夜間の気温がマイナスになり始めると自然落葉して休眠状態になる。

 このように早めに活動が止まり休眠に入ったものは、
 皮部が硬化して、樹種固有の色に変わっており、
 デンプンや糖分などの貯蔵用分を多く蓄えていて充実な枝である。
 接ぎ木・挿し木後のカルス形成力が強い。

 晩秋になっても活動が止まらず、
 おそくまで落葉せず、緑色のままの枝は窒素が多く
 デンプンや養分の蓄積が少なく、軟弱なため、
 凍害などにも弱いし、
 接ぎ木の活着、挿し木の発根後の生長が劣るので適さない。

③充実した枝・芽ができる位置
 1本の樹の中では、充実した枝は日当たりのよい位置に発生し、
 節間が徒長せずに詰まり気味で、
 ずんぐりした形をしており、芽が大きく育っている。

 一方、日陰の枝葉芽が小さく、
 太い基部に比較して先端部の太りが悪いことが特徴である。
 また、細い枝には貯蔵用分も少なく、接ぎ木や挿し木の生長が劣る。

 また、接ぎ穂や挿し穂には、花芽の着いていない、
 葉芽の充実した1年生枝が適している。
 花芽を着けて節間の短くつまった枝は、伸びる力が弱いからである。

 先端付近に花芽がある枝や、基部の葉芽が小さく弱い枝を使う場合は、
 先端部や基部を切り除いて、充実した葉芽の多い中間部位を用いる。

④よい穂木を採る母樹の管理
 幼弱相の部位から発生した枝は発根力が優れるが、
 枝は徒長しやすくなる。
 中間相を示す部位から発生した枝は、
 芽の充実がよく、成長力と発根力を兼ね備える傾向がある。

 多量の接ぎ穂や挿し穂に使う場合には、
 穂木採取用の母樹を育てて、
 毎年切り詰めて新梢を発生させて用いる。

 この場合、樹が幼若相の状態になり徒長しやすいので、
 充実した芽の着いた穂木を得るためには、
 枝に十分光が当たるような管理、
 チッソ肥料を過剰に与えないことなどが重要になる。

⑤休眠枝の穂木は、発芽と乾燥を防ぐ
 落葉果樹の休眠枝では、発芽する際に枝の中の貯蔵用分が使われる。
 そのため、発芽を始めた休眠枝を穂木に用いると、
 貯蔵養分が発芽過程で消耗してしまい、
 カルス形成に必要な養分が不足して接ぎ木部の活着が劣ると考えられる。
 穂木は発芽前に接ぐことが重要になる。

 また、樹木の茎や枝は、切り口など傷ついた部位が乾燥すると、
 カルスを形成しなくなる。
 したがって、穂木用の休眠枝の貯蔵では、
 発芽を抑制することと乾燥させないことが重要になる。
 接ぎ木直前に切った穂木を接ぐ場合でも、
 穂木を湿った布などで包んで乾燥を防ぎながら接ぎ木作業をすると、
 カルス形成がよくなる。

⑥接ぎ木活着後のケア
 接ぎ木後、穂木と台木から新梢(台芽)が発生して伸長する。
 穂木の新梢を良く伸ばすために、台芽は小さいうちにかき取る。
 台芽が伸びすぎてから一気に切り取ると、生育不良や枯死を招きやすい。
 生育中にこの作業を数回繰り返して行う。

 穂木の新梢は葉を増やしながら光合成を行って、
 糖分や発根促進物質を台木に供給する。
 穂木から数本の新梢が発生した場合は、
 1本を残し切り取る。
 新梢が3~5cmに伸びた時期が、穂木の新梢整理の適期である。

さて、このような接ぎ木において、
重要なのは台木品種の繁殖ということになる。
なぜなら、穂木は販売先(ヴィンヤード、ワイナリー)のものを使えるが、
台木は販売数分必要だからだ。

では、台木品種はどのようにして増やすのか。

①挿し木とは
前述のカルス形成によって、枝を土に挿しておけば、発根する。

 挿し木の方法には、挿し床の場所や装置によって、
 露地挿し、温床挿し、ミスト挿し、密閉挿し、密閉挿しなどがある。

 また、挿し穂に用いる植物体部位によって、
 枝挿し、葉挿し、葉芽挿し、根挿しなどに分けられる。
 枝挿しは、休眠枝挿し、半熟枝挿し、緑枝挿しなどに分けられる。

 「休眠枝挿し」
 挿し穂には発根力の優れる1年生枝を用い、
 挿し穂の採種時期は休眠期(発芽前)が適する。
 多くの樹種で発芽前の休眠枝を10~20cmに切って、
 上部の1~2芽が地上部に出る深さに挿し木する。

②芽・葉と根の協力関係が大切
 挿し穂の発根には、
 芽(成長点や幼葉)で合成されるオーキシン(IAA)や
 葉で合成された発根促進物質が必要で、
 発根しやすい樹種では、それらの物質の供給が多いと言われる。

