タイトルからソーテルヌとかの産地化への歴史の本かと思ったら、
日本での貴腐ワインのスタートの話だった。
著者はサントリーの大井さん。
北海道大学の農学部卒らしい。
第3章の「ぶどうとの出会い」で、
北海道大学時代のブドウの果皮の研究に明け暮れていた部分、
小樽・塩谷のブドウ研究の依頼があったくだり、
(紅塩谷=旅路という品種の始まりか?)
あとフィロキセラ禍とハインリッヒ・ハムのことも少し。
第5章「ブドウの四季」ではブドウの葉で、
樹の状態が分かるという部分が興味深い。
第6章「品種改良の苦心」も読んでて楽しいが、
特に新情報はなかった。
この辺りが熟読ポイントだった。
ブドウの葉のくだりだけ少し引用。
「ものいわぬ赤児の泣き声で、
母親は空腹なのか、おむつを取り替えてほしいのか、
その訴えをはっきり識別できると聞く。
私たちもぶどうの葉の表情から、
彼らの訴えを読み取らねばならない。」
「大きい葉で肉厚の時は、栄養過多気味なので、
樹の負担を重くしてやるとか、
虫喰痕や病斑がでたら、直ちに防除してやるとか、
また真夏時、水分状態はどうかなど、
各ぶどう畑を回って恋人のご機嫌をたしかめるような毎朝である」
葉で品種を特定できるのは有名だが、
コンディションを葉で知るのは重要だな。
まだまだ僕はメッセージを読み取りきれてない。
毎朝、顔色伺うとこから始めよう。。
●書籍データ
筆者 大井 一郎
出版社 東洋経済新報社
出版年 1985年
価格 1000円
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