昨日の投稿で飲んできたワインをまとめたので、
今回の投稿ではそれ以外の、
インタビューや収穫祭、訪問記などをまとめます。
訪問記
僕が北海道に移ってきて、最初に訪問したのが、
他ならぬドメーヌ・タカヒコでした。
ちょうどブドウの花が咲き終わって、
緑色の小さな実ができ始めていた季節です。
忘れもしない2014年7月ですね。
まだ大阪の夏のような恰好ですね(笑)
そして観光客のようにはしゃいで、記念撮影。
アポを取って訪問したものの、
まさかタカヒコさん自身に案内してもらえるとは思わず、びっくり。
畑を1周しながら、聞いたことには何でも気さくに答えていただきました。
機械を使わないこと、樽香が好きではないので新樽を入れないこと、
そして、
「ワインはブドウで10割決まる。だから良いブドウを造りたい」
というポリシーという言葉。
今から考えれば、ここが僕の原点かもしれません。
「10割…」と考え込んで、次の質問が出てこなかったことを覚えています。
ちなみにこの時、まだドメーヌ・タカヒコのワインを
飲んだことはありませんでした。
そのことを正直に伝えて、苦笑いされたのを覚えています。
大阪で聞いたことがあるのが、ドメーヌ・タカヒコだけ、
というミーハーぶりでした。。。
収穫祭
収穫イベント(2015年)
12日(日)はドメーヌ・タカヒコで収穫祭。
50人のボランティアの募集が、たった2日で締め切りという狭き門でした。
メール会員に登録&即レスで応募してよかった~。
というわけで、札幌市を朝7時半に出発。
天候も快晴で、最高気温18度と、
ここ2週間で最高の気候に恵まれました。
北海道の秋は西高東低の気圧配置で、特に余市は雨がち。
この収穫祭では初の快晴とのことです。
9時過ぎに到着。畑の隣を臨時駐車場として案内されました。
お揃いのトレーナーを着たボランティア・スタッフもいて、
案内もスムーズ。
畑はかなり傾斜がきつめで、日当たりの良い場所。
ワイン畑から海も臨めます。
海の見えるワイン畑って珍しいですよね~。
そして今日のタイムスケジュール。
9:00- 受付開始
9:30- 作業スタート
11:00- 休憩
11:15- 作業再開
12:00- 昼食休憩
13:15- 作業再開
15:00- ワイナリーで手除梗
15:30- 足で破砕
ワイナリーには、ワインの箱も準備されている。
到着早々に、今日収穫するピノ・ノワールの、
ブラン・ド・ノワール2013(去年のものですね)を試飲。
来年のワインにイメージを膨らませながら、収穫を始める。
ワイナリーにはブドウの一覧も。
勉強になります。
曽我貴彦さん。説明もわかりやすいし、ユーモアも交えながら、
ワインの知識と収穫の手順や注意点を話してくれました!
魅力にあふれた人ですよね~。
収穫は、ハサミでブドウの房を傷つけないように切り取り、
健全果(赤ワイン・「ナナツモリ」用)と、
灰カビで貴腐化したもの(白ワイン用)に選別してコンテナへ分けていく。
選果しながらの収穫ですね。
収穫しながら1つ2つつまみ食いをしましたが、
めちゃくちゃに甘い!
