北海道のワインの歴史

旧ブログからの引っ越し記事。
元の記事は2015年1月にアップ。

さて、「北海道のワイン」という本から学ぶ、北海道のワインの歴史です。
この本から、個人的に面白いと思った部分を抜粋してみます。
まずは略年表形式で。

1871年 岩倉遣欧使節団がヨーロッパのワインに出会う。
1875年 苗穂に「北海道開拓使官園」としての葡萄畑スタート。
1877年 開拓使庁直営の葡萄酒醸造業スタート。
1879年 ブドウ畑50ha、醸造量1098リットルに達する。
1882年 開拓使庁廃止。
1887年 払い下げを受け、私営の「花巻葡萄酒醸造所」に。
1891年 「北海道葡萄酒醸造所」に改称。
1906年 「札幌葡萄酒合資企業」に発展。
1913年 廃業。

この時期、全国に興ったワイナリーも、ほぼ全滅状態となる。
原因としては、フィロキセラの流行によるヨーロッパ種の全滅と、
「赤玉ポートワイン」を代表とする甘口葡萄酒の流行がある。
本格的なワイン醸造は、一時、暗黒時代を迎えることになる。

それを打ち破ったのが「十勝ワイン」の池田町。

1963年 「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」がスタート。
      北海道でのワイン造りにおいて、現在に続く系譜は、
      ここからスタートということになる。
      1957年から20年町長を務めた丸谷金保(かねやす)氏が、
      池田町をワインの町に変えたのである。
      ワインの名称は「十勝ワイン」と決まる。

1964年 大冷害に見舞われ、十勝ワインはスタートから苦戦の年になる。

そしてこの十勝ワインが、一挙に有名になり、
事業も軌道にのったのが、1972年の札幌オリンピックの年。
メディアにも取り上げられ、ここから「ワインと言えば池田町」
という評価と名声が構築されていくことになる。

この成功を前例として、
1970年代に第1次ワイナリー設立ラッシュが来る。
現在まで続く大手4社を含めた5つのワイナリーが誕生。

1972年 「はこだてわいん」の前身「駒ヶ岳酒造株式会社」スタート。
      *「はこだてわいん」の名称は1982年~。
      函館ヤクルトが共同出資している。
      
1972年 「富良野市ぶどう果樹研究所」がスタート。
      この年、試験醸造免許はおりたが、
      研究室は木造一軒家の使い回し。
      若干27歳の中根正彦の孤軍奮闘でスタート。

1973年 はこだてワイン

1974年 日本清酒(余市ワイン)スタート。
      札幌が本社の日本清酒が、ワイン事業に進出。
      清酒工場の一部を利用してワイン醸造を開始。

1974年 北海道ワインが創業。創始者は嶌村(しまむら)氏。
      これに「オチ・ガビ」の落希一郎氏なども加わり、
      北海道では最も大規模にワイン事業をスタート。      

1976年 富岡ワイナリーがスタート。
      飯田清悦相郎氏が、富岡の山の中に3haでスタート。
      産経新聞などでジャーナリストからの転身。

1988年 中央葡萄酒千歳ワイナリー  
      山梨県勝沼の中央葡萄酒が、千歳市農協からの
      熱いラブコールを受ける形で開業。
      当初はハスカップから始め、ワインも作るようになった。

1993年 松原農園
      「北海道ワイン」で7年働いた松原研二氏によりスタート。
      小さい規模でも勝負できる酒造り、とスタート。

2000年 月浦ワイン醸造所 
      岸本雅直氏によりスタート。
      特産品の相談を受け、葡萄栽培、ワインづくりを始める。

2000年 ばんけい峠のワイナリー

ここまでが「北海道のワイン」という本に記載があるワイナリーたち。
もう一つ、「山崎ワイナリー」も載っているが、
これは第2次ワイナリー設立ラッシュを牽引した存在だと考えるので、
後編の本格ブティックワイナリーの萌芽と合わせてまとめていきます。

そして第2次ワイナリー設立ラッシュの引き金となったのが、
「山崎ワイナリー」で、ここから10年で7つのワイナリーが誕生。

2002年 山崎ワイナリー
2006年 宝水ワイナリー
2006年 マオイワイナリー
2008年 奥尻ワイナリー
2009年 さっぽろ藤野ワイナリー
2010年 ドメーヌ・タカヒコ
2011年 八剣山さっぽろ地ワイン研究所

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