 休眠枝を挿し木した場合、
 挿し穂から伸びる葉を除去したり、葉を摘み取ったりすると、
 発根が抑制される。

 その理由として、芽を除去した挿し穂の発根部位では、
 オーキシン濃度が低下していることが知られている。
 オーキシン作用のある発根促進剤の処理で効果が得られるのは、
 このような仕組みによる。

③発根のサインは「再発芽」
 樹種、地温、気温などで異なるが、
 落葉果樹の休眠枝砂嘴では、挿し木後50日~60日から、
 挿し穂の基部に形成されたカルス内で根源基が発達して発根が始まる。
 そして、発根開始と共に、新根が吸収した養分によって、
 身長停止していた新梢の先端が再び伸び始める。
 したがって、新梢の再発芽が発根のサインである。

 以上から、挿し床の水管理は、発芽して新梢が伸びている間は
 土が乾かないよう十分に灌水し、新梢が身長停止し、
 発根の始まる時期は灌水を控えめにして、酸素供給をする。
 根の出る時期に水が多すぎると発根が劣り、根腐れも生じやすいからである。

④挿し木の時期
 挿し木の発根に適した床温は、多くの樹種で18度から25度の範囲であり、
 15度以下や30度以上では発根が劣る傾向がある。
 露地での挿し木は地温が上昇する春が敵機である。

 休眠枝挿しでは、芽の充実した1年生枝を発芽前に切り取って挿し木する。
 そのため、発芽直前が敵機であるが、
 挿し穂を休眠期に切り取ってポリ袋やビニール袋に入れて密閉して冷蔵しておけば、
 5月頃まで挿し木が可能である。

 なお、温室、温床、温熱マットを用いれば、
 気温の低い時期の挿し木が可能である。
 この場合は挿し穂の休眠は破れていること
 (休眠打破に必要な低温に遭遇した後)が重要である。

⑤発根を促進する作業
 発根促進剤の効果は樹種によって異なるが、
 処理方法には低濃度溶液に挿し木基部を長時間(14~22時間)
 浸漬する方法、高濃度溶液に瞬間的に浸漬する方法、
 粉剤の粉衣処理などがある。

 挿し木前に、挿し穂に十分に吸水させる。
 ただし、枝の中の貯蔵養分の流失を防ぐために、
 給水は1時間程度にとどめる。

 挿し木作業の際は、箸や細い棒などで床に穴をあけて、
 挿し穂の基部を傷つけないように差し込むなどの注意も必要である。

⑥挿し床の水・交戦・温度の管理
 挿し木床は、挿し穂の給水と蒸散のバランスが保たれ、
 葉の光合成が高まって光合成産物や発根促進物質が、
 挿し穂の基部へ充分贈られるように管理する。

 第一に、根のない枝を挿して発根を促す挿し木繁殖では、
 床土の水の保持が最も重要である。
 「初期の発芽時はたっぷり、発根が進むときは水を控えめに」
 を基本にして、定期的に水を補給する。

 水に含まれる塩類が1400ppm以上の濃度になると根の発生や
 生育が阻害されるので、水質に注意する。

 気温や床温の上昇や蒸散による挿し穂の乾燥を防ぐためには、
 遮光が効果的である。
 ヨシズや寒冷紗をかけ、ハウスのすそ上げ換気などによって
 温度上昇を抑える。

 ただし過度な遮光は光合成を妨げ、発根に悪影響が出るので、
 20から30%の遮光にとどめる。

⑦無肥料でスタート、芽の伸びが再開したら施肥
 挿し木床に肥料分が多いと、浸透圧で挿し木の切り口から
 水分が逃げやすく、また新根が濃度障害を受けやすくなる。

 箱挿しなどの場合には、無菌で肥料分の無い資材
 (パーライト、バーミュキュライト、鹿沼土、ピートモス)
 を混合して用土を作ると良い。

 施肥のタイミングは、休眠枝挿しでは、いったん生育停止した、
 新梢が再発がする時期である。
 挿し穂全体の60%ほどが再発芽や発芽したら施肥を行って、
 挿し穂の生長を促す。

 ただし濃度障害に注意が必要で、緩効性の固形肥料を用いるか、
 薄く希釈した液肥を数回に分けて与える。
 寒冷地では、チッソの遅効きによる冬季の凍害を回避するため
 9月以降は施肥をしない。

ふう。なかなか有用な記述が多く、
引用するのにも骨が折れました(笑)

ちなみに、種から育てる場合は、
5度の低温に90日間で休眠打破できるらしい。
来年、試してみよう~。

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栽培知識〜ブドウの病害虫・害獣・生理障害一覧〜

いくつかの資料(記事末に付記)をもとに、
ブドウに被害を与えるものをまとめてみました。
防除に関しても記事をまとめたいところ。

最近では生物防除にも注目が集まってます。
生物防除の利点は下記。
①自然界に存在する微生物を利用するため、
 環境負荷が小さい。
②宿主特異性が高く、標的病原菌が明確であり、
 多重散布が防げる。
 (例:バクテリオシンによる抗菌活性)
これもまとめたい。

