2018年のワインアカデミーの講義より。
これまた引っ越し記事です。
クラーク博士の像も銀杏並木も見ずに、
農学部の学舎へと直行です笑
正面の入り口から入らなかったせいで、
うろうろと迷いましたよ。
農学部も広いな~。
さて、第1講義は、国分北海道株式会社の、
マーケティング部長、大谷さんの講義。
国分というのは卸売の会社で、
酒類もたくさん扱ってますが、
一般的に有名なのは「缶つま」でしょう。
飲んべなら見たことがある、
ちょっと高めのおつまみ缶詰。
昼食時に試食用を出していただきました。
新商品の「つぶ貝」はすごく白に合いそうだ。
ウマイ。
今ではコンビニだろうとスーパーだろうと、
どこでもこれを見かけるようになったし、
パクリ商品もたくさん出ていますが、
これがどうやって作られ、どうやって売られたのか、という話。
そもそも最初は、缶詰では一般的な、
「モモ缶」とか「オレンジ缶」とか、そういうのを売っていた。
しかし、これは常に価格競争。
スーパーなどの小売も安さを求めてくる。
消費者も安いものから買っていく。
どんどん利益を削りながら価格を下げて勝負していたが、
それではいくら作って売っても、まったくお金は残らない。
なので、一大決心をして、全面的に撤退を決めた。
しかし、缶詰を作るラインをなくすわけにはいかない。
何か新しいものを作ることはできないか?となった。
そこから商品開発が始まるわけだが、ポイントは、
①真似されても真似をしない商品づくり(コンセプト重視)
②価格でしか評価されない商品は作らない。
ブルーオーシャン(敵のいないニッチ市場)に傾注。
ということ。
特に、缶詰というと缶詰売り場に置かれていて、
保存食品を探していて見つけるというのがこれまで。
そうではなく、酒売り場で売ることを考えた。
おつまみなのに缶詰になっていること、
そしてびっくりする美味しさという意外性。
そしてできた商品は未開拓の売り場へアプローチした。
たとえば、ヴィレッジ・ヴァンガード(!)
あるいは大阪ならよしもと劇場(!)
ガチャガチャにも入れたりしたらしい。
結果、注目されるようになって、
コンビニでも置かれるようになったという流れ。
まとめると、戦略的BASCS(ベーシックス)が大切。
B…Battlefield(戦場)。どこで売るのか。
A…Asset(独自資源)。自分だけが持つ資質など。
S…Strength(強み、差別化)。他と違うところ。
C…Customer(顧客)。誰に向かって売るのか。
S…Selling Message(売り文句)。
売るための仕掛けづくりが大切。
それを考えるときに、BASCSを軸に考えるといい。
…とのことだったので、
自分が苗木屋をやるときのことを考えてみた。
B…北海道内のみ。インターネットを利用。
A…ワインの飲み手であり、ブドウの栽培家でもある。
→栽培はまだこれからだけど。
S…道内唯一の苗木屋。コンサルティングもやる。
C…主に新規or栽培歴の浅いヴィンヤード、ワイナリー。
S…苗木はワイン造りの基盤!~土台を大切に~
というところか。
まだまだ練れていないな。
もっと詰めて考えていきます…。
さて後半は、十勝ワインとのコラボで作られている、
「島梟(シマフクロウ)」という名のブランデーの話。
十勝ワインに眠る、30年もののブランデー原酒、
これを売れないか?という相談があった。
ブランデー市場は、日本では酒類全体のわずか1%。
市場が小さすぎるので、参入はやめた方がよい、
と会社からは言われた。
しかし、本当にそうなのかといろいろ調べ、考えた。
そういうときに役立つのがSWOT(スウォット)分析。
S…強味。
W…弱み。
O…機会。
T…脅威。
S×Oの考えで、利点を掛け合わせる。
WとTは打ち消す方策を考える。
その結果、世界に目を向けると、
ブランデーの需要が伸びている国があった。
それが中国。
前年比が120%ほどの伸び。
インバウンド需要が十分にあると判断した。
加えて、国内向けにはプロ(バーテンダー)に相談し、
徹底的に高品質なものを目指した。
この2つのコンセプトで、それぞれ2つのアイテムを作り、
購入型クラウドファンドで驚くほど売れている。
また、そのブランデーを使ったウォッシュ・チーズも販売。
これも試食させてもらったが、ワインにも合いそうだった。
うまい。
かつて北海道は酒造りに不向きな土地といわれた。
酒米もブドウも栽培できないと言われた時代も長い。
それが品種の改良、栽培ノウハウの蓄積、
他のエリア・国からの技術導入、
そして気候変動などの要因が重なって、
今では個性を持った酒が多く誕生している。
倶知安でのG20やラグビーのW杯など、
アピールする場も多くある。
国分は道産ワインを道外にも販売している。
前年比2.5倍の売り上げという数字が出ている。
北海道というブランドを後押しし、
発信していくことが大切。
北海道の食材を楽しむために、
当然北海道の酒が必要だろう。
パートナー企業として協力していきたい。
うーん、作るだけでなく、売ることも考える。
それが大切だということがよく分かったな。
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