NHKのカルチャーラジオにて、
山梨大学の鈴木先生がブドウの番組をされると聞いて、アプリにて視聴する。
自分なりに要約して記録する。
第1回は「醸造用ブドウの秘密」。
(以下、『 』内は引用)
『ワインを科学するとはどういうことか。
ブドウ栽培、ワイン醸造、販売・地域づくりまで包括的な研究。
栽培…剪定、土壌、アントシアニン、持続的な農業、農薬、ウイルス、苗木
醸造…発酵温度、酵母、亜硫酸、有機酸
販売…経済効果、利益、顧客、デザイン、マリアージュ、インバウンド、ツーリズム
これらのキーワードが含まれるといえる。』
まず冒頭でワインを科学する問いはどういうことかの提起。
北海道ワインアカデミーなんかでもこのテーマの多さは言及されていた。
ワインを造るということは、多岐にわたるテーマに精通しないといけない。
これは自身でも肝に銘じておく。
『「良いワインは良いブドウから」と言われるように、ワインの90%はブドウで決まる。
第1回は世界と日本のブドウ栽培の違いを。
まずは世界のブドウ生産状況から。
2010年~2020年までの推移を。
世界の生産量トップ10の国で世界の生産量の2/3を占める。
トップ10はスペイン、フランス、中国、イタリア、トルコ、
アメリカ、アルゼンチン、チリ、ポルトガル、ルーマニア。
スペインやフランス…ほぼすべてが醸造用。
アメリカ…30%生食用、60%が醸造用。
中国…80%が生食用、15%が醸造用。
といった具合に国や地域によって栽培目的が違う。
日本のブドウの生産量は17万トン(農林水産省)。
1位は山梨県25%、2位長野17%、2位岡山9%と続く。
醸造用ブドウは全体の20%ほど、生食用は70%。』
データ系をたくさん出していただけるので、
しっかりメモを取って記録しておく。
『日本のワイン生産量(国税庁)
1位神奈川、2位栃木、3位山梨
神奈川や栃木はブドウの生産はほとんど行っていない。
大手メーカーが海外輸入原料でワインを生産しているから。
このようなブドウ栽培地とワイン製造量の齟齬から、
国税庁は海外原料で造ったワインと日本で栽培したブドウで造ったワインを区別している。
それが最近生まれた「日本ワイン」という言葉。
日本ワインとは国産ブドウ100%で造られたワイン、
日本国内で製造されたワインであることを示す。
これらの条件を満たすとラベルに「日本ワイン」と表記できる。
日本ワインは国内に流通するワインのうち4.6%しかない。
日本ワインを造るということは、ブドウを正しく栽培する、ということになる。
日本ワインを美味しくするためには、醸造用ブドウ栽培が生命線。
日本ワイン原料用ブドウの生産量を品種別で紹介する(R3国税庁)』
一口にブドウ栽培といっても、国や地域によってその目的は多様。
ワイン用がメインの国もあれば、生食がメインの国もある。
その割合(比率)も国によってさまざまだ。
日本はその点、歴史的に見ても生食がメインの国。
その日本でワイン用の栽培が増加してきている。
以下、日本の赤ワイン用・白ワインようそれぞれの生産量データ。
『・赤ワイン用
1位マスカット・ベーリーA
2位コンコード
3位メルロ
4位キャンベル・アーリー
5位カベルネ・ソーヴィニヨン
6位ブラック・クイーン
7位ヤマ・ソーヴィニヨン
8位巨峰
9位ツヴァイゲルトレーベ
10位ピノ・ノワール
マスカット・ベーリーAで3000トン、全体の13.6%なので、
様々な品種が使われていることが分かる。
・白ワイン用
1位 甲州
2位 ナイアガラ
3位 シャルドネ
4位 デラウェア
5位 ケルナー
6位 ソーヴィニヨン・ブラン
7位 セイベル
8位 竜眼(善光寺)
9位 ポートランド
10位 ミュラー・トゥルガウ
赤ワイン用と同様に甲州という土着の品種が1位となっている。
ヴィニフェラの1位のシャルドネですら全体の6.5%に過ぎない。
赤白ともに日本に土着した品種をメインに使っていることが分かる。』
ワイン用ブドウの苗木を中心にやっていると、
ヴィニフェラ系が多いのかと錯覚するが、
やはり歴史的なものもあり、ヨーロッパとは違う品種が1位になる。
『日本ワインの生産量ランキング
1位 山梨…5180キロリットル(31.2%)
2位 長野…3950キロリットル(23.8%)
3位 北海道…2603キロリットル(15.7%)
この上位3道県で日本全体の70%を生産しているということになる。
日本47都道府県でもワイナリーの無いところは無い。
上位3道県の特徴は以下。
山梨県…赤ワイン38.4%、白ワイン59.1%。
長野県…赤ワイン65.3%、白ワイン30.6%。
北海道…赤ワイン32.9%、白ワイン47.9%、スパークリング8.2%。
北海道はスパークリングワインが多い。
●山梨県
甲州(白ワイン用)…3212トン(白ワインの52.3%)
デラウェア(白用)…445トン(同7.3%)
シャルドネ(白用)…93トン(同1.5%)
マスカット・ベーリーA(赤ワイン用)…1621トン(赤ワインの26.4%)
巨峰(赤用)…130トン(同2.1%)
メルロ(赤用)…105トン(同1.7%)
●長野県
コンコード(赤ワイン用)…約1800トン(赤ワインの32.3%)
メルロ(赤用)…852トン
ナイアガラ(白ワイン用)…約1000トン(白ワインの15.8%)
シャルドネ(白用)…511トン(同8.1%)
隣り合わせの2県だが、その構成比は全く違う。
●北海道
ナイアガラ(白ワイン用)…1100トン(白ワインの26.4%)
ケルナー(白用)…492トン(同11.3%)
続いてポートランド、ミュラートゥルガウ、バッカスと続く。
キャンベルアーリー(赤ワイン用)…613トン(赤ワインの14.1%)
ツヴァイゲルト(赤用)…268トン(同6.2%)
ピノ・ノワール、ロンド、山幸と続く。
いずれの道県でもヴィニフェラが1位ではなく、
土着の品種を大切にしてワインを造っているということが分かる。
一方で、2位にヴィニフェラが入ってくるのも特徴的。』
データ系を記録しておきたいので引用が多くなった。
色々な場面でこのデータは使えそうだ。
しっかり頭に入れておく。
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