2019年までのまとめ~十勝ワイン(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)~

はじめに

北海道十勝にある、「十勝ワイン」。
正式名称は「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」。
全国でも珍しい、町が作ったワイナリー。
酒造免許獲得が1963年のことなので、
今年で設立57年目を迎えるということになる。

僕が北海道のワインを飲んだ中で、おそらく一番古いのがココ。
まだ大阪在住時代の2013年の10月に初飲み。

スパークリング・ワイン

ブルーム・シャルドネ

今度はシャルドネバージョン。

聞いてた話どおり、これは最高にうまかった。
ブラン・ド・ブランのシャンパーニュのようだ。
泡の立ち方は多少ばらつきがあるものの、
味わいはパワーがあって骨格が合って、
綺麗な酸と果実味が魅力的。

生産本数も少な目らしいので、ほんと押さえておくべきアイテム。
出会えてよかったと思わせてくれる泡です。

白ワイン

トカップ(白)

最後は2016年の年末。奥さんの実家にて。

今回は十勝ワインのトカップ。ヴィンテージはありません。
このワインの味わいは知ってるつもりだったんですが、意表を突かれました。ドライで果実味があって、樽もわずかに効かせてあるのかな?奥行きを感じるワインでした。
ご飯に合わせても美味しかったし、(ポテサラとマッチしてたな)食後に読書しながらチビチビやってたら、気づいたら1本空けてました笑
イマイチなワインは1本飲みきれないんで、気に入ったということだな。
道産ワインは揺籃期なので、作りの成長ペースが早い。ちょっと目を離すとこういう驚きがある。だからこそ面白いとも言えるな。良い気づきだった!

歴史ある十勝ワイン。
あまり好きなワインメーカーとは言えないけれど、
最近の品質の向上は目覚ましい。
また固有の葡萄品種(山幸、清見など)の開発の功は大きい。
歴史の重みも背負いつつ、若手メンバーも増えているようだし、
今後の革新を期待します。

バッカス

バッカス2012

奥さんの誕生日祝いに、実家から贈られてきたワイン。
昨日のタイの激辛メニューの残りと。
あまりにも辛いので、食べられなかったやつは、
ミネストローネと合流してカレーに。
中辛のカレーが、激辛になりました。
恐るべし、タイ料理。

十勝ワイン、「バッカス」の2012年。1500円くらい。
日本の白は、本当にレベルが上がってきている。
スイスイ飲めて、辛い料理との相性もまずまず。
スッキリ洗い流してくれる系です。

でも、温度が上がってくると香りも立つし、
何より日本のワインは優しいですね。
酸も香りも、優しい感じ。

…なんか写真が懐かしい。バックは大阪の家だ(笑)

清見の丘

清見の丘2015

ワイン城には無料試飲もあり。

これはワイン城限定のアイテム。
どちらかといえば軽くて飲みやすいもの。
この白なんかは、やや残糖も感じられ、酸も攻撃的でない。
悪く言えばボンヤリした印象だが、
ワインを飲み慣れない人も、抵抗なく飲めるはず。
ワインの裾野を広げてくれるであろう1本です。

凋寒(セイオロサム)・白

凋寒・白2013

次は同じ「凋寒(セイオロサム)」という名前を冠した、赤白ペアです。
品種の名前ではないので、同じテーマに基づいて作られているんでしょう。
そのテーマが何か、聞いておけばよかったな。

ちょっと酔ってたしな笑
かなり本格派の白。
残糖は感じず、極めてドライ。
魅力はマスカット香かな。
あとは花のような、香水のような良い香り。
シャープでキレイめの酸。
アロマティックな白。
単独で飲んでも充分飲める、
自立した強さのあるワインです。

さて、おまけ。
大学の学食で食べ過ぎているのに、

赤ワイン

トカップ

かつて一度飲んだことがある(ような気がする)十勝ワインを。
あんまり美味しくない印象だったが、改めて飲むとなかなかうまい。
タンニンもまずまず感じられて、デイリーとしてはOKレベル。

しかし、裏のラベルを見てがっかり。
原料は「輸入ワイン、国産ブドウ」とのこと。
これじゃあ、要するに北海道のものは何も使っていないってこと。
それで「トカップ」と名乗るというのがすごい。
久しぶりにだまされた気分。

北海道だから、ということにお金を払っているのに。
安くて旨いワインが飲みたいなら、チリワインでも探すって。
がっかり感が満載のワインでした。
こういうのを飲むと、ワイン法って必要かも、と思う。

トカップ樽熟成

次は2016年5月。

十勝で作られた葡萄と輸入ワインが混ざっている。
おそらく山葡萄がメインかな。
力強さとタンニンを感じる。
輸入ワインを混ぜてあるから、やや飲みやすい。

デイリーとしては面白い1本。

CASTLE-城-

CASTLE-城-2011

小説を読みつつ、グラスに1杯ずつ、夜ごとに楽しむ感じ。
うん、結構包容力が出てきているな。
昔は尖っていたけど、今は渋さがでてきた男性という感じ。
素敵な熟成香も持っているので、これはかなり良いわ。

うう、ついつい2杯目を注いでしまう…。
なんてことを1人でやりながら、夜は更けていくのでした(笑)

ツヴァイゲルト

ツヴァイゲルト2009

次のも2013年10月。

十勝ワインの「ツバイゲルト」の2009年。
香りは薄いものの、ブーケが魅力。
主張は控えめだが、とてもおいしい。
リッチさがあれば、ブルゴーニュと勘違いしそう。
熟成を経た後が楽しみなワインですね。

山幸(やまさち)

山幸2009

2015年3月の「道産ワインの夕べ」にて。
試飲会の12本目。

十勝ワインからは、独自の葡萄品種がいくつかリリースされている。
今回飲んだのは「山幸」。
ヴィンテージが2009なので、かなりこなれている印象。

スパイシーさを感じるし、何より奥深さがあるのが良い。
開けてしばらく経ってからが本領かな。
抜栓後、2~3時間くらいは置いておきたい感じ。

これも肉料理とか、重めのメニューにも合わせられそう。
日本の赤は軽くて肉に合わせにくいのが多いので、
こういうパワフルなものは重宝する。

直近ヴィンテージも含めて、長く付き合っていきたいワイン。

山幸2014

これも清見とヤマブドウの交配で生まれた品種。
3種の中では最も野趣溢れる味わい。
単独では個性が勝ちすぎるが、
料理に合わせると印象が大きく変わりそう。
ショップの方のオススメは、ゴボウチップスとか、
土のイメージがある料理。

なるほどなー、分かるわ。ゴボウのエグミとか、
このワインと合わせると、魅力的になりそう。
お互いの欠点とも思えるところが、
2人でいると、たまらない魅力に変わる。

そういうマリアージュだな。
あとベタにジビエ(鹿とかキジとか)なんかも合いそう。
料理と合わせたい1本です!

凋寒(せいおろさむ)

凋寒2010

これも「道産ワインの夕べ」にて試飲。

十勝ワインの「セイオロサム」。
「清見」や「山幸」に比べると、やや弱い印象。
「清見」の方がレベルが高いと感じた。
酸は立つのだが、それが魅力になりきっていないような…。

もう数時間置いてあげると開いてくるかも。
ともあれ、この試飲会のタイミングだと、
バランスの悪さが目立ってしまった印象。

1本買って、じっくり付き合ってみたいワインではある。

凋寒2013

コメントの通り、バランス感覚が良い。
十勝ワインの個性は充分感じさせつつも、
ライトさもあって、抵抗感なく喉を通る。
これは十勝ワインを深く知ろうと思う時の、
スターターとして使うと良さそう。

ツヴァイが良い仕事してるな。
ツヴァイゲルトレーベという品種の、 
補助的役割のすごさを再確認。
単一も行けるし、なかなかスゴイ品種だわ。

清見(きよみ)

清見2011

道産ワインには珍しく、「強さ」を感じるワイン。
ただ、どうしても薄さは残ってしまうか。
基礎レベルは非常に高いワインなので、
熟成に期待したいところです。

これに深みが加われば、日本ワインもヨーロッパと肩を並べる。
濃さや重さ、出てくるんでしょうかね。
気候的に厳しいものがあると思うで、
いっそ、エレガントさを求めるのもありだと思うのですが。

道産ワインの行く末を考えてしまう夜更けです。

2度目は 2015年の6月。

ちょっとガッツリ肉を食べるとき用にと、ストックしてあった1本。

やはり、脂たっぷりの白老牛との相性は良い。
酸味は合うんですよね~。
でも、魅力であるはずの熟成香が、逆にうるさく感じる。
しまった。もっと若いヴィンテージの方が良かった。

こういう熟成感は、ダシが効いたものの方が合いそう。
がっつり肉なら、バーベキューより、すき焼きかな。
次はそうしよう。

にしても、このバーべキュー、野菜も美味しかった。
カボチャやタマネギも甘さぎっちり。
そしてアスパラガスがまたワインにも合う。
赤とアスパラは青臭くてダメ、というセオリーを聞いたことあるが、
北海道の赤と、北海道のアスパラだとナイスマッチだな。

楽しめました!

*後日…
飲み残して持って帰ったものを、家で飲んでびっくり。
かなり酸味の角が取れて、美味しい。
香りこそ最後まで乏しかったが、
味わいの深さと熟成香のマッチが素晴らしい。
開けてから少し時間が必要なワインですね。
1時間~2時間は待った方がいいと思う。

清見2013

2017年6月、ワイン城にて。

昼間っから、試飲しまくり笑
これはここ池田町の独自の品種、清見を単一で使った赤ワイン。
ドイツ系のセイベルをベースに、寒冷地に適応するよう品種改良したもの。

この清見という品種をベースに、
「清舞」「山幸」というアイテムがあり、飲み比べてみました。

個人的な感想としては、3種の中では1番魅力的なのがコレ。
今回はワインのみで比較したので、
料理と合わせるとまた変わるかも知れませんが。
いずれにせよ、個性が光る。フランスには出せない味わい。
好き嫌いは人によって分かれても、
この土地ならではの個性が表現されていることは、
みんなが評価するのではないか。
僕は好きなワイン。

清舞

清舞2014

「清見」とヤマブドウを掛け合わせ、生まれた品種「清舞」。
2014は、かなり良いヴィンテージとのこと。
飲み比べてみると、3つの中で最も生食用ブドウのテイストを強く感じた。
それぞれの要素が強めに出てる分、ワインだけで飲むと当たりが強く感じる。
チーズとかと合わせると、剣が取れて飲みやすくなる。
食事と合わせてみたいと感じた。

ツヴァイゲルト

ツヴァイゲルト2013

個人的にはツヴァイは北海道という風土と、
かなりマッチしていると感じる。

北海道では赤のピノ・ノワール、
白のシャルドネやソーヴィニョン・ブランが、
栽培可能であることが分かってきて、
そのポテンシャルを発揮しつつある。

とはいえ、昔から栽培されていた、
赤のツヴァイゲルトレーベ、白のケルナーの魅力が落ちるわけではない。
多様さこそワインの魅力だし。

さてそのツヴァイ。
やはりファースト・タッチが、
力強いピノって感じで、パワーと繊細さがあって素敵だ。
ただ、余韻が長く引かない。
線香花火のようにあっけない。
そこを補完するために、他の品種とアッセンブラージュするもよし、
そのまま単一で仕上げて線香花火を楽しむもよし。

ツヴァイは面白いなー。

ロゼワイン

町民用ロゼワイン「ザ・いけだ」

次は2014年10月。

今日は頂き物のロゼを。
池田町の町民限定ワインが、なぜか生協で。800円。
格安で地元民に卸しているのでしょうか。
甘い香りとは裏腹に、酸味の主張の方が強い。

ただ、テロワールというよりも、醸造の工夫か?
少し人工的に感じる酸味です。
しかし細心の注意を払えば、味わいの中にぶどうの魅力も感じられる。
全体的に、やや薄いというのが印象。
ワインというより、果実酒って感じかな。

超ライト・ボディと言うか…やはり薄い感じですね。
800円なら、お得かも。

2度目は2016年の正月に、奥さんの実家にて。

今年の飲み初めは十勝ワイン。
新春ぽくロゼワインで。
以前飲んだ時は甘くて辟易とした記憶がありましたが、今回のは辛口。
キャンベルっぽい香りはわずかで、心地よい酸が立つ。
お雑煮とも合うね。
カズノコとは合わないが、それはまぁ、どんなワインも合わないから笑
カズノコ、美味しいのにな〜。
今年のワインライフも幸せでありますように!!

人気ブログランキングに参加しています。
北海道のワインを全国に広めるため、クリックをお願いします!

コメント

タイトルとURLをコピーしました