ともあれ、以下が一覧です。

●ブドウの病気
①つる割れ細菌病(Bacterial blight)
・病原:細菌(Xylophilus ampelinus
・発病部位:葉、新梢、果穂、果実
・発病時期:多雨が続いたとき
・発病しやすい条件:多雨・多湿
・発病の様子:
 葉に葉脈で囲まれた淡黄色の小斑点が現れ、
 やがてハローを伴う褐色の病斑となる。
 多数の病斑が融合すると枯れ上がる。
 新梢では数mm~5cm程度の黒褐色の条斑が発生し、
 やがて表皮が割れてつる割れ症状となる場合や、
 褐色のかいよう症状となる。
 花では花弁が黒変枯死。
 果実(ケルナー)では黒褐色で円形の
 かいよう症状が現れ、裂果する場合も見られる。
・対策:
 開花期前後の散布により、花穂の腐敗率を低減。
 翌年の越冬芽における保菌割合も低減される。
 薬剤は以下。

 塩基性硫酸銅水和剤(銅32%)800倍
 (炭酸水素カルシウム水和剤100倍加用)
 1樹あたり0.6~1.5リットル(120~300リットル/10a)
 3~4回、10日間隔で散布。

・詳細
 2009年に北海道の醸造用ブドウで初めて発生、
 2014年には秋田県の生食ブドウでも発生が確認された。
 つる割れ病(病原はカビ:Phomopsis viticola)と混同されやすい。
 ヨーロッパ系ブドウ、およびその交雑種のみに病原性。
 剪定などにより生じる傷口から感染、風雨を伴うと伝染しやすい。
 本病が古くから発生している地中海沿岸地域では、
 冷涼で降雨の多い条件が必要。
 露地で高湿度が維持される多雨条件となった場合には
 発生に注意する。
 病原細菌は欧州から道内に伝播したと考えられるが、
 2009年の発生時はツヴァイゲルトやケルナーなど
 ドイツ原産の樹で確認された。
 本来は温暖地域(地中海沿岸、南欧)で発生する病害で、
 北海道への伝播経路も発生理由も不明(2018年現在)。
 道内主要品種は感受性が高い。
 ツヴァイ、ミュラー・トゥルガウ、セイベル5279、
 セイベル13053、ケルナーなどは注意。

②ブドウ根頭がんしゅ病(Crown gall)
農研機構の生物防除関連の発表はこちら→(リンク
・病原:細菌(Rhizobium vitis ,R.radiobacter)
・発病部位:幹
・発病時期:7月上旬~9月上旬
・発病しやすい条件:
 凍害を受けた樹は発病しやすい。
 発病した母樹から採取した穂木は感染している。
・発病の様子:
 主幹に表面がカリフラワー状のこぶを形成する。
 他の樹種では、こぶは地際部付近のみに形成するが、
 ぶどうの場合は主幹の至るところに形成する。
 発病後は樹勢が低下し、やがて枯死する。
・対策:
 無病苗を栽植する。
 樹体に傷をつけないように管理する
 (組織の傷口から感染するため)。
 デラウェアはこの病気に強く、ほとんど発病しない。
 非病原性ウイルス(VAR03-1)による生物防除も登場。
 罹患したが発病しなかった株を授与すると、
 こぶが小さくなるというもの。
 トマトやバラなどよりも実験結果は良く、
 ブドウでは91.8%の成果があった。
・詳細
 北海道での1999年の研究によると、
 余市で6園地758本中153本の発病。発病樹率は20.2%。
 全体でも17園地4403本中653本の発病。率は14.8%。
 という結果が出ている。

③灰色カビ病(Botrytis bunch rot)
・病原:カビ(Botrytis cinerea)
・発病部位:花、果実
・発病時期:開花期、成熟期
・発病しやすい条件:
 多湿条件で発生しやすいため、排水不良園で発生が多い。
 開花期前後が多雨のとき花穂で、
 夏から秋にかけて多雨のとき果実の発病が増加する。
・発病の様子:
 主に開花期前後の花穂と成熟期の果実に発生する。
 花穂では花、果梗、穂軸が褐色となって腐敗する。
 成熟期の果実では裂果した果実を中心に褐色に腐敗し、
 灰色のカビを生じる。
・対策:
 園地の排水を改善し、過繁茂は避けて通風をよくする。
 開花期から予防的に薬剤を散布する。