糖度は22度以上に達しているとのこと。
コカ・コーラが糖度11度なので、その甘さにはびっくり。
薄いゴム手袋をはめて作業するんですが、
それでもブドウの果汁でベットリ。なかなか大変な作業です。
プロのみなさんなら、1列あたり1人で4時間とのことですが、
我々は4人で両サイドからせめても1時間で1列終わらず。
休憩の際にペースアップの号令も受けて、
なんとか予定のところまではやりきったか、というところでした。
昼食時にたくさんワインを試飲させてもらって、
ほろ酔いで午後の作業に。
15時くらいで収穫は切り上げて、ワイナリーに戻る。
そして手での除梗にチャレンジです。
コンテナを置いて、腰かけてブドウから茎を取り除いていきます。
今回は手袋をはめずチャレンジ。
普通のワイナリーなら機械で除梗しますが、
農楽蔵や10Rなどは手除梗を行っています。
ぶどうのエキスで、手が薄紫色になりました(笑)
ドメーヌ・タカヒコでは、基本的に除梗はナシなのですが、
「こういうのも面白いかな」と200kgくらいは除梗。
少しアッセンブラージュしてみる、という感じの、
試験的な造りのお手伝いですね。
そして50人で頑張って、完成したのがコレ。
これを足で破砕していくわけです。
機械でやれば、あっという間のこういう作業。
そこに手間をかけるというのも面白いですね。
しかし、一般的な体験では足にビニール袋をつけたり、
きれいな長靴を履いてやったりしますが、
今回はマジな素足(もちろん洗いますが)。
その理由について、貴彦さんが語ってくれました。
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微生物っていうのは、種類によって適する環境が違うんですね。
たとえばパン工房を立ち上げる方も、
ジュースだったり、生地だったり、じゃがいもだったり、
それぞれ個性が違ってくる。
なぜなら、固体・液体・固体と液体の混ざったもの、
それぞれの環境で酵母の種類も働き方も違ってくる。
酵母だけでなく、乳酸菌なんかも同様。
自分のワインの発酵の中で大切にしているのは、
いろんな菌を動かすこと。
だから、亜硫酸の無添加ワインを作りたいのではない。
亜硫酸を最初に入れてしまうと、亜硫酸耐性酵母しか働かない。
自然界には亜硫酸耐性のある酵母は少ないので、
どうしても乾燥酵母とかになってしまう。
他の菌も、もちろん亜硫酸耐性のものしか働かない。
そういうことをすると、うちのように、いい加減なワイナリーでは…
うちは発酵もいいかげん、樽貯蔵も汚いですよね(笑)
こういういい加減な蔵だとワインが負けちゃうんですよね。
たとえば人間でも、無菌的な環境で育った人が、
汚い、自然な環境に出ると、コテっといっちゃったりしますよね。
あるいは野菜工場のように無菌的な環境の場所では、
牛糞を入れただけで、そこの野菜は全滅してしまう。
それと同様に、自然界というのは、ある意味で汚い場所。
クマが糞をしたりするが、そこにある木は枯れたりしないし、
土のバランスも保たれている。
ワインも同様に、きれいなことをしてしまうと、
「靴では入らないでください」「この帽子をかぶってください」
「アルコールで洗い、サジテーション(消毒)をしてから醸造します」
「樽も3年経ったら変えないといけない」
というワインづくりになっていきますよね。
うちは樽も10年選手がいますが、
とにかく子供と同じように、汚い・自然な環境で育てたい。
できるだけたくさんの菌を動かしたい。
1種類、2種類ではなく、10種類、100種類と動かしたい。
だから今日も除梗して踏みますが、
そうするとジュースのように液体ばかりになってしまうんですね。
液体が中心に動ける菌しか動けなくなる。
そういうのはあまり好きではない。
ただ、そういうものがブレンドの中に少し入っているのも、
おもしろいかなって思っています。
ただ、ワインの赤い色は除梗した方が濃く出るんです。
梗にカリウムという成分が入っていて、
それが濃い色を出してくれます。
ただ自分は濃い色に美味しいイメージがなくて、
全房での発酵による薄い色は嬉しい。
うちは年間7トンくらいの収穫で200リットルをこうやって、
試験的に除梗して発酵しています。
楽しんでもらえれば、という感じですね。
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このあたりのこだわりが魅力ですね。
で、足での破砕。子どもたちが嬉々として取り組んでいました。
フランスでは踏むのは処女のみ、ということですが、
今日はおっさんも含めて、みんなで踏み踏み。
で、液体が多くなったものを、プラスチックのタンクに。
そこで熟成を行っていくわけですね。
みんなでバケツリレー。
そんなシーンが、「ぶどうのなみだ」にもありましたね~。
バケツがカラフルなのも、また面白い。
で、ドライアイスを入れたタンクに詰める。
ドライアイスを入れるのは、もう少し後に発酵させたいから。
温度を下げ、酸素を抜くことによって、発酵を遅らせる。
ちょっと特殊な処理ですね。
で、発行するときに発生する炭酸ガスはどうするかと言うと。
最近は便利なグッズがたくさん出てきているんですね。
これが、発酵弁。水が入っていて、炭酸ガスは抜けるが、
空気は入ってこないというアイテム。
これをつけて、外に置いておくわけです。
もちろん、普通の樽もあります。
「ナナツモリ」になるピノ・ノワールは、こちらで熟成。
来年の完成が楽しみですね。
結局、みんなで収穫したのは3トンくらい。
出来上がりが楽しみ。
最後にみんなで記念撮影して、拍手でお開き。
ぜひとも、次回も参加したいですね~!
