北海道外のワイナリーまとめシリーズ、
次は四恩醸造です。
エチケットの水彩画が美しく、
またその画題がワインの名前になっているところも特徴的。
味わいもかなり好きです。
価格も手ごろなので、見つけたら即買いのワイナリー。
スパークリングワイン
窓辺
窓辺2015
四恩醸造の「窓辺」の2015。
泡なんですが、白…というかオレンジ・ワイン。
かんたんに言うと、白ブドウを赤ワインのやり方で醸造してます。
通称、「オレンジ・ワイン」と言われる、注目されている手法です。
裏エチケットにも書かれている通り、濁りもハンパない。
最後の一杯。
グラスを回しながら撮ったら、液面が斜めになりました(笑)
くすんだオレンジ。
「ノン・フィルター」、つまり人為的に清澄させずに、
ワインそのものの「濁り」を残したもの。
評論家的には、「雑味が多くて、洗練されていない」となる。
…となるが、僕にとっては心に響く。
たとえば、ブルーハーツの曲のように。
最近はやりの歌唱力を競う番組なんかでは、
絶対に勝ち残れないような歌い手。
でも、そういう番組の優勝者は翌日には忘れるのに、
ブルーハーツは、ずーっと心に残る。
この雑味は、そういう種類の雑味だ。
合わせたのは、普通のシチュー。
え?普通のホワイト・シチューです。
個性の強いワインと、没個性的なシチュー。
なかなか面白い組み合わせ。
このワインを一言で言うと、複雑。
梅酒のようなテイストと、イーストのようなほろ苦さ、
そして肉料理にも合うような重厚さ。
相反するテイストが、泡にくるまれて、のどを流れていく。
シチューとも相性よし。
値段も2000円くらいだし、
手に入るなら、いつも飲める状態にしておきたい1本。
白ワイン
夏の陽
夏の陽2015
2016年6月のワイン会。
持参ワインは「夏の陽」。
シャルドネが主体。
これは香りに思わず声が上がる。
酸が綺麗で、なるほど、夏の陽だわ。
緩やかな泡と少しの濁りが気怠い夏の昼間を思わせる。
それでいて美しい酸が清涼感を生んでいる。
レモンのさわやかさ、厚みのある果実味。
真昼ではなくて、陽が陰り始めている。
あぁ、これは乾杯向きの一杯だ。
北海道とはまた違う、暑い日の乾杯に最適な泡。
料理と合わせるのが難しそう。
温度が上がると複雑さが増してくる。
この変化についてこれる料理なんてあるんだろうか
グラスの縁に僅かに残る泡。
忘れがたい、ひと夏の思い出のような1本。
マーガレット
「ワインの店いとう」で買ったワイン。
ワインの名前はエチケットの水彩画から。
果実感が強く、甘い香りが印象的。
極辛口との話だが、「やや辛口」くらいに感じる。
リンゴのコンポートのような熟した甘さ、シナモンなどの香辛料の雰囲気も。
飲み始めると止まらない。
スイスイ行ってしまう白です。
●2度目は2020年12月。
甲州種のシュール・リーで作られているらしい。
こういうぽっちゃりした白は好きなんだよな。
厚みがあり、果実味の手ごたえもしっかりある。
酸は適度な感じで、
果実由来の甘さとバランスを取れるくらい。
優しい感じが落ち着く白。
夜は授業をして帰ってくるとアドレナリン出てるので、
それをゆったりと落ち着けるのに最適な1本。
朝も弁当作りから息子の幼稚園送りがあって早起きなので、
こいつ1杯で体を落ち着けて、ぐっすり眠るのが最高だな。
カサブランカ・ブラン
2020年7月。
大好きな四恩醸造のカサブランカ。
きわめてクリアな味わい。
ただ、その中にトロピカルな雰囲気がふわりと。
アロマティック品種が使われているのかと思いきや、
プチマンサン、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネとのこと。
透き通る雰囲気は品種からも連想できるが、
この緩やかで甘やかな感じは、何がそうさせるのか。
ついついグラスに手が伸びてしまう。
地味だが魔性だわ。
ハマる1本です。
希望
希望2018
2020年11月。
前回飲んだ赤の印象から、これも優しめのワインなのかな、
とイメージして飲んでびっくり。
液温よりも冷たい印象を受ける、尖った印象のワイン。
ソーヴィニヨン・ブランとプチマンサンが主体らしく、
品種の特性を前に出している感じか。
これはまた四恩醸造のこれまでのイメージと違う印象のワイン。
醸造家が変わったからかな?