④晩腐病(おそぐされ/ばんぷ)(Ripe rot)
・病原:かび(Colletotrichum acutatum、不完全菌類・
        Glomerella cingulate、子のう菌類)
・発病部位:葉、果実
・発病時期:幼果期~成熟期
・発病しやすい条件:
 多雨条件で多発する。
 春先の降雨で枝が濡れ、
 平均気温が15度ぐらいになると胞子を形成。
 雨滴によって伝染する。
・発病の様子:
 葉に褐色の小型病斑を多数形成し、
 やがて病斑は融合し大型化する。
 幼果に発病すると小さい円形、褐色の病斑を形成、
 病斑部はへこむが、果粒軟化期までは拡大しない。
 その後、果粒の糖が増加し、酸が減少してくると、
 腐敗型の病斑を形成する。
 病斑上にはサーモンピンクのネバネバした胞子塊。
 病斑が拡大すると果皮にしわがより、
 やがてミイラ果となる。
 病斑は不明瞭で他病害との識別が困難な場合が多い。
・対策:
 芽出し前(休眠期)と生育期に薬剤を散布する。
 伝染源となる結果母枝や果梗の切り残し、
 巻きひげなどを取り除く。
 果房に雨滴を当てない工夫(カサかけなど)を行う。
・詳細
 本州のみの発病と思われていたが、
 近年、北海道でも発症が確認されている。
 (2010年奥尻でも)
 病原菌は結果母枝や果梗の切り残し、
 巻きひげなどの組織内で菌糸の状態で越冬する。

⑤黒とう病(Anthracnose Bird’s eye rot)
・病原:かび(elsinoe ampelina)
・発病部位:葉、果実、新梢、巻きひげ
・発病時期:7月上旬~
・発病しやすい条件:
 生育前半に雨が多い年は発生が多く、特に6月中旬~7月上旬に
 冷たい雨が多いと多発する。
 欧州系の品種で発生が多い。
・発病の様子:
 葉では、葉脈上に直径2~5mmの病斑を生じ、
 病斑は古くなると穴が開きやすくなる。
 病斑が多くなると葉がゆがんだり巻き込んだりする。
 果実では、初め黒褐色円形の小斑点を生じ、
 のちに拡大して中央部が灰白色、
 周辺部が鮮紅色~紫黒色の陥没した病斑になる。
・対策
 発生すると薬剤で止まらないので、予防する。
 萌芽直後~7月中旬まで薬剤散布を行う。
 窒素肥料の過多による軟弱徒長を避ける。

⑥べと病(Downy mildew)
・病原:かび(Plasmopara viticola、べん毛菌類)
・発病部位:葉、果実(果梗を含む)
・発病時期:開花前~果実成熟期
・発病しやすい条件:
 発病適温は22~25度で、7月、8月が多雨であるとまん延しやすい。
 曇雨天が続く年には大発生する。
 欧州系品種はアメリカ系品種に比べ弱いため発病が多くなる。
・発病の様子:
 葉が主体、まれに果実や新梢、巻きひげにも発生する。
 葉では、初め不明瞭な病斑が現れ、後に葉脈に囲まれた
 角形病斑となる。葉裏には純白色のカビが生じ、
 激発すると葉が黄化して落葉する。
 ウドンコ病に似ているが、毛足が長いのが特徴。
 花穂や幼果に発病すると壊滅的な被害となる。
・対策:
 薬剤(ボルドー液)による防除を行う。
 開花7日前~落花10日後が発生しやすい時期。
 生育期の防除開始時期が極めて重要。
 展葉5~6枚で予防散布を行う。
 この予防が遅れると、花穂や幼果が被害を受ける。
 本州だけでなく、北海道でも薬剤耐性菌が登場。
 薬のローテーションに気を使う。
・詳細
 病原菌は落葉の組織内で卵胞子の状態で越冬。
 卵胞子の寿命は長く、土中でも2年間は生存可能。
 落葉や剪定枝は園外に持ち出し、
 処分して菌密度を下げることが重要。
 発症してからの防除は、
 2016年の実験によると、
 菌接種から銅剤散布は1時間以内なら効果100%。
 6時間後から急速に効果が下がり、
 12時間後には効果なしという結果になっている。
 発症後より予防が重要と言われる根拠。

———————————————————————————-
*ボルドー液によるベト病の防除
・ボルドー液発明の経緯
1882年10月末に、M.A.ミラルデにより発見。
ベト病の発生が少ない葡萄葉の表面に、
粉末状の青白い薄膜が見られた。
泥棒対策に生石灰と混ぜた硫酸銅を塗る習慣があった。
ボルドー液の処方により胞子の発芽抑制が証明された。

・ミラルデの推奨する処方
水1リットルに市販の硫酸銅8kgを溶かす。
水30リットルに15kgの石灰石を入れて
石灰の乳剤を作り、硫酸銅溶液を混ぜる。
(弱溶解性の水酸化銅から、緩慢に銅イオンが溶出)
ペーストを刷毛で葉の葉面に塗る。
ブドウの実にかからないように注意する。
———————————————————————————

⑦環紋葉枯病
・病原:かび
・発病部位:葉
・発病時期:8月~収穫期
・発病しやすい条件:
 低温・多湿条件で多発する。
 生育後半に発生しやすい。
 欧州系品種で発病が多い。
・発病の様子:
 初めは葉に褐色の斑点を形成する。
 多発すると葉全面に病斑を形成し、早期に落葉する。
 葉裏面には長さ0.5mmほどの
 ぶどうの房状の付着物を多数形成する。
・対策:
 前年被害葉は伝染源となるため処分する。
 周辺野生植物も伝染源となるため処分する。

