5月8日に北海道大学で第3回のワインシンポシオンが開催ということで、
初日の講演と懇親会に参加してきました。
2日目ももちろん参加したかったのですが(興味ある講演も2日目にあったし…)、
地域の用水路の清掃と重なり、地域行事を優先することになりました。
3年計画の最終年を迎える北海道大学での取り組みは、
今年が集大成の年となる。
そのせいか発表もありました。
曾根先生の講演より、内容を要約しておきます。
3年間の成果として大きいのは、
北海道大学の中に、ワインというテーマを根付かせたこと。
大学院の共通科目として「北海道 サスティナブル ワイン学」開講。
受講生は80→150→180と3年間で増えた。
初年度は「80名も受講生がいるんだ!」と驚いたものだが、
そこから受講生は増え続け、2倍を超える数になった。
若い人がワインを知りたいのだ、と感じる。
国際資源学院では「ワイン生態学」を開講。
全て英語での授業。
ワイナリーでの作業も行う。
実際に学生が手を動かすという点で良い取り組みだった。
一般の学部生向け「ロバスト農林水産学」。
ワイン関係の講義は1回のみだが、
共通科目として学部生に受講してもらった意義は大きい。
また、様々なワイン関係の研究も始まっている。
灰カビや、根頭がん腫に抵抗性を持つウイルスの研究や、
北海道の菌叢が低温や低pHでもマロラクティック発酵を行うという研究、
固有品種「山幸」の品種特徴香の化学分析など。
今後もどんどん取り扱うテーマが増えていくと期待している。
直接的なテーマだけでなく、
マーケティング、ワインの香り分析、ブドウの耐凍性、
小型分析機の導入など、興味深い取り組みも多くなっている。
そして「交流」の面においては、
1年に1回のシンポシオン開催があげられる。
シンポシオンとはローマ時代からある言葉で、
「酒を飲みながら語り合う」という意味合い。
ワインについて学術的に語るにはピッタリではないかと名付けた。
また、「組織」についても前進した。
「北海道ワイン教育研究センター(研究)」と、
「北海道ワインプラットフォーム(窓口)」
が作られ、連携している。
また、「ブドウ・ワイン分析支援コンソーシアム」も立ち上げ。
余市で時間予約でセルフ分析してもらえる場所。
1分半で10種くらいの項目で分析できると好評。
そして「拠点」作り。
「北海道大学ワイン教育研究センター棟」が完成。
「北海道大学 余市果樹園にワイン用ブドウ400本も植栽。
今後の展望としては、ワインを含む地域や産業の進展を目指す。
若い人が残り、他地域からも流入するような魅力的な北海道を目指す。
ナパヴァレーのように、ワインを飲みながら北海道を色々満喫してもらう。
経済効果、地域の持続性を高める。
将来的に、「ワインによる学位」、「大学内にワイナリー」
「食と観光の拠点」を目指すが、これは夢ともいえるような長期計画。
まずは目下、ツーリズム担当者に向けたワイン講座を開講していく。
今後ともご支援や応援よろしくお願いします。
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