北海道のワイナリーも紹介していきたいと思います。
まずは、「多田農園」。
●基本データ(鹿取みゆき著「日本ワイン 北海道」より)
場所:空知郡上富良野町
初ヴィンテージ:2010年
生産本数:約4000本/年
栽培面積:1.5ha
標高:220m~230m
●ワイナリーの概要
1901年に入植。
2007年より醸造用ブドウ(ピノ・ノワール)の栽培開始。
宝水や10Rでの醸造を経て、2016年より自社ワイナリーが稼働。
●ワイン概要
2013年までと、2014年以降で大きく様変わりしています。
エチケットもガラッと変わっていて、
左が2013年まで、右は2014年以降のヴィンテージ。
個人的には、左側の「顔エチケット」コミカルで好きだったんだけどな。
2014年以降はピノによる白ワインやシードルにもチャレンジしてます。
ブドウジュースの販売もあり。
メインの品種はピノ・ノワール、メルロ、シャルドネ。
他に一部キャンベルとナイアガラによるアイテムもあり。
価格帯は3780円が中心。
ま、庶民感覚で言わせてもらうと、やや高めの価格設定です。
味わいに関しては、
・ピノ・ノワール(赤)
ライトなボディでバランス感覚の良いワイン。
赤いベリー系の味わいを中心に、チェリーのテイストも。
・メルロー(赤)
個人的には、このワイナリーでもっとも注目しているアイテム。
寒冷地のメルロー。線が細い印象があるが、時間とともに開く。
開けば思わぬリッチさを見せてくれる。
・シャルドネ(白)
スッキリ系の白。
白い花の香りを中心に、爽やかなテイストに仕上がっている。
…というのがざっくりしたイメージ。
ヴィンテージによる振れ幅も結構あるので、
詳細はまとめ記事参照(コチラ)。
●ワイナリー訪問
2015年の夏、旭川旅行に行った際に訪問しました。
以下が、その時の記事。
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美瑛から車で30分ほど、川のほとりにありました。
道がまっすぐで、奥さんが「あ!ブドウ畑!」と
気づいたらそこは多田農園でした。
この看板が無かったら素通りしてしまったかも。
電話してから訪問したので、奥さんが出迎えてくれました。
ショップに入って最初に目に入ったのは、
ヴィンテージ違いのピノ・ノワール。
最初の2010から最新ヴィンテージまでずらっと。
2010が色合いが薄いのが分かります。
最初の年は除梗したのと、皮の漬け込みをしなかったから、
色合いも薄く、味わいも控えめになったのだとか。
並べてみないと分からないことですよね。
そして悔しかったのが、まさに訪問した日が、
シャルドネ2014の出荷日。
旦那さんはキャップシールを付けに、10Rに行っているとか。
まさかの入れ違い…。
奥さんに何度も「明日来ていたらね~」と言われ、泣きそうになりました。
天然酵母で仕込んだとか。絶対手に入れよう。
来年からワイナリーも完成するということで、非常に楽しみ。
ヴィンテージ違いを揃えたかったが、うちの奥さんの笑顔に恐れをなし、
結局、2010のみ購入。(多田さんの奥さんも笑ってはりました)
その後、奥さんに案内してもらって、軽くブドウ畑を。
砂利質です。大根とかの根物を育てると曲がって困る畑を葡萄に。
まさに適地と言えるでしょうね。
富良野は広大で、葡萄畑も景色に溶け込んで美しい。
日の光に種が透けて見えるシャルドネ。
世界で一番美しい宝石だと思いませんか?
これより美しい光景が世の中にあるとは思えない。
樹間は広め。雑草も生えてます。いい感じ。
ピノ・ノワールもしっかり色づいている。
夏の気温は高く、日照量があることも含め、良い条件。
そして盆地であるという条件は、メルローのポテンシャルの高さでうかがえる。
少なくとも、北海道でこれほど良質のメルローを僕は知らない。
(メルローの生産者自体がかなり少ないけどね…)
メルロー好きとしてはたまらない魅力。
こりゃあ、メルローも揃えて飲んでみたいな…。
かなり楽しいワインたちです。
こうやって生産者の方と話して、自分の目で見て、
ストーリーを持ってワインを飲むと、100倍美味しい。
素晴らしい経験をさせていただきました~。
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