●ブドウの害虫
①ツマグロアオカスミカメ
・加害部位:新梢
・加害時期:5月上旬~6月上旬
・多発しやすい条件
 高温・多湿が発生に適する。
・被害の様子
 年3回発生し、卵態で越冬をする。
 ふ化した幼虫は発芽直後の新葉を吸汁する。
 その新葉は展葉とともに吸汁痕から不規則に避ける。
 成虫の体色は黄緑色で羽の末端は暗色である。
 幼虫および成虫のいずれも植物の柔らかい組織を
 好んで吸汁する性質がある。

②チャノキイロアザミウマ
・加害部位:葉、果実
・加害時期:5月~9月
・多発しやすい条件
 少雨は増殖に適する。
・被害の様子
 果穂、果軸などが吸汁害を受ける。
 果実では褐色の不整形斑が生じるため、
 商品価値が損なわれる。

③ブドウスカシクロバ

④マメコガネ

⑤スズメバチ
 近年多くなってきた印象がある。
 暑い年ほど出てくる。
 圃場周辺から入ってくる。
 春先(5月)の女王バチが来る時期に、
 畑の外側にハチトラップを仕掛けて取ってしまう。
 2年前に大被害を受けて、翌年に大量のトラップを仕掛けた。
 それ以降、大きな被害は出ていない。

⑥ブドウサビダニ
 顕微鏡でしか見ることができないくらいの大きさ。
 葉に茶色のフンをするので、それで判断。
 最近登場した。
 房がミイラ化することもある。

⑦ブドウトリバ
近年、増加傾向。実が茶色に変色する。
 灰カビも誘発するので厄介。

⑧カイガラムシ

⑨スズメガ

⑩ツヤコガ

●ブドウの害獣
①タヌキ
 罠に1回入ったら、何度でも入ってくる。
 群れで行動。一網打尽に。

②アライグマ
 タヌキに似るが、顔にたて線模様がある。
 しっぽもシマシマなので、それで判断。

③シカ
 春先に芽をかじられるので注意する。

④ウサギ
 害獣の中で一番厄介。
 樹皮をやられるので、病気にも弱くなる。
 かじられたところから根頭がんしゅが発症も。
 凍害にも弱くなる。
 臆病な動物なので、ネットをかぶせるなど、
 普段と違う様子があると近寄ってこない。

参考:
・日本植物病理学会(リンク
・「新・北海道の病害虫 ハンドブック全書」・「よくわかるブドウ栽培」・2018年北海道ワインアカデミー講義
 「ふらのワインにおける栽培と醸造」
 (北海道大学 近藤則夫教授)
・2018年北海道ワインアカデミー講義
 「病害虫について」
 (ふらのワイン 高橋克幸 製造課長)
・病害虫・雑草の情報基地(リンク

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これまでのまとめ~宮本ヴィンヤード~

今回のまとめシリーズは「宮本ヴィンヤード」。

はじめに

北海道三笠市のタキザワ・ワイナリーの醸造長、
宮本さんの畑で取れたブドウのワインです。

2015が販売された最初のヴィンテージ。

三笠の宮本ヴィンヤード初リリースのワイン3アイテム。

ワインの名前は「ヴィーニュ・シャンタント」。
英語で言うとsinging vine(シンギング・ヴァイン)。
つまり、「歌っているブドウの樹たち」といったところか。

タキザワ・ワイナリーの収穫祭で話を聞いて、
ぜひ飲みたいと思っていたワインたちです。
熟成させてみるのか、飲んでみるのか。
うーん。悩むな(笑)

新規就農から5年目にして、初リリース。

ワインと一緒に、詳しいテイスティングコメントのリーフ。
こういう心遣いって、なかなか大手には難しいですよね。
梱包も心がこもっていて丁寧。

ワインの味わいももちろん素晴らしいので紹介していきます。

オレンジワイン

ヴィーニュ・シャンタント アントル・シヤン・エ・ルー(黄昏時)2015

まずはオレンジから。

2015が公式初リリース。

ラム肉のマーマレード・ソースとの相性は抜群。
なにせピノ・グリとは思えない複雑で豊かな香り、味わい。
柑橘、特にキンカンの香りを思わせる濃厚な風味。
オレンジワインに共通する、わずかな苦味。

これらの要素がバランスよく備わっていて、
初心者から玄人衆まで満足させる味わいに仕上がっている。

もうちょっと熟成を見てみたい気もする、
まだまだ可能性を秘めた1本。

2度目は熟成を経て、2020年11月に抜栓。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2f8aa96d-s.jpg

2015年縛りのワイン会の1本。
うちからの提供で宮本ヴィンヤードです。
「黄昏時」という名のオレンジ・ワイン。

この会はジビエの会で、
シカ、カモ、クマの肉を堪能できましたが、
シカに最も合うのはこのワインではないか、と感じましたね。
時間帯で言うと「黄昏時」なんだろうけど、
季節感で言うと「晩秋」なわけで。

奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき

と古人は詠んだわけですが、
そのメランコリーな感じは、このワインにも共通する
まるで愛する人と離れ離れになってしまったかのような、
鈍い痛みと、切ない愛しさが、
このワインの酸と苦みと共通する。

そして、(百人一首の歌い手は食べちゃいないだろうが)
鹿のややクセのある味わいと絶妙にマッチする
冬の訪れを感じる季節に、ぜひ合わせたいマリアージュです。

ヴィーニュ・シャンタント アントル・シヤン・エ・ルー(黄昏時)2017

2017ヴィンテージはワインヘリテージにて2019年3月に試飲。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 42fc65bf-s.jpg

三笠の宮本ヴィンヤードのオレンジワイン。
そうかも…と思って合わせたが、やはりリンゴによく合う。
コンポートの甘さと共通点があって、まさにマリアージュ。
リンゴの火入れが最高で、わずかにシャリっと歯ごたえがある。
それとこのワインのイメージがピッタリ。
このワインもくたくたに煮込んだ甘さではなくて、
まだまだ新鮮さを感じる味わい。

ここからどのように熟成していくかも見物だな。
楽しみな1本。

2度目は2020年10月に抜栓。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2ce66e95-s.jpg

気温が高いので白ワインにしようかと思ったが、
奥さんが厚みのあるワイン希望だったので、
オレンジワインにしてみました。

「黄昏時」という名のワイン。
まさにそんな色合いです。
トゲトゲしやキツイ苦みはみじんもなく、
柔らかく包み込んでくれるような味わい。
一日の終わりを祝ってくれるような素敵な1本。
本当に黄昏時のような味わいの変化もある。
徐々に深い色合いになる時間帯の風景のように、
多層的で重厚な味わいへと向かっていく。

音楽で言えばキレイな転調が何度かあるような、そんな感じ。
ほんの2時間ほどで映画を見るようだ。
温度による味わいの変化ということもあるのかな?
奥さんも久々に「もう1杯」ご所望でした。
素敵なワインです。

白ワイン

ヴィーニュ・シャンタント・シャルドネ2015

シャルドネは3回飲んでます。

1回目は届いてすぐ。

初リリースの宮本ヴィンヤードのシャルドネ。
届いてから1週間~10日は休ませたかったので、
(ワインは動かすことで、ざわついた感じになる。落ち着けないと)
ようやく飲める体制になったというところ。

合わせたのは手巻き寿司です。

結果的には、このシャルドネと最も相性が良かったのは、
アボガド・サーモンの手巻き寿司。

ワインは抜栓直後はクリーンで酸が目立つ、
寒冷地特有の軽いワインんという印象。

それが、ドラマ2本見ている間に(要するに2時間かけて)、
徐々に変化していきます。
特に1時間半くらいからの変化は明確で、
厚みとトロピカルフルーツの香り、リッチさとコクが出てくる。

好みもあるだろうけど、
僕は断然、後のタイプの方が好き。
今回は冷蔵庫で冷やして5度からのスタート。
そこから室温に任せて液温を上げていくような感じだったが、
心持ち冷えている(14~16度くらいかなぁ)のが最も良いような印象。

香りを立たせて、そして厚みを感じられるようになってからが本領。
きれいな酸も感じられるので、熟成させてみても良い変化があるかも。

うむ。これはブルゴーニュのシャルドネと共通点を感じる。
というか、ブラインドだったら見分けられない気がする。

これはまた、新しく素晴らしいワインを見つけてしまった!
隣り合っているにも関わらず、タキザワさんの白や、
近藤さんのワインとも違ったテイストで面白い。
フランスでなくとも、畑が違えば味わいも違うのかも。
(ま、これらの畑は品種がそもそも違ってますけどね。)

2回目は2018年8月。

今日は雨で少し早く帰れたので、
いつものお礼に天ぷらを作ることに。
研修先でもらったカボチャと、冷蔵庫の余りのサツマイモ、
あとはエビとタマネギのかきあげで。

合わせたのは三笠の宮本ヴィンヤードの白。
ちょっと冷やし気味くらいでサーブ。

天ぷらは揚げたてが命なので、
キッチンのオープンカウンターからダイニングに供給しつつ、
自分も隙を見て食べて飲むスタイル。

(なので天ぷらの写真は無いです。
 そんな余裕が無いです笑)

ワインはややグリーンのかかったイエローの色合い。
酸と苦味の主張が強めで、
寒い地方のシャルドネというイメージ通りの味わい。
天ぷらとの相性は抜群で、
いくらでも飲めてしまうところが罪ですね(笑)

いたずら盛りの息子をうまくなだめつつ、
夫婦で飲むワインはなかなかのものでした。
思い出になるワイン。

3回目はワインヘリテージにて。

造り手の宮本さんにも話を伺えました。

このシャルドネは、あと2年は待たないと本領発揮しないと。
今飲むなら、2時間くらい前に開けておくと美味しくなるそう。

そういう、飲み手に媚びないツンツンした感じは好きだな(笑)
なかなか開いてくれないワインというのは、
開いたときのポテンシャルがすごいことが多いからな。
うちにあるのは、なるべく2年待ってみることにしよう。

