2017年までのまとめ~東北地方のワイン~

まとめシリーズ、少し北海道を離れて、東北地方に。
2016年に東北地方を巡る旅をして以来、
注目している産地でもあります。

まずはワインの生産量で日本4位の山形県から。

●山形
2016年6月。
・嘉2015
今日は休日出勤。ワイン会に行きたかったところをぐっと我慢して。
奥さんは体調が悪いので、今流行りの「野菜のぎゅうぎゅう焼き」を作る。
あとはショウガのスープと、久々にパン焼き器でパン作り。

夜に帰ってきて、スパークリングと合わせる。

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山形の高畠ワイナリーの泡。

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ほのかにピンク。キレイやね。

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アタックも強めのアルコール度13度。
ストラクチャーもはっきりしていて、力強い。
野菜のぎゅうぎゅう焼きもオリーブやローズマリーで、
なかなかに香りが強いので、良いコンビだ。
レモン汁をかけてみたので、酸味の相性もよし。

国産ワインもかなり多様化している。
この泡が1000円台で飲めるなら、わざわざ海外のを買う必要ないな。
ちょっと国内のワインも調べていこうと思わせてくれる1本。

いや~気分いいわ(笑)

次は2016年10月。
・小姫(泡)
酒井ワイナリーで名前に魅かれて(笑)購入した1本。

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名前的に可愛らしい泡を想像したが、
泡が元気なお転婆姫ではないか!(笑)
面白い。

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もれなくお手紙が付いてきまして、開け方のアドバイス。

買ってすぐに飲みたくなって開けようとしたら、
旅館の洗面所で泡吹きまくり(笑)

説明通り、落ち着かせて、冷やしてから開けるのがオススメ。
とはいえ、無濾過はいずれにせよ吹きやすいのでね。
注意が必要です。

味わいはデラウェアの魅力を存分に引き出していて、
適度な酸に適度な果実味。
ドライに仕上がっていて、料理の邪魔は決してしなさそう。
デイリーにぴったりな1本ですね!
ただ、生産本数が少ないので、デイリーにするにはそこがネックか。
(人気のある国産ワインの宿命とも言えるが…)

今回の旅で「出会えてよかった」と思う1本でした!

・鳥上坂2012
山形訪問時の酒井ワイナリーの試飲。

今や自社畑の葡萄を自家醸造しているのは、 ここ酒井ワイナリーのみとのこと。
かなり自然な造りのようです。
カベルネとメルローが本格的。
北海道がピノでブルゴーニュなら、
山形はボルドーのようだな。

ただし、カベルネとメルローは混醸。
(中澤ヴィンヤードや近藤ヴィンヤードみたい!)
だからカベルネ70%、メルロー30%というブレンド比は葡萄樹の比だとか。
いいね。ますますいい。

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・鳥上坂(まぜこぜワイン)

酒井ワイナリー訪問後、
酒井ワイナリーのお婆ちゃんのオススメ、「エスト」さんで夕食。
持ち込みは団体のみとのこと。
仕方がないので酒井ワイナリーの赤を頼むと…

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なんとメニューにはなく、1本だけ仕入れたというワインを出してくれました!
なんかエチケット的にヴィンテージ物では…?

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ヴィンテージでは、
まさに「まぜこぜワイン」という名前になってた。
人気出そうだわ、コレ。
複雑だし、旨味がある。
赤バージョンのシュール・リーというところか。
この懐の深さは個性的であり、魅力的。

ピザや山形牛のステーキと。

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あとはニョッキとゴルゴンゾーラ。

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ニョッキうまい。
自分で作った時は、こんなに美味しくなかったな。
このイメージで、また作ってみるかな。

満喫しました〜。
楽しすぎる山形の夜!
明日は色々巡るぞ!
やる気がさらに湧いた!
良い夜だ〜笑

次は2016年8月。
・マスカット・ベーリーA2014
忙しい中なのに、強行突破の飲み会。
奥さんが旨いものを作ってくれたので、ワインを。
しかも久々に赤が飲みたいというオーダーなので、
日本の赤にしました。

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で、メルローとのセパージュのコイツを。
高畠ワイナリーの作品。
しかし開けてみると、マスカット・ベーリーAの酸味が印象的。
どちらかといえば軽い赤の印象。
あれあれ。失敗したかな。

合わせた料理は、鶏肉とレンコンのトマト煮。

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ハーブが効いているのが良いね。
トマトの酸味は夏に本当に美味しく感じる。