最後に、ドメーヌ・タカヒコ産のクリを拾わせてもらいました。
奥さんはクリが大好きなので大喜び。
たくさんもらって帰って、ワインのお供にしましょう!
ワインを満喫した1日でしたー。
収穫お手伝い(2016年)
10月は収穫祭もあるのですが、今回はあえて外して、
少人数のボランティアの方に参加。
19日(雪が降る前の日)に、
ドメーヌ・タカヒコに収穫ボランティアに行ってきました。
僕の道産ワイン好きの原点とも言える場所。
今年は節目の年なので、ぜひ参加しておきたかった。
今年はタフな天候で、バラ房が多くて、収量は少な目。
しかし、色合いといい香りといい、品質はとてもよさそう。
天候も良く、まるでピクニック。気持ちいいな。
収穫用のコンテナも準備して、みんなで収穫。
今回は平日のボランティアなので、10名前後の少人数制。
半日収穫したところで醸造所へ。
なんと、樽試飲をさせていただきました。
ヴィンテージは2015。
サンスフルで行くとのことで、亜硫酸塩は不使用。
かなりパワーがあるテイスト。タンニンを強く感じる。
これまた長熟しそうな予感。
飲むまで待つ忍耐が無いと楽しめないかも(笑)
昼休みには栗の木に。
大きな栗の木の下で。
栗も食べごろ。大きな実がたくさん落ちています。
許可をもらって拾わせてもらって、家で料理しよ。
奥さんは栗が大好きなので。
後半戦も一気にやりきり、なんとか本日のノルマ達成。
天候も良くて、良いコンディションでの収穫でした。
灰カビも少なくて、良い感じ。
今年は紅葉がキレイ。
こういう年は大雪が来るとのこと。
雪虫も飛んでるね~という話をしていたら、
この次の日は雪でした。
当たるもんですね。
ということは、大雪説も当たるのだろうか…。
こわいな。
いや~、それにしても、久々に丸一日楽しめた!
コンテナに座りすぎて、太ももの裏が痛くなった(笑)
腰も筋肉痛の予感だし、体力が下がっているな。
楽しかった!
…ちなみに、上記の大雪説は当たりでした。
12月の大雪はハンパなかった。。。
札幌の交通機関マヒしてたもんな。
自然はいろいろメッセージを送ってくれているんだな。
ワイン・アカデミーでの講義
栽培編
2018年のワインアカデミー参加の際の記事。
旧ブログより引っ越し。話の内容は僕のメモに依存してます。
畑の概要
面積は4.5ha、植栽は2.5ha。
余市の平均面積が6.5haであるから、やや小さめ。
1人で管理できる面積を意識している。
現在は研修生も含めて2人で管理なので、少し余裕あり。
実感としても2haを超えると、手が回らなくなる時があるとのこと。
収量は少ない年で8トン、多ければ13トンくらい。
植えてある葡萄品種はピノ・ノワール。
ドイツ系やスイス系のクローン、
マリアフェルダーなどの大きい実をつけるものを中心に。
寒暖差が大きく、結露しやすい環境では栽培しやすいから。
全体の3割〜4割はMV6。
ディジョン・クローンは余韻を含めた味わいは良いが、
実と実が密着し、灰カビ率が高くなり、収量も低くなる。
クローン13系統を利用し、収穫時期がズレるようにしている。
おおむね10月20日~30日の収穫となっている。
クローンの違いによって、花ぶるいの起こりやすさや、
病気のなりやすさにも差がある。
北海道を選んだ理由
自分で畑を持つにあたって、いろいろな場所を検討した。
長野も考えたが、ヴィラデスト・ワイナリーで標高700~800m。
これより標高が下がると気温が高すぎるし、
標高を上げると冬の気温が低くなりすぎる。
北海道だと長野での標高1000mくらいの気温になる。
これはだいたい軽井沢ぐらい。
そして雪の多さが凍害から守ってくれる。
長野の標高の高い場所でも雪は積もるが、
どうしても雪解けが早くなってしまう。
標高による寒さでは、
下からの暖気を帯びた風によって雪が溶ける。
その後に寒波が来ると、その寒さで樹がやられる。
次に考えたのが北海道。
世界的に見ても北海道は良い気候と言える。