というわけで、味わうのはこういった試飲の場になりそう。

味わいはクリアで爽やか。
これが開いてくると旨みが出てくるらしい。
時間をかけるほど優しくなる味わいです。

ヴィーニュ・シャンタント・シャルドネ2017

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: e66fce8e-s.jpg

ワインヘリテージにて、2019年3月に試飲。

少し冷やしすぎかな~という温度でのサーヴ。
ブランデーのように掌で少し温めてから飲む(笑)

樽が少し効かせてあるのか、思ったよりも厚みのある白。
刺身よりも、少し火入れしてあるサケのハラスなんかと合う。
脂っぽさを抑えてあるハラスだが、
それでもスッキリしたシャルドネと合うな。

むむ、しかしこれは松前漬けとも合うかも?とかやってると、
いつのまにやら時間が過ぎていく…。
ボトルで付き合いたくなる素晴らしい白。

2度目は2020年3月。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: da3cefaa-s.jpg

奥さんも大絶賛。貴重なおかわりワインのひとつになりました!
酸のトゲはまったくなく、複雑さとコクを感じ、凝縮感も凄い。
これは最高の白のひとつですね。

赤ワイン

ヴィーニュ・シャンタント ピノ・ノワール2015

赤は2回飲みました。

宮本さんの収穫を手伝ったあとに抜栓。

どちらかといえば陰性のワイン。
ブルゴーニュでも静かなワインがあるが、そういう感じ。

かといって、根暗と言うわけではないんだよな。
香りも、匂い立つというわけではないが、
飲みこむとしっかりとピノ特有の花の香りを感じる。
それも、強く、魅力的な香り。

ちょっととっつきにくい感じがあるが、
打ち解けると、非常に魅力的だ。
そういう意味では、造り手の宮本さんに似ているな。

これを、収穫のことを思い出しながら飲むというのはとても良い。

まだまだポテンシャルを発揮するには、年月が必要そうだ。
じっくり待つこともまた、ワインです。

2回目はワインヘリテージにて。

並んだ結果、最後の一口にギリギリ間に合ったので、澱が多い部分。
ただ、個人的には濁りが好きなので、むしろうれしい感じ。

キラキラと酒石酸が光る。高品質の証。
女性で言うと、飾り気のない、すっぴんが美しい感じ。

こちらも、まだまだ熟成を待ってほしいとのことですが、
個人的には早めに飲んでも、これはこれで魅力があると感じる。
本領発揮まで待つか、今を楽しむか…。
このあたりもワインの魅力。

良いワインは時と共に味わいが変化するからこそ、
長い間楽しめるんですよね~。

ヴィーニュ・シャンタント ピノ・ノワール2017

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: a0c55aaf-s.jpg

2019年のワインヘリテージにて。

いや、これはブルゴーニュのピノでしょ。
ピノ・ノワールという品種はこれがあるから困る。
ぬけだせなくなるから困る。

和テイストのローストビーフとのマリアージュはヤバイ。
抜け出せなくなる魅力。
完成度の高いピノです。

↑上記は連続試飲しながらのメモをベースに記事にしているので、
 赤を試飲するくらいのタイミングは結構酔ってる。
 同じことを繰り返し書いてますね…笑

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これまでのまとめ~藤澤農園~

まとめシリーズ次は藤澤農園です。

「10Rのまとめの中の一部じゃないの?」
というツッコミが聞こえてきそうですが、
独断と偏見で独立したカテゴリーにしました。

藤澤農園

藤澤農園2012

2012年は2度飲んでいます。
1度目は2015年。

言われなければケルナーとは思えない複雑さ。
甘味は控えめで、それほど主張しない。

すこし苦味があり、そのあとで林檎の芳香が来る。
もうちっと熟成したい気配も感じて、非常に好印象。
10Rで醸造されているそうですが、
どうしてもブルースさんは自分のワインを後回しにする。

だから、このブドウも完熟、遅摘みになっている。
そこがまた、魅力なのかもしれませんね。

2度目は2018年ですね。

このワイン会のワインの順は、
結構ランダムで、似ているテイストが隣接しておかれることが多い。
とはいえ、最後のトリはやはりすごいので来ましたね。

10Rで醸造された、藤澤農園のケルナー。

テイスティングコメントは以下。

「酸が心地よい。
 複雑さと力強さ。孤高の魅力。
 愛してやまないケルナーだ」

コメントを一読しても明らかなとおり、
これは今回のベストでした。
みなさんの集計でも1位だったので、
ケルナーのひとつの完成形と言って差し支えないかと。

今回のケルナーの会では、ケルナーの魅力と言うものを再確認できた。
一般的には「高貴品種に比べ、劣る品種」という認識があるが、
寒冷地北海道のテロワールを表現するのに、
欠かすことのできない品種だと思う。

特に複雑さを有したフルーツ香、
(柑橘とパッションフルーツの香りだけでなく、
 熟成による完熟フルーツやコンポートの香り)
透明感のある酸と果実由来の甘さのバランス、
そして灯油や苦味のアクセントがうまく備わること。

これらがケルナーの魅力を最大化するポイントかな、
と言う気がしました。
そして、それは藤澤ケルナーが具現している。
一飲の価値あるワインです。

藤澤農園2015

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 572facee-s.jpg

2015年縛りのワイン会のラスト。
当初はケルナー縛りで前半に登場する予定でしたが、
甘みのあるワインなので、デザートに回そう、
という提案があり、味わい重視でラストのワインに。
同じケルナーでも残糖感があって、優しいワイン。
米粉で作られたスイスロールに良く合う。
生クリームの程よい甘さと、
相性が抜群に良くてうっとりしてしまう。
華やかなパーティーの後、
余韻を楽しみながら飲むのに最適なワイン。
素敵な一夜でした。

藤澤農園 塞翁が馬

藤澤農園 塞翁が馬2014

2014年ヴィンテージは4度飲んでいます。

手に入れられなくて、もう飲めないかと思っていた藤澤農園の白。
「塞翁が馬」って面白いネーミングしますね。10Rでの醸造。

美しく透明感のある白です。
アロマティックな香りに一口目から悩殺される。
複雑で繊細で…だれがこれをケルナー単一だって思えるのだろう。

リッチ系のニュアンスだが、コクがあるわけではない。
それにはもうしばし、何年かの熟成を必要としそうだ。

果実味の甘さがあるが、嫌味ではない。
酸は緩やかで、葡萄の香りを支えてくれている。
奥さんは大のお気に入り。
そうだな。僕もかなり好きなテイストだ。

また素晴らしいワインが誕生してしまった。
いくつのアイテムを追いかければいいんだ!
幸せな苦悩だな(笑)

これまた貴重なワインの登場。
ボトルがうちに存在すること自体が初めてなので、
取り扱いもちょっと緊張するな(笑)

香りの段階から、仄かにリンゴや柑橘の香り。
料理に合わせるというより、
もうデザートワインとして食後に楽しみたい、
そんな甘いテイスト。

糖による甘さというよりは、果実味で甘く感じるような感じ。
果物をほおばっているような感覚にとらわれる。
余韻も長い。

うーん、腹持ちの良いワインだな。
長い間、思い出しながら楽しませてくれる。
ワイン会の終盤でも印象に残る、すごいワインでした!

同じケルナーだが、こっちは比較的甘口。 
果実味を濃厚に感じる、デザートワイン的存在。 

こちらも香りは特徴的。 
香りは清涼感のある果物の果汁のよう。 
前に出てくるキレイな酸は一瞬で消えて、 
その後に果実味由来の甘さがグワッと来る。後味にはほのかにカルピス…笑乳酸由来の味わいだろうか。 

もちろん好みの問題なのだろうけれど、 
こいつは大好きな種類のワインだ。 

特に寝る前の時間と合うワイン。 
甘い夢を見させてくれそうじゃないですか?(笑)  

ケルナー好きとしては避けて通れない白。しかも2014。貴重なワインが出てくるなー。
香りから芳醇だが、やはり口に含んだときに魅力を発揮する。甘やかなのにリッチで深い。
僕は基本的に甘いワインは好きでない。好きでないんだが、悔しいことにコイツはうまい。うまいどころか、大好きだ。
自分の主義主張なんて、丸めて三角コーナーにポイできるほど、コイツは美味いんだ。
これほどまでにケルナーのフラグランス、それを引き出せる作り手はいないだろう。
いやー。今日も一目出会えて良かった。永遠の片想いのように、フワフワと気持ち良くさせてくれる1本。

藤澤農園 塞翁が馬2015

僕は北海道らしさが最も現れる、
現時点で最高のブドウ品種は白ではケルナーだと思ってます。
そしてこのケルナーは北海道で最高だと思う。

つまり、これを飲めば北海道(の白ワイン)が分かるというもの。

なにより、アロマティック品種特有の香り、
これが凄いんです。
本場であるドイツも目じゃないくらいですよ。

そしてぽっちりとした黄色を帯びた色彩。
粘性も高めで残糖の高さを感じる。

僕はどちらかと言えば酸のきれいな白が好きで、
甘いワインは敬遠しがちなんですが…
これは別格です。

好きとか嫌いとか、そういうものを超越した味わい。
これぞ北海道です。

そしていつもの「上幌ワインと仲間たち」のイニシャル。
うーん、クール(笑)

あ、そうそう。
あと、ビン底はすごく澱が舞います。

これを許せる心のおおらかさも、このワインを飲むには必要です。

僕ですか?
僕はこの澱を含んだ、
苦味や雑味が増した部分が特に好きなんです。

「変な奴」と言われて嬉しくなるようだと、
ワイン・ラヴァーと名乗ってもいいかもですね(笑)

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