これまたなかなか面白いアイテムです。
1000円台というのもさすがですね。
オレンジワイン
窓辺
窓辺2015
夜は軽くパーティー。
ワイン会で飲んで以来、ハマっている四恩醸造。
虎屋リカーのネット店舗で発売をかぎつけて買ったもの。
(本当はクレマチスを買ったけど、割ってしまったと連絡が入り、
窓辺になりました…。そういうこともあるんですね…)
濁りは好きなのでとても良いです。
寝かしておいたら、オリも見えるほど溜まる。
このくすんだ感じと濃厚な果実味はクセになる。
酸をほとんど感じないあたり、北海道の白とは趣が違う。
さすが、南北に長い日本。
同じ国内でも大きな違いを味わえる。
窓辺といい、パンといい、手作り感があるものは良いな。
ハマっていく予感…。
ロゼワイン
瑞雲
瑞雲2015
2016年に。
ちょっと甘目のクリームリーズケーキと合わせて。
四恩の「瑞雲」です。
ネットの「虎屋」で購入した四恩3本のうちの1本。
泡の気圧が高く、王冠を開ける時に吹きそうになり、
固まったままの姿勢で過ごすこと数分。
奥さんに不審がられつつも、1滴もこぼさずに開栓。
味わいは深く、かなり美味しい。
酸はほとんど感じない、丸みを帯びたスパークリング。
泡も(あれだけ抜栓に苦労したのがウソのように)サワサワと優しい。
果実味由来の甘さが魅力的。
アプリコットのような香りが、酔わせてくれる。
酸をほとんど感じないので、甘目のチーズケーキとマッチしている。
甘いのに美味しいと感じるワインはほとんどないので、
これは特別だ。
おそらく、濁り由来の複雑性が、甘さをうまく包んでくれているのだろう。
チーズケーキの余韻を楽しみながら、コイツの余韻を味わう。
うーん。これは久々に格の違うロゼだ。
おそらく国内最強。素晴らしい!
向日葵
2020年10月。
四恩醸造のロゼ。
相変わらずの心惹かれるエチケット。
おでんは関西風で、ダシ強めの薄味。
からしが良い役割を果たしてくれる。
牛スジと大根があれば、それで満足…
というわけにもいかないので、練り物やジャガイモも。
このロゼはドライに仕上げてあり、
わずかな苦みが良いアクセントになっている。
主張は強くないが、芯は強いという印象。
おでんとの相性はまずまず。
ちょっとお互い控えめで、
縁談がうまく進まない感じはあるが、
結婚してしまえばうまくいく印象。
華やかさはないが、日常の幸せという感じ。
小さいが確かな幸せ、というのはとても心地よい。
大切にしていかないとな。
赤ワイン
日向
注目度が上がり、手に入りにくくなった、ドメーヌ・オヤマダの赤。
しかし今回飲んだのは香り閉じ気味、
やや還元臭も感じる。
くすんで、ボヤけた印象でした。
「美味かった!」という話も聞いてるし、
どうやらボトル差か、コンディションか…。
試飲後残ってたら再チャレンジしたかったが、それも叶わず…。
どこかで出会ったら、もう一度確認のために、
ぜひ飲んでみたい1本です。
薔薇
四恩に共通して感じる優しさがここにもある。
ふんわりとした雰囲気で、
「これを伝えたい!」という想いがあふれるワインというよりは、
「きみは何を受け取るんだい?」と問われているようなワイン。
控えめではあるが、若い果実のようなフレッシュさと、
芯の強さが確かにある。
ぼんやり飲んだら、ただ「美味しい」で終わりそう。
こういうなんでもないところに哲学があり、
真理があるような気がする。
秋の夜長、ゆったりと飲みたい1本です。
酒精強化ワイン
仄仄(ほのぼの)
2016年の年末。
本年締めくくりの1本は酒精強化ワインにしました。
山梨県四恩醸造の「仄仄(ほのぼの)」。
珍しい名前ですが、ワインの名前というよりも、
エチケットの画題が「仄仄」なのです。
暮れなずむ夕暮れのイメージです。
アルコール度は18.0。
醸造途中でブランデーを添加している、いわゆる「ポートワイン」です。
1年の最後なので、食事の最後に楽しむタイプのコイツを。
色あいは琥珀色。濃いです。
味わいは少し苦めのカラメル。もしくはコーヒーのような苦味。
その後にドライフルーツのようなコッテリした甘味が続いて、
最後はナッツかな。コクがある。
グイグイ行くわけにはいかないので、
6Pチーズをつまみながら、なめるように味わい、今年を振り返る。
今年は就農にチャレンジするのを1年先送りして始まった年でした。
来年を見据えて、職場でも責任者から外してもらい、
そういう意味では「ほのぼの」とした1年でした。
時間もできたので料理をはじめとした家事もたくさんできました。
気楽に有給も消費して東北や長野のワイナリーを巡り、
ワイン会に参加したり、ついには主催したり、
色々なことにチャレンジできた年でもありました。
久々に読書もかなりできたし、学ぶことも多かった。
そろそろ来年度に向けてのプレリュード(前奏曲)が聞こえてきそうな、
そんな時期になってきました。
来年からはワインづくり(農業)へ一歩踏み出すわけで。
粘性の高いこのワインのように、
粘り強く、ずっと続けていけたらと考えています。
勢いで飛び出さなかった分、力を溜めることができた、
来年、それを十二分に発揮したいと思います!
うむ。さすが18度。酔いが回るのも早いわ(笑)
明日も早起きなので、もう寝てしまうことにします。
それでは皆様、良いお年を!
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