積算温度も1300前後とブドウに適している。
また、本州の欠点でもある秋雨が少ない。
特に収穫時の雨は玉割れを引き起こす。
また、収穫時期はなるべく遅らせたいが、
クールクライメント、寒い状態ではブドウは水を吸わない。
それでいて葉が緑のうちは糖度が安定して上がっていく。
本州の9月終わりの収穫ではBrixや酸度が下がってしまう。
そして北海道の中でも、余市は海が近く、霜が遅い。
秋が遅いとも言えるが、
霜が来るまではブドウを樹にぶら下げておけばよい。
欠点は晩生の品種(北海道で11月に入ってから熟す品種)は、
どうしても青臭さが残ってしまうこと。
土地に合う品種を探すことが大切。
9月後半~10月後半くらいに収穫を散らせると理想的。
早生品種の筆頭はミュラートゥルガウ。
糖度が年によってバラつくが。
糖度12までしか上がらない年もあれば、
糖度20まで簡単に上がる年もある。
晩生品種ではケルナー。
ただ、糖度は非常に安定する。
品質の良いものだけを目指すなら、
やはり晩生品種をうまく育てること。
ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、
そしてピノ・ノワールあたり。
農薬、除草剤について
品種によって、有機栽培のしやすさも違ってくる。
ドイツ系は全体的に農薬ありきの品種なので難しい。
ケルナー、ツヴァイゲルト、ミュラートゥルガウあたりは、
農薬なしで育てるのは大変。
最近造られた品種はどうしても化学農薬を前提にしている。
自分としては、
化学農薬はどうしようもないときに使用するというスタンス。
農薬に依存すると、「なぜその症状が起こるのか」など、
分からなくなってしまうから。
ブドウ栽培には「感性」が重要だと考えている。
農薬に依存しすぎると、感じ取る力が下がっていく。
同様に除草剤もまかない。
やってて気持ち悪いから。
これは自分の感性。
そう感じるからやらないだけ。
ただ、そんなにストイックに有機栽培をやる気はない。
大事なのは、周りの先輩栽培家が
「曽我ができるならウチでも」となること。
農薬1/10でキレイな畑、病気も無くて、虫の害もない。
そうなるなら、お金も節約できるしやってみよう、となる。
自分だけ有機栽培やっても何の意味もないから。
使用農薬について
使用しているのは、主に銅剤。
ICボルドー、コサイドボルドーなど。
JAS有機の認定を受けているもの。
今の考え方としては、なるべく銅の量を減らしたいということ。
デュポン社(コサイド・ボルドー)が銅を減らせる。
だいたい1/6~1/7まで減る。
超化学農薬企業が銅を減らす薬剤を開発する、
というのはなかなか皮肉だけど。
硫黄と石灰の合剤は春先に散布。
アブラムシやカスミガメ、カイガラムシよけに。
BT剤、微生物剤なんかは灰カビ予防に使う年もある。
あとは石灰の葉面散布は現在検討中。
イモ虫類にはBT剤。
飛んでるチョウが多い年はまく。
スズメガが大発生する前にまく。
サビダン硫黄合剤をまくこともある。
ブドウトリバについては、
観察していると春、開花直後くらいに卵を産んでいる。
越冬場所を作らないことが大発生を防ぐ基本。
山を背負った畑では厳しい。
落ち葉の下や木の皮で越冬してしまうから。
小さいうちは果皮を食べる。
食痕を見つけたらBT剤。
剪定、誘引、摘芯について
長梢剪定。
北海道では枝が折れるからムリと言われたので、
意地になって続けている部分がある(笑)
1本だとリスキーなので、春と冬の剪定に分けている。
冬はコルドン残して短梢と長梢に。
春には短梢の方を落とす。
誘引は長梢は芽の向きを一定に。
寝ないように固定している。
テープナーで充分。
摘芯は刈り払い機のバリカンバージョンみたいなやつで。
2.5haなら1日あれば終わる。垣根で作るなら根は下へ向かわせたい。
毎年、通路に出る根は切っている。
根を切ると樹にダメージを与えるという説もある。
ただ、余市は樹勢が強いので、その対策。
1年だけ切っても逆に根が増えるので、
樹勢は強くなってしまう。
毎年続けることが大切。
この後、ワイナリーに場所を移して、醸造の話も。
しかし、栽培哲学の話もたくさん聞けて良かった。
個人的には「観察」の話が心に響いたな。
そういえば、DRCでエシェゾーなどの栽培を担当して、
今はビオでワインを作っているヴァンサン・ルグー氏の、
こんな言葉を読んだことがある。
「最も大事なことは、observation(オプセルヴァシオン/観察)。
すべてにおいて、自分の目で見て確認するということです」
共通するものを感じる。
醸造編
引き続き、ワインアカデミー2018の記事。
ブログの引っ越しでこちらへ。さて、畑から戻って醸造所でのお話し。
醸造過程
10月20日~30日に収穫を終えて、
発酵は40日~50日かけて起こる。
温度を下げるのは北海道では楽。
自然と気温が下がっていくから。
低温発酵でゆっくり日数をかける。
醸造所内は22度くらいまでしか温度が上がらない。
アルコール発酵もMLFもやりきる。
発酵が落ち着くのが12月5日頃、
ちょうど剪定が終わる頃にプレスする。
12月末ぐらいに樽出しして、できる限り早く瓶詰を行う。
サイフォンを利用して、重力で動かす。
酸素は怖いので。
製品はポンプを使うのはダメ。
亜硫酸について
亜硫酸は使用していない。
おいしく飲むのにいらないのではないか?と考えている。
なりとなしで作り比べて、トライアルしている。
現状、亜硫酸「あり」と「なし」を比べると、
「なし」の方は詰めてすぐはアルデヒド臭がある。
それが1年くらい経つとなくなり、果実味が出始める。
最初は「あり」の方が良いが、
1年以上経つと「なし」の方がおいしくなっていく。
ワインとは
ワインというのは、味噌やしょう油のようなもの。
大手企業(キッコーマンやマルコメ)があり、
小さい農家がある。
企業の世界と農家の世界があればいい。
ただ、企業はスタッフの生活を考えないといけない。
自分としては小さい農家として、自分のやり方でやりたい。
やはりここでも大切なのは感性。
観察し続けて、養っていくことが大切。
ワイナリーを始めるとき
余市に新規で入ったころは、
土地が反当り30万円くらいだった。
土が作られている感じ。
肥料はありすぎるくらいだった。機械とリフォームで1000万円くらい。
タンクは合成樹脂のものを使っている。
5~6万円くらいで買えた。
新だるは必要なくて、古樽にした。
ただ、樽洗浄機にはお金をかけた。
高圧洗浄機もお湯が出るやつを使っている。
あとは瓶詰の機械が7万円くらいのイメージ。
IBCタンクを使っている。
ステンレスタンクはサニテーションが大変。
ブルゴーニュでは桶を使っている。
これでもいいが、価格が高い。
味噌やしょう油と同じ。
桶でも作れる。
ブルゴーニュでも今は桶からプラスチックに。
プラスチックの欠点はにおいの吸着。
ただ、ピノ・ノワールしか作っていないので、
大きな問題はないと感じている。
ナイアガラで使った後にピノに使ったら、
それは問題あるだろうけど笑
酸素透過についても今のところ問題は感じていない。
酵母
酵母は畑の菌を使っている。
虫が菌を運んできてくれる。
造り
赤品種は全房でタンクに入れて、
タンクごと重さをはかる。
このやり方なら簡単だし楽。
どんな農家でもできる造りにしている。
自分としても睡眠時間を削ると、
思ってもみないミスをしたりするので。
審査会について
審査会に出すとなると、
どうしても審査員の顔色を窺ってしまう。
評価の高いものを作ろうとしてしまう。
だからコンクールには出さない。
自分の世界を表していく。
実際に醸造器具なんかを見ながらのお話しで、
すごくためになりました。
質問にも親身に熱心に答えていただいて、
本当にあっという間の1時間ちょっと。
名残惜しみながら、次の講義へと移動です。
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