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サラダとしてカリフラワーのピクルス。
初めて食べたけど、コリコリしてなかなか美味しい。
(味が染みた2日目以降が本領発揮ですね)

そして早くも秋を感じさせる「ヤンソンさんの誘惑」。

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ジャガイモとクリームでまずいハズがないさ。

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さらに冷製パスタまで!
カツオは今が旬ですね。
漬け置きしただけあって、味が染みている。

「作りすぎた~」と言われていたにも関わらず、
結局2人で(主に僕が)、晩御飯で食べきってしまいましたよ。

そして食べ終わることには、ワインに変化が。
ボトルの中で味が落ち着いて、
芳醇な甘さを発揮するようになりました。

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開けたての酸は冷製パスタに合っていたな。
トマト煮やヤンソンさんに合わせるなら、
抜栓後30分から1時間がちょうどかな。
変化も楽しめる、面白い赤です。優秀、優秀。

・モンサン米沢
朝からの仕事も終わり、ほっと一息。
疲れているから、何かお手軽なワインを開けよう、
ということで選んだのがコイツ。

東北旅行でワイナリーを巡っているときに、
浜田酒造さんで(ショップもないのに)購入した赤。

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なんと箱に入れて売ってくれました。1000円ちょうどくらい。

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味わいは、ちょっとバラバラ感がある。
酸味と果実味のバランスが悪い。
喉を通るときは非常に良いんだけど、
ファーストタッチの甘さと、余韻のトゲのある酸が残念。

喉越し重視の人に向けて造られているのかな?
香り的にもカベルネやメルローの感じはない。
どちらかと言えばコンコードに近い味。
いろいろ混ぜているのかもしれない。

くいくい飲んで、寝てしまうには良いかも。

次は2017年3月。
・ラ・クロチュア・エレクトリック・エン・カミワダ・シャルドネ2014
休日の夕飯は奥さんのリクエストで春めいた料理。
菜の花のおひたしに、あさりの混ぜご飯、
アスパラとトマトの吸い物と赤魚の酒粕焼き。

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うーん、こういう和食もいいな。なかなか美味しい。
子どもの頃なら肉が無くて満足しなかったろうが、
こういう料理の魅力が分かるくらいには熟成してきましたよ(笑)

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合わせたのは山形県の高畠ワイナリー。
ドイツを彷彿とするエチケットですが、
絵は「クマを撃退する電気柵」ですからね(笑)
洒落が効いている。

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エチケットが表現する通り、日本のワインとは思えないような、
重厚で凝縮感のある白ワイン。

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色あいからも、重厚感が伝わって来る…かな??
樽香も強く効かせてあり、
ヨーロッパのワインを目指して作られていることが、
ひしひしと伝わって来るようなワイン。

良くも悪くも、これを飲んで、
日本の、それも山形のワインとわかる人は少ないのではないか。

まるでヨーロッパの白のような白。
ま、面白くはありますよね。
とてもおいしいワインだし。

・名子山2012
ワイン会をやると、酔って気が大きくなるのか。
後半になると、必ず1本おまけで開けてしまう(笑)

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ま、今回のは、ぜひ飲ませたいと思っていたやつですが。
奥さんの視線を気にしないふりしつつ…
山形で見つけてきた、酒井ワイナリーの1本。

こいつはかなりの旨さです。
山形で飲んだ時もビックリしたが、これはスゴイ。

パワーは国産とは(ましてや寒い東北とは)思えない力強さ。
濃厚で主張が強い果実味。

ワイナリーでは羊を飼って、ソイツが下草を食っているとか。
それが濃厚なワインを造っているのか(そんなわけないか…)。

山形でコレが作れるなら、
北海道で苗木を作るのだって、不可能ではないのでは?
そんな希望を与えてくれる1本。
終了近くで出したのに、しっかり1本空いたのがうれしかったな。
掛け値なしに、素晴らしいワインでした!


次は「秋保ワイナリー」に注目して行った宮城。

●宮城
2016年10月
・シードル2015
夜は奥さんと2人で料理。

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奥さんのリクエストでタイ料理。
パッタイと生春巻き(with大量の庭のパクチー)。

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売ってるのよりは短いけれど、大量に取れる。
生春巻きって手先の器用さが表れるのかな?

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↑奥さんの作と…

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わたくしの作では、なんというか…品が違うな(笑)

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合わせたのは宮城唯一のワイナリー、仙台秋保ワイナリーのシードル。
(ワインはすべて売り切れていました。2015スタートだからな…)

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裏エチケットにある通り、バランスの良い味わい。

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フリント(火打石)のニュアンスはわからないけれど、
透明感と清涼感はあるな。
中井農園のシードルは重厚だけど、コイツは軽妙で爽やか。
今日の主張の強いパクチーともうまくやってくれました。

ご多分に漏れず、最後の方は濁ってきているのが分かる。
グラスにも澱がたまるんだけど、それくらいの時の方が、
主張が強くて僕は好きだな。
自然派の造りだとどうしても澱は残るしな。

ワインへの期待感も高まるシードルでした。
次はワインも飲んでみたい!


●福島
2016年10月。
・ビュベット・ド・コハタ2015
早いもので、すっかり秋も深まってきました。
暑い日があるかと思えば、今日なんかはすごく寒い。

東北旅行を思い出しつつ、残しておいたワインを飲む。

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色あいは濃い紫。

香りが堅い堅い。
いや~、これは山ソーヴィニヨンというか、山葡萄系の特長だな。
ファーストタッチも荒削りで、スイスイとは飲めない。
飲みこんだ後の余韻は悪くないんだけどな。

アルコール度はそうでもないのに、焼けるような印象。
ちょい前なら、やや好きくらいのポジションだったかも。
今は薫り高くて繊細かつ複雑なのが気に入っているので、
ちょっとくどい印象を受ける。

それでも、少し飲んで液面を下げて、
1日~2日待てば、ずっと飲みやすくなる。
このあたり、堅いボルドーや、
北海道でいえば、マオイワイナリーなんかに似ている。
楽しみ方に作法を求めるワイン。
面白い個性として楽しめる。

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今回は訪問したので、畑も見せてもらいました。

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小雨の中の山ソーヴィニョン。
黒々として、小粒なので、一度見たら間違えない山葡萄系。

今後、どんな作りに変化していくのか、楽しみなワイナリーですね。


●青森
2015年9月
・津軽シャルドネ2013
今年の夏休みの残業代が出たので、
私にも還元ということで、日本の赤白セット4000円を特別購入。

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今日開けたのは、青森のシャルドネですね。

本日は漫画「3月のライオン」の新巻が出ていたので買って読んで、
で、影響を受けて手巻き寿司パーティー。
刺身の盛り合わせを買ってきて、そしてマグロの赤身をゴマ油と塩で叩いて、
ユッケ風を作って韓国のりで巻いて楽しむ。
吸い物には、旭川の宿で感銘を受けた、鶏つみれとゴボウのショウガスープ。

うむ、海鮮にもこのシャルドネは合いますね。
シャルドネってほんと、産地によって風味が全然違う。
コイツはかなり酸が立つ。テイストは梅に近い。日本風。
それでいて、嫌味はないので、飲みやすい。
北の産地のシャルドネって感じで、昨日飲んだガンチア・ブリュットと、
同じブドウ品種とは、とてもじゃないが思えない。

「風土」というのは面白い。
追求したくなるね。




●岩手
・五月長根葡萄園リースリング2014
北海道のテロワールを考えたとき、
白なら酸の鋭さをどう表現するか、というのは大きな命題。
酸が魅力になるというと、やはりドイツやアルザスのリースリング。

そして日本でも、リースリング・リオンという交配品種を使って、
酸を魅力に変えることに成功しているワイナリーが、
いくつかあります。

そのうちのひとつがコレ。
岩手県のエーデルワイン。

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東北の気候をうまく表現している。
ヴィンテージが2014なので、まだまだ若い。
しかしその若さもすべて、魅力に変えてしまっている。

グレープフルーツの香り。シャープでエッジの効いた酸。
そして余韻に残る、ほんのりとした果実の甘さ。

なんというか、夏に似合うワイン。
今日は昨日までと打って変わって、涼しめの気候。
そんな暑さが和らいだ夕暮れに、
夕涼みしながら飲みたい素敵な1本です。

もちろん、料理にもばっちり合います。
個人的には鶏肉料理、それも唐揚げが良いと思うんですが。
醤油とショウガの効いた、日本らしい唐揚げ。
暑い中で揚げるのは面倒くさいんだけれど、
このリースリング・リオンがあると思うと苦じゃなくなる(笑)

2000円台前半というコスパにも驚愕。
冷蔵庫でちょっと冷やし気味にして、
温度が上がっていくのを感じながら飲むといいと思いますね。

最高のワインのうちのひとつ。



意外に東北のワイン飲んでなかったな~。
ちょこちょこ追いかけたい